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2010年7 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「新顔の舞台裏」より

010.07.15の日経産業新聞の特集記事より

米粒がパンに変身!三洋電機、パン焼き器「GOPAN」

 パン焼き器は小麦粉から、という常識を乗り越えた家電製品。その誕生の秘話は?

 実はこの製品は、記事によると2003年に起源がある。米粉を使うパン焼き器であった。しかし、ユーザから、「米粉が手に入らない、高い」といった理由で不発。

 そこで米粉ではなく、通常のコメを使って、ユーザの不満を解決するアイデアに到達。ここからが苦労。米から米粉にはそう簡単にできない。ようやく炊飯器開発チームから解決の糸口が。そう、米を水に浸しミキサーにかけてペースト状にするというもの。さらに、米がのり状にならないように炊飯器チームのノウハウを利用して、GOPANが完成。着想から5年の歳月が必要だった。

 事業アイデアの法則であるA⇒A’(米粉から米へ)、A×B⇒C(米X熱⇒米粉パン)の発想だ。もちろん、この発想を現実に変えるための多くの「発想の触媒」が必要だった。

①A⇒A’(米粉から米へ):高価で手に入りにくい米粉を封印し、原料の米に注目。しかし、その変更を支えるには多くの改善と開発が必要であった。

②A×B⇒C(米X熱⇒米粉パン):単に粉砕だけでは、のり状になり、パンにならない。熱のくわえる際の方式に温度制御と粉砕のプロセス制御という発想が必要だった。

このように、ユーザの声(米粉を使わない)から最終的にユーザの声への答え(米でパンができる)を対応した開発チームの努力に拍手scissors

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「JAPAN ITの異才たち」より

010.07.14の日経産業新聞の記事より

日立情報システムズ 本川さん、安全診断サービス先導

 本川さんは、情報セキュリティの国内の中心的な専門家でもあり、リーダーだ。情報セキュリティの要で、今では一般的なファイアウォールを先行して開発した。

 この記事で興味深いのは、ご本人のバックグラウンド。情報の制御の基礎を学ぶことから、ウェブサイトへの攻撃検知や防御、セキュリティー診断といった最先端技術も、情報をいかに有益に制御するかといった視点で見えるところである。あらに、情報セキュリティーといったインフラの縁の下の力持ちの方が、アプリケーションなどの表舞台よりも興味のあること。ご本人は、テレビ番組「ウルトラマン」でヒーローであるウルトラマンよりも、さまざまな機械で怪獣に対抗して分析をかける科学特捜隊に興味があったという。想像だが、本川さんには、ICTというヒーローが活躍できるのも、自らが行う、縁の下の情報セキュリティーの技術開発に支えられているという自負があるに違いない。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事 テキスト分析と国民の声

010.07.13の日経産業新聞の記事より

テキスト分析と国民の声

 経済産業省は、ソフト会社にテキストマインイングソフトを購入した。ソフトは、Saas型のテキスト分析ソフト「見える化エンジン」。所謂、民間のシンクタンクや調査会社が利用する、アンケートや電話調査、ツイッターやグランズウェル的な口コミをこのエンジンで、チャートや図表してあらわすもので、政策要望やテーマに対する賛否などの政策会議資料として活用するのが狙いだという。

 確かにビジネスでのニーズ分析でマクロなマーケティング戦略などに良く使われる手法である。これを行政が利用するとなれば、一般的に誘導尋問的に、政策の仮説を検証するための”善良なデータ”になる可能性もある。穿った見方をすれば、行政にとって予算化するための証拠データとして利用するためのソフトとも見える。データには確かに手心を加えることはないだろう。

 しかし、場合によっては仮説を立証するために、「XXXXを行うことは1.○○、2.○○、3.○○、の何れですか?」といった、一見質問者の意図がないような質問でも、1~3に当てはまらないものに主たる回答があって、結果的に「その他」で済ましてしまうような、細工もできる。要は、ソフトがいくら意図のないものであっても、アンケートの設計の方法や要望の取り方で、都合のよいデータのみを見せることもできるのである。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「ヒットの経営学①」より

010.07.13の日経産業新聞の特集記事「ヒットの経営学①」より

常識は開発力で破る 負けない価値を創れ

 拙著「ネタ出し練習帳」でも述べているように、多くの「ヒット商品」は計画的に練られた成果であり、組織力によるコア・コンピュタンスの賜物である。

 大塚製薬の「ソイッシュ」、永谷園の「しじみ70個分のちから」が話題の記事。両者とも他社の模倣を許さないことを前提に、ユニークな商品開発を進めた事例だ。炭酸とタンパク質、一見合わない材料を見事新しい味覚で提供した大塚製薬。一方、「サケ茶漬け」の材料の有効利用と機能性を重視して、かつ「美味しさ」を失わない永谷園。

 このように既存製品を再度違った見方で攻め、顧客の体験を先回りして付加価値を向上させていくことが「ヒット商品」のネタになっている。

 また、偶然の中から新しいものを発見し、自己のものにする能力(セレンディーピティー)も重要な要素としている。つまり、

  • 固定概念にとらわれない視点
  • 顧客心理を読む複眼の着想
  • 偶然さえも活かす視野

が、ヒット商品のネタにあるという。

 さらに、開発スピード重視も忘れてはならない。この記事から貴社のヒット商品は当てはまるであろうか?


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事より 会議のお供に「切り口」提案

2010.07.13の日経産業新聞の記事より

会議のお供に「切り口」提案

 博報堂の有料iPhoneアプリ有料ソフト「切り口BOY」は、同社の「こどもごころ製作所」で開発したソフト。記事やサイトの説明によると、iPhoneのアプリで、検討したいテーマを入力すると、20この「切り口」を返信するものらしい。

 顔ちぇきが、ちょっと%表示だったのに対して、「切り口」という使い方がうまい。さらに、ツイッターに投稿する機能もあって、ネタ切れ防止coldsweats01を防いでくれそうだ。同じ、内容を入力しても結果は異なる。

 以前、ある大手の開発研究を行う所長さんと同様なアイデアを携帯で行おうかと議論したことがあったが、iPhoneのように、お手軽に試行できるプラットフォームができたことで、ますます「思考ツール」は進化しそうだ!