事例

【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:感染症と戦争」から

2024.9.8  日本経済新聞の記事「春秋:感染症と戦争」から

悪疫をのさばらす過ちを犯すなら全人類への敵対行為

コラムの著者が紹介しているのは、歴史上、感染症と戦争はしばしば互いに強く影響しあうことが研究から明らかになっているということである。エイズも1981年に最初に患者が発見され、その後中央アフリカで大流行した。その背景に、1978年のタンザニア・ウガンダ戦争と、続くウガンダの内戦で政権が崩壊した。

○戦争はウイルスからみれば人間の愚かさに笑いが止まらないかもしれない

コラムの著者によれば、徴兵や暴力、国土の荒廃による衛生面の環境悪化が、感染症を拡大させる。歴史上最悪のパンデミックを引き起こしたスペイン風邪もそうだという。第1次世界大戦末期の1918年、ヨーロッパの西部戦線にいた軍関係者や兵士が次々と感染し、ドイツ軍、連合軍の双方に多数の死者を出した。結果、戦争の終結の要因の1つになったという。

国連も2020年3月新型コロナウイルスの感染拡大で、グテレス事務総長が「地球規模の緊急停戦」を呼びかけたという。だが、ロシアによるウクライナ侵略が発生。さらにイスラエルとハマスの戦闘が続いている。ウイルスからみれば人間の愚かさに笑いが止まらないかもしれない状況であろう。

再び、感染症をのさばらす過ちを人類が犯し続けるなら、それは全人類への敵対行為という他はないとコラムの著者は非難している。😷💉🦠🚲🍼👶📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:『空気なんだよ、愚か者』の時代」から

2024.9.7 日本経済新聞の記事「Deep Insight:『空気なんだよ、愚か者』の時代」から

クリントン元大統領の「経済なんだよ、愚か者」をもじって今は

コラムの著者 小竹 洋之氏(日本経済新聞社 コメンテーター)がいう、「空気」とは教育も議論もデータも、そしておそらく科学的解明も歯が立たない「妖怪」のようなもので、SNSなどの追い風を受けて、主要国の選挙で世界の脆弱さを見せつけたという。小竹氏の指摘を追ってみよう。

○厄介な「空気」で左右される政治の動き

米国では、2008年9月のリーマン・ショック前後に近い低水準の消費傾向から抜け出せないでいるという。高齢で不人気のバイデン大統領が11月の米大統領選挙からの撤退を強いられたのは、現実とは異なるバイブ(vibe)があるからだとされる。バイブは、空気、雰囲気、心理といった意味を持ち、今の米国ではこの言葉が蔓延しているという。そして、「バイブシフト(雰囲気の変化)」で、ハリス副大統領は当初、指導者としての力量に疑念があったにも関わらず、バイデン氏の後継候補に収まった途端、救世主と見られるようになった。個人の印象が公約を勝る「空気」に乗って、トランプ前大統領と接戦となっている。

クリントン元大統領が景気停滞の克服こそが重要と訴え、ブッシュ元大統領に再選を阻んだ。この時の言葉が、「」経済なんだよ、愚か者」といったことを、今の「空気」の影響をもじって「空気なんだよ、愚か者」と言いたくなる時代だと、小竹氏は訴えている。

米国だけでなく、日本のポスト岸田政権も、ドイツのシュルツ首相やフランスのマクロン大統領が低支持率に喘ぎ、全てが悪いと断じて刷新を迫った有権者の動きなど、「空気」が働いている。時代の流れに応じて民意は移ろい、選良の資質や政策も変わり得る。

SNSも「空気」の動きに敏感であるが、その空気に「歪み」を生じさせているという。SNSが拡散する極論、フェイク、陰謀論は正常な世論形成や政策決定を妨げる恐れもある。妖怪である空気はさらにSNSで追い風を受けつつ、大きな力を振るい始めていいる。そこには主要各国の政治や経済の弱さが「空気」を生み、さらにその「空気」に政治や経済に影響を与えるスパイラルが生じている。そこから脱出するには確かな国家観や経済・外交政策を競う議論が必要だと小竹氏は指摘している。🌀🏢🏠💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸🇩🇪🇫🇷🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:『サイロ化』に潜む新たな危険」から

