可視化思考による経営戦略セミナー①から
2009/02/10
急な募集で、少数の参加になりました。しかし、参加者からは好評の手ごたえがきて安心しました。つまり、可視化思考というと、
- 「また、おざなりの見える化セミナー?」
- 「核心のところには、セミナーではでてこない?」
といった疑念があるようです。今回参加された方からも、これらは全面否定のうれしいアンケート結果がいただけました。
つまり、
- 可視化思考は「見える化」ではない。どちらかというと、「見えることを」前提にしたものです。Look atやseeではなく、あくまでもvisualizationであり、「見せる化」に近いものであること。
- そのためには、情報を暗黙知から形式知にすることが第一歩。ただし、形式知といっても、文書を書くことではないです。Presentationであって、説明です。
- 企業活動、とりわけ、経営活動に利用できる可視化思考の成果は、集合知です。つまり、集団で共有する知識です。え、そんなことは常識だ、と言われそうですが、では、どうして集合知が、うまく形成できないのでしょう?
- それは集合知の性質を把握していないからです。集合知は知識を共有する構成員の属性に依存する、動的(ダイナミック)な情報です。つまり、構成員が変われば、集合知は変化します。また、構成員の共通な属性、例えば、年齢や熟練度、興味の具合、性別、思考の仕方、価値基準などで大きく変化します。つまり、集合知はダイナミックな情報であって、これを一元的にとらえることが難しいことが、共有を阻む主因です。
- それでは、ダイナミックな集合知を企業として静的に活用するには、2つの方法しかないのです。
2つの集合知を継続する方法とは、以下の内容です:
- 構成員の属性を変えない。
これは、例えば会議を想定してみましょう。5人で部内会議をやり、その討議内容を次の週にも持ち越せるのは、議事録やその他の情報もありますが、次の週も参加者が変わらないことがキーになります。
ここには、もちろん、暗黙知や形式知も含まれ、集合知が形成されます。
- 集合知のアウトプットを予め意図して作っておく。
会議の例でいえば、報告する部長以上を想定して、結論の期待されるアウトプットを報告を受ける側と報告をする側で同じイメージにすることです(アウトプットの共有)。ダイナミックな集合知も集合知を活用する側のダイナミクスも最初にとりこんでおこうというものですね。
このように可視化思考の原理をしっていただいて、具体的にビジネス、経営への活用法を次回以降具体的に解説していく予定です。
【関連情報】
事後アンケートの結果の一部(公開の許諾を受けたもの)
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