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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:その研究成果は何がすごいのか」から

2012.7.12  日経産業新聞の記事「眼光紙背:その研究成果は何がすごいのか」から

ヒッグス粒子発見の発表も不合格?

コラムの筆者は、大学や研究機関の報道発表に不満を漏らし、「ヒッグス粒子」の発見を発表した欧州合同原子核研究機関(CERN)の広報文や研究グループの参考資料もよい手本でないと手厳しい。

○大学や研究機関の報道発表の違和感

コラムの筆者は、以前に比べ体裁は整ってきたが、このての報道に疑問があるという。

  • 高度で専門的な研究をなぜ一般向けに発表するのか
  • もう少し、意義を分かりやすく説明できないのか

という広報技能についての疑問だ。

○変わった報道体制

2004年の大学の独立法人化で、企業の広報経験者や広報コンサルタントを使った広報体制の整備が進んだ。確かに体裁は整いつつあるという。ただ、研究者と報道担当者で「報道に値するのか」といった議論が本当にあったかどうか疑わしい事例が問題だと指摘している。

研究者は自分の研究であるため思い入れが多いのは事実。ただ、それをすべて報道する意義があるのかを検討した上で、思いとどめるのも報道担当者の役割だという。

CERNの発表も、コラムの著者には不合格だとのこと。関係諸氏の努力に期待することになりそうだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法④:地域統括組織の役割」から

2012.7.12  日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法④:地域統括組織の役割」から

間接業務の集約化

コラムの著者 作左部孝哉氏(アクセンチュア・人材・組織マネジメントグループ シニア・プリンシパル)は、企業が現地主導型の経営志向で地域統括組織を設定する場合のポイントを解説している。

【現地統括組織のありがちな課題】

第二本社としての機能を地域統括組織受け持ち受ち、事業の業績を向上させる司令塔的な役割が望まれる。しかし、地域統括会社に実際その程度の機能をもたせるべきであろうか、というありがちな課題に、作佐部氏は、3つのポイントで説明している。

○1:戦略から販売までの一貫した機能をもつこと

  • 現地ニーズを起点とした戦略の策定から、設計・開発、生産・販売が連動する組織とする

○2:コーポレート機能の集約化をおこなうこと

  • 人事など間接業務を集約する共有化を行う。
  • ペーパーレスなどの効率化とサービスの標準化で規模の経済が働き、効果がでやすくなる
  • ITを標準化することで、コスト削減とコンプライアンスや品質の担保も得られる
  • 新規立ち上げのときにバックオフィスの標準化は、集中した立ち上げ作業ができる

○3:運用体制の整備を行うこと

  • 地域への権限移譲等が進むと、事業部門と地域部門の主導権争いが生じやすい。
  • 調整できない事項は、全社最適の観点から本社で判断する仕組みが必要である

○4:組織の立ち上げ時に、人財・ポストにも配慮する

  • 現地法人と地域統括組織を兼任させるのは、使命が交錯したり、全体最適と地域最適のジレンマに陥る可能性がある。happy01

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:詰め替え用製品」から

2012.7.12  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:詰め替え用製品」から

使い勝手の良さが購入動機に

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が語るのは、前回の白熱電球の使い勝手で工夫したアイリスオーヤマの事例に引き続き、花王の化粧水の詰め替え用製品を通して「使い勝手」による差別化について解説している。

【詰め替え用製品の転換率】

転換率=(詰め替え用販売本数)/詰め替え用のある製品の全販売本数x100(%)

と定義して、高岡教授によると、花王の2011年3月現在での本数ベースで80%前後の転換率である。

製品ごとでは、柔軟仕上げ剤では90%、台所洗剤は61%という。その中で化粧水の転換率は37%と低い調査によると、消費者は万が一、詰め替えの際に、高価な化粧品をこぼしてしまうことを考え、購入を控えているという分析であった。

【詰め替え容器の新規開発へ】

そこで、花王は洗剤などに使われるパック式の詰め替え容器に比べて、開けやすく、こぼさずに詰め替えられる容器を新規に開発した。もちろん、本体そのものよりもエコであり、詰め替えを躊躇する消費者を押して、詰め替えが進んだという。

消費者が購入する基準として、価格、製品本来の機能、環境配慮性能の他に、「こぼれない」という「使い勝手の良さ」が重要なファクターである事例であると高岡教授は示唆している。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「成功する朝活術①:SNS時代の効用」から

2012.7.11   日経産業新聞の記事「成功する朝活術①:SNS時代の効用」から

交流朝活がブーム

コラムの著者 池田千恵氏(CONECTA代表、外資系戦略コンサルティングから独立)が、出勤前の時間を自己啓発などに有効活用する「朝活」ブームについてSNS時代に拡がる「一人朝活」と「交流朝活」に分けて解説していく。今回はその序論。

【ブームの朝活の要因は?】

池田氏が「朝活」という言葉に注目したのは、2009年4月。そのころから、早起きのメリットや体験を伝えてきたそうだ。当時都内で開催している朝活の会は、両手に収まる数であったという。その後、3年経過して、「朝活」をネット検索すると、ヨガ、座禅、ランニング、ゴミ拾いから婚活まで様々なイベントが開催され、交流タイプの朝活人口は着実に増えている。これまで、コツコツと資格勉強をしたり、散歩や運動をしたりする一人活動の「一人朝活」に留まっていた。

交流型の展開は、①スマートフォンの普及②SNSお発達であるという。いつでもどこでも情報を手に入れることが出来ることから、SNSでイベントを告知することも、情報を受け取ることも容易になったことが要因だという。

【朝活が早起きのペースメーカー】

意外なことに、普段早起きしていない人も、朝活をペースメーカーにすることで、早起きのペースがつかみやすくなるという。池田氏も、朝SNSで挨拶することで起きられるようになったという意見を良く聞くそうである。

「早起きは三文の徳」といっても実行できないもの。起きるも寝るもすべて自分の意思次第。ということは、早起きせざるを得ない仕組みが必要だというわけである。coldsweats01sleepy


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:好みの生ジュース手作り、健康志向、女性捉える」から

2012.7.11   日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:好みの生ジュース手作り、健康志向、女性捉える」から

拡がる健康志向とビジネス

コラムの著者 粟飯原理咲氏(アイランド代表取締役)が、女性を中心に健康志向・ダイエットニーズで、「朝ジュース」や「グリーンスムージー」が注目されていると語っている。

【ジューサーまで拡がる市場】

驚くことに、この生ジュース手作りの志向が、2つの市場を形成し始めているということだ。

  • 緑の葉野菜と果物、水で作るグリーンスムージーを代表とする「ホールフード派」
  • 低速回転式のスロージューサーで絞り、水溶性の食物繊維を主体にとる「ピュア・ジュース派」
    • 韓国ヒューロム社:スロージューサーが高価格帯にも関わらず、2012年上半期の売上が前年同期の1.4倍

と同時に、女性誌の特集、ベストセラーとなるダイエット本にも生ジュースが登場する。要因は、「美味しさと手軽さ」が女性に受け入れられ、さらにジュースの種類は無限大。提案次第で、大きな市場があるという。happy01apple