【ヒット商品】ネタ出しの会  2. 準備編 「ネタ出し脳」をつくる15のトレーニング⑤Let's challenge
【ヒット商品】ネタ出しの会  2. 準備編 「ネタ出し脳」をつくる15のトレーニング⑥Let's challenge

【ヒット商品】ネタ出しの会  2. 準備編 「ネタ出し脳」をつくる15のトレーニング⑥五感に訴えよう!

 ヒット商品を買うお客様は人間です。ということは、発想の触媒に五感を使わない手はないでしょう。中でも衣食住に密接な「食」は、人類共通の経験であるからこそ、ヒット商品を買う範囲が飛躍的に増えます。

え、これって食べられるの?

即席ラーメンといえば、カップ麺を思い出す人も多いのでは?それほど普及したカップ麺は、日本だけではなく、世界の胃袋を満足させるものとなっています。カップ麺の発想前に、即席ラーメンを産んだ、安藤百福さんの発明があります。戦後の食糧難で、これを解消するには、パンではなく麺であるとの思いがあったといいます。当時流通が整っていなかったため、量産技術のないうどんやラーメンは広がらなかったのです。安藤さんは東洋の文化として、麺文化を展開するためには、量産技術の確立が必要だと気付きました。これが、即席ラーメン開発の契機になったわけです。さらに、どんぶりに入れて湯を注ぐだけでおいしく食べられるアイデアは、市場に受け入れられ、瞬く間に人気商品となりました。

安藤さんの発想のポイントは、即席麺の製造だけでなく、即席ラーメンの量産技術にあったのです。麺はラーメンの材料であって、一般の生活者がラーメンとして買うわけではないのです。お客様に、麺を容器(どんぶり)に入れてもらい、お湯をかける手間をかけても食べてもらえるものが、安藤さんが目指した即席ラーメンだったのです。

 即席ラーメンを初めてに開封したときに、「え、これって食べられるの?」と感じたかもしれません。当時の流通食品で、お客様自らが調理する即席ものという発想は少なからず驚きであったのです。「瞬間油熱乾燥法」(油で麺を揚げて乾燥させる)を用いて製造製法で特許をとった後、安藤さんの会社は、ヒット商品「チキンラーメン」を販売したのでした。

 次の転機は、容器でした。どんぶりのないところ、そう、海外進出の際に困ったのです。

「お客様に調理していただく」という新発想

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 安藤さんは、発想の触媒の「身代わり」を使いました。どんぶりの代わりになる、容器。さらに容器を「逆転発想」で、どんぶりも売り物、商品の一部にできないものかという発想です。

 さらに、この問題が解決すれば、容器を準備するという不便さもなくなります。

 どんぶりの身代わりは、ひょんなことで解決しました。チキンラーメンを割って、紙コップにいれ、お湯を注いでスープのように飲んでいる販売員がヒントを与えたのです。どんぶりに入れるサイズの麺ではなく、商品の品質保護と保温を考えたカップを作り、そこに具材、調味料、麺を入れたものを開発したのです。カップ麺の誕生です。即席ラーメンは、このようにして東洋の文化を超え、世界のヒット商品として君臨しています。

 五感に訴える「発想の触媒」は、このように具体性のあるアイデアや商品のイメージを与えてくれます。もちろん、受身だけでなく、能動的な「使う」、「出来る」といった触媒も有効です。

 今回のプラクティスは、五感に訴える触媒をつかって体験してみましょう。

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