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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ソーシャル解析の意外な面々」から

2012.7.4  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ソーシャル解析の意外な面々」から

米ネット業界のNEXT

コラムの筆者は、日本のICT業界の新たな遅れを指摘する。

○ソーシャルメディアやビッグデータの解析

ソーシャルメディアの普及でネット広告も広告商品効果が落ちてきたといわれている。バナーや検索広告などの従来型ではなく、人間の複雑なソーシャルなつながりでの口コミなどが重視されているからである。

この大小無数のソーシャルメディア同士の複雑な関係性を解きほぐし、人間関係を分析し、小さなつぶやきや拡散状況などを可視化するkとおが求められている。

コンビニなどでのPOSデータやダイレクトメールなど大量に発生している情報、ビッグデータを解析することで、個人の購買行動などを解析することも行われているという。

問題は、これらが従来のソフトウェア開発力とは異なった高度な統計や解析の知識や手法が必要となることで、米国では、リーマンショック後に余剰となった高度な金融工学やコンピューターサイエンスを駆使するエンジニアたちを急速に採用している点である。結果として、最近の米国のネット業界は、技術だけでなく知識的にも、かつての金融業界レベルの最先端産業になりつつあることだという。

○スマートフォンのアプリ開発ブーム

日本ではスマホゲームなどのアプリ開発が盛んであるが、従来のゲーム機産業と同様に技術の進歩だけに注目している点が危うい。コンテンツやその開発力を応用できる知識がまだまだ、米国に追い付いていない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:劇場文化に転機の兆し」から

2012.7.6   日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:劇場文化に転機の兆し」から

平日昼公演が盛況

コラムの著者 山中直人氏(コンサルタント・青山学院大学講師)の見方は、新国立劇場にオペラを観劇した際に、午後2時からの5時間の大作が満員であったことから、ライブへの欲求が高まっているのでは、との見方である。

○平日・日中公演は歌舞伎が先駆け

市川亀次郎さんが4代目猿之助を、香川照之さんが、9代目市川中車を襲名披露した歌舞伎など大盛況。しかも、新橋演舞場で平日・日中でも売り切れがあるという。

多くは、シニア層であるが、女性だけでなく、男性、一人客も目につくようになっているという。

○シニア層だけの傾向ではない

この傾向は、シニア層に限らないようだ。経産省の特定サービス産業動態調査によると、「劇場・興行場、興行団」の売上高は昨年10月から7カ月連続前年同期比プラスとなっている。一方で、映画館の売上高は2月まで連続のマイナスであった。つまり、コンサートでも芝居でも、現場で活動している人からは手ごたえがあるとの声も山中氏は聞くというから、「人が生で何かを演じ、人が集まるところへ足を運びたくなる」のではないかという。東日本大震災の影響とは言えないまでも、ライブに触れたいという欲求は高まっているという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法③:現地での意思決定」から

2012.7.5  日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法③:現地での意思決定」から

組織形態の正解はないが、ジレンマに対抗する

コラムの著者 作左部孝哉氏(アクセンチュア・人材・組織マネジメントグループ シニア・プリンシパル)は、現地のニーズに即した商品やサービスを個別に投入すると、全体としてのグローバル化が損なわれるというジレンマをどう解決するかを解説している。

【日本企業の弱点】

各国最適に陥らないように現地拠点の自律性を活かしつつ、本社がガバナンスをしていくかの組織体制で、日本企業は、本社の求心力が弱い。

○要因1:意思決定の判断材料である現地情報やノウハウが本社に蓄積されていない

○要因2:本社にグローバル経営を統率できる人材が絶対的に不足している

【現実的な組織モデルは】

1.マルチタワー型:グローバル経営の戦略・統制機能を現場のより近い地域統括組織と分担することで、本社のグローバル対応力と補完するモデル。

⇒最終的に、より現場に近い地域統括組織に地域事業戦略の立案やマーケティングといった戦略・企画機能を移管することで、意思決定の質と速さをあげることが不可欠。

2.ツインタワー型:国内事業はこれまで通り日本本社が管轄し、海外事業は別途、設置する海外事業本社機能が統轄する形態。国内外で共通化することが足かせにならないところが特徴。しかし、海外本社の持つノウハウを日本に還元することが意外と難しい。人材交流と情報の共有となる仕掛けが日本本社に必要だと、作佐部氏は指摘する

