【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の『市場トレンド私はこう読む』より
【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の『眼光紙背:コストカットもほどほどに』より

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の『NewsEdge』より

2010.07.12の日経産業新聞の特集記事 より

印刷業界のライバルが手を結ぶことで電子書籍はどうなるのか

 大日本印刷と凸版が手を結び、「電子出版制作・流通協議会」を27日に立ち上げる。意図はアップル、アマゾンの参入阻止。ただ、外国勢が、垂直統合で、利用者からみれば、書店での購入より明らかに安価になる点が優位である。一方、これに対する日本勢の水平統合。相変わらず、提供者論理で、価格努力は難しい。日本連合の特徴は、デジタルでの書籍の埋もれをなくすコード番号の標準化である。

 気になるのは、外国勢が配信から端末販売で、出版コストを抑え、デジタル化の効用を十二分に引き出している点である。日本の連合が、既得権益のインターネット化であって、流通に革命が起こっているわけではない。安くない日本の電子書店で、エンドユーザが納得するのか?著作者は、売れる流通にやはり期待するのではないのか?

 日本連合には、既得権益の保持の意図以外に、電子書籍と既存書籍のバランス問題もある。外国勢が、コンテンツを「持たない」戦略で身軽であるのに対して、日本勢は、紙コンテンツのしがらみがある。新サービスを外国勢が進めたときには追従に時間がかかることも厳しい状況だ。

 何れにしても、ネット時代に日本、欧米といった差異は購入者にはないだろう。どちらが目的にあったサービス、商材をいち早く提供できるかがキーで、連合艦隊を作ったからといって安住すべきものではなさそうだ。

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