2024.9.5  日本経済新聞の記事「私見卓見:『サイロ化』に潜む新たな危険」から

専門性よりも一般常識が重んじられた時代は終焉

コラムの著者 小林 暢子氏(EYジャパン パートナー)は、企業が直面する課題の複雑化が元になって、これまでも問題視されてきた組織間の厚い壁がコミュニケーションを阻む「サイロ化」が新たな種類の危険を引き起こすことについて警鐘を鳴らしている。

○「リスクを最小化するには、何もしなければ良い」という最悪のシナリオが発生

小林氏によれば、確かに大企業において、組織間の壁でコミュニケーションが悪く「サイロ化」することは今までも問題視されてきたという。例えば、社内の意思疎通の齟齬だけでなく、社外にも及び、同じ取引先に違う部署から別々に接触するといった失態が起こる。だが、近年は、ビジネス環境の複雑化やこれに対応する課題が要因となって、サイロ化が新しいリスクを招くことがあるという。

課題の複雑化に対応するため企業はスタッフに専門性を求めることになる。そのため、企業がリスク管理、サステナビリティー(持続可能性)、D&I(多様性と包摂性)といった新部門を充実させ、専門性を高めていった。

小林氏が問題視するのは、サイロ化によって組織内の意見が部分最適(その組織内のみに通用する解決策)に陥り、偏った論理が、部分最適を擁護する論理に刷り変わって、他の部署からの攻撃を防ぐ「武器」となることであるという。つまり、企業全体として生かすべき事案が潰されたり、全体最適(全社的に通用する解決策)が損なわれてしまう恐れがあるという。例えば、リスク管理を重視するあまりに、極端に言えば、「リスクを最小化するには、何もしなければ良い」という極論に陥ってしまう。

これまではビジネス環境の変化が比較的遅く、企業運営においても専門性よりも一般常識が重視されたが、昨今は専門化が進み、隣の部門であってもお互いのものの見方がわからず、共通言語が失われていく。さらに声高な一部門による、一見最もらしい論理で他部門への「武器」として働くと手がつけられなくなり、暴走する危険性がある。

このような新たなサイロ化のリスクに対して、小林氏は、経営トップに今以上に部分最適に惑わされないバランス感覚をもった判断が必要となると示唆している。世界市場のトレンドも専門性偏重に向かっているが、日本に普及し始めたジョブ型人事も、専門性を軸に考えがちである。サイロ化が進むリスクを考えると、あえて専門性に逆らい、バランス感覚をもった幹部の育成が求められるのではないかと、小林氏は提案している。👓💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:『大酒飲み型』台風と気象予報」から

2024.9.3 日本経済新聞の記事「春秋:『大酒飲み型』台風と気象予報」から

想定に反する動きに気象技術者を迷走させた台風10号

コラムの著者が紹介しているのは、半世紀前に科学誌に寄せたエッセーで迷走する台風を擁護したお天気博士の倉嶋厚氏である。曰く、目の前の物理的条件に沿って台風は動いているだけであると。台風に言わせれば、標準的な動きばかり頭にある気象技術者の方が「迷走」しているのではないかと、冗談めいたエッセーを掲載しているという。

○気象庁や米軍など気象機関ごとに台風10号の予測に差異

コラムの著者によれば、エッセーは半ば冗談かもしれないが、予報に携わる人々にはやはり厄介なウロウロ台風であったようだ。倉嶋氏によれば米海軍の気象学の教科書でも迷走台風は評判が悪かったという。「大酒飲み型」などと名前をつけて分類され、基本コースから外れた個性派として嫌われものだったそうだ。

今回各地に被害をもたらした台風10号も、予報官の手を煩わせたようである。本州の真ん中