【意思決定の権限を現地委譲する例が増える】

作佐部氏は、今後新興国の成長に伴って益々意思決定力が重視され、現地への移譲が進むと予測する。すべからく日本本社で統括するという常識や義務感から一度離れ、組織のあるべき姿を考えるべきだとも指摘している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:キリンメッツコーラ」から

2012.7.5  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:キリンメッツコーラ」から

A(コーラ)×B(健康食品)⇒C(トクホのコーラ)で新規事業

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、意外性のある組合せ(著者のいう異種間融合)で新市場創造が出来る事例を「キリンメッツコーラ」で解説している。

KIRIN Mets Cola (C)NVD
KIRIN Mets Cola


【アイデア】

  • あまり健康的なイメージのないコーラ飲料と対極的なイメージのある特定保健用食品(トクホ)の認定をとった。

【解決策から試作へ】

  • トクホでよく知られた難消化性デキストリン(食物繊維成分)を使い、食事の際の脂肪を抑える。
  • 花王の「ヘルシア緑茶」をはじめとする茶系飲料でトクホがブームになる中で、キリンビバレッジはトクホの製品の余りなかった炭酸飲料に目をつける。
  • 炭酸飲料の事前アンケートでの需要調査では、半数がコーラというを希望という意外な結果、感触をえる。
  • ファーストフードと一緒に飲みたいが、健康のために我慢しているという30代がおおいことから、ターゲットも決まった
  • 2009年試作したが、味はよくなかった。
  • 改良には、自動販売機専用飲料「キリンコーラ」の開発経験から、好みの味が狭いことが分かり、強い炭酸で、コーラ特有の甘さが残る味に改良。

【市場投入と人気爆発】

  • 4月の発売後2週間で年間販売目標100万ケースを突破。大ブレイクする。

意外性の効果は、市場を生み出す可能性を秘めているという事例である。ただ、この意外性が高いほど、アイデアとして出てくる可能性が低いのも事実だ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑮:40代、成果発揮の時期」から

2012.7.4  日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑮:40代、成果発揮の時期」から

『子曰、吾十有五而志乎学、三十而立、四十而不惑、五十而知天命、六十而耳順、七十而従心所欲不踰矩。』(論語 為政篇)


【書き下し文】

  • 子曰く、吾(われ)十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う(したがう)。七十にして心の欲する所に従いて矩(のり)を踰えず(こえず) 。

【コラムからの要約】

  • 孔子が、『私は十五歳で学問に志した。三十歳で独り立ちした。四十歳になると自信ができ迷わなくなった。五十歳になって天が私に与えた使命を自覚した。六十歳で他人の言葉が素直に聞けるようになった。七十歳になった今、自分の心の求めるままに振舞っても道をはずれることはなくなった。』と語った。

コラムの筆者 岩淵勳氏(古河スカイ特別顧問)は、この論語の一節から、人生の羅針盤とビジネスにおいての態度ことについて説いている。

○孔子は決して恵まれてはいなかったが最期は天命を受け入れた

ビジネスパーソンでも、20才過ぎに社会人となり、30歳で一人前の仕事をこなし、40歳ごろで課長となり部下を持って、50歳で部長から役員へとなっていく。この間に、上司、部下、取引先などの対人関係で思い悩み、他人と比較して昇進に悩むこともあるのではないかと岩渕氏は語る。これらに対し、さらに人間的に成長するには、孔子も語っているように、40歳ぐらいまでに惑いをなくし、自己を確立したいものである。

○その他の言葉

  • 古来日本から伝わってきた言葉:15歳にして学び、30歳にして而立し、40歳を不惑、50歳を知命、60歳を耳順、70歳を従心。
  • 森信三(教育者):「大よそわが身に降りかかる事柄は、仕事でも生活でもすべてこれを天命として受け止めることが、我々にとっては最善の人生の態度と思うわけです。素直にその一切を自己に与えられた定めと感謝して受け入れる。この覚悟が定まらない間は、自己を真に確立したとはいえない」

年相応に人間的に成長していきたいものである。happy01