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2012.7.12  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:詰め替え用製品」から

使い勝手の良さが購入動機に

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が語るのは、前回の白熱電球の使い勝手で工夫したアイリスオーヤマの事例に引き続き、花王の化粧水の詰め替え用製品を通して「使い勝手」による差別化について解説している。

【詰め替え用製品の転換率】

転換率=(詰め替え用販売本数)/詰め替え用のある製品の全販売本数x100(%)

と定義して、高岡教授によると、花王の2011年3月現在での本数ベースで80%前後の転換率である。

製品ごとでは、柔軟仕上げ剤では90%、台所洗剤は61%という。その中で化粧水の転換率は37%と低い調査によると、消費者は万が一、詰め替えの際に、高価な化粧品をこぼしてしまうことを考え、購入を控えているという分析であった。

【詰め替え容器の新規開発へ】

そこで、花王は洗剤などに使われるパック式の詰め替え容器に比べて、開けやすく、こぼさずに詰め替えられる容器を新規に開発した。もちろん、本体そのものよりもエコであり、詰め替えを躊躇する消費者を押して、詰め替えが進んだという。

消費者が購入する基準として、価格、製品本来の機能、環境配慮性能の他に、「こぼれない」という「使い勝手の良さ」が重要なファクターである事例であると高岡教授は示唆している。

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