【ヒット商品】ネタ出しの会 2. 準備編 「ネタ出し脳」をつくる15のトレーニング⑧タイムマシンに乗ろう!
2010/05/12
ハーバート・ジョージ・ウェルズで有名なタイムマシン。この架空の乗り物にわくわくしませんか?時間旅行は今の科学では実現不可能です。でも、いきたい過去や未来に思いを馳せると、わくわくするのはウェルズのファンだけではないでしょう。
タイムマシンは発想の宝庫?!
発想の触媒には、不可能な時間旅行を使うことがあります。ウェルズは、未来へタイムマシンで旅行する中で、現在の社会課題をえぐったことで、おとぎ話からSFという分野を開花させたのでした。そう、夢物語でありながら実は現実社会を分析することが重要です。発想の触媒で、時間旅行する際も、現実との差異を意識することが発想を膨らませるのです。
では、ウェルズ特製のタイムマシンに乗って、発想を膨らませてみましょう。先ず、対象となるアイデアをわきに抱えて、タイムマシンに乗り込みます。あなたの行先は、過去、未来のどちらでしょうか?
新商品の企画として、照明器具を考えていたとしましょう。そこで、過去への時間旅行で、今ある最新型のLED電球を昭和のはじめに持っていくとどうでしょうか?当時の電球とは口金も一緒のLED電球で、明るく電気代お得で使えることが分かりますね。このときの発想では、過去の商品との互換性が重要であることに気付きます。今度は、2020年ではどうでしょうか?おそらく、LED電球は、2009年以降のエコブームで、常識的な電球としては消費者に受け入れられるものの、特徴がないため大きな利益を生む商品ではないかもしれません。言い換えれば、省電力だけでは短命な商品ということに気付きます。例えば、省電力を一歩進めて、リサイクルLED電球というのはいかがでしょう。使えなくなると、回収先でリファンド(回収費返金)があるといったサービスです。
このように1つの商品企画でも過去や未来の環境を想定してみると、多くの発想が生まれてくるのが分かります。
時間を延ばしたり、縮めたり!
タイムマシンは、時間のある時点に行ける空想機械です。時間に関わる発想の触媒として、1つの時間に移動するだけではなく、速度を使うこともあります。ちょうど、タイムマシンで、周りの変化を高速あるいは低速でみるようなイメージです。高速の場合は、1年かかることが、1日あるいは1時間で終わってしまうことです。逆に低速では、1分で終わるようなことが、1日かかるようなことです。タイムマシンにかかれば、時間を延ばしたり、縮めたりすることは自由自在なはずです。今度は速度の変化を発想の触媒に使ってみましょう。
先ほどのLED電球で、寿命が10年もあれば、何が問題になりますか?
- l そんなに寿命があれば、新しい商品を買ってくれない、つまり商品のライフサイクルが悪い。
- l でも、お客様から見れば、交換が不要で、特に交換が大変な場所には長寿命であることが特徴になる。ということは、商品の寿命によって異なった商品として考えるのはどうだろう。
- l 10年もたてば電球だけでなく、照明器具自身が使えなくなるかもしれない。ということは、電球だけでなく、照明器具全体で長寿命設計といった特徴を押しだせるかもしれない。
今回のプラクティスは、時間に関するロジックの触媒をつかって、ひらめきの感覚を味わいましょう。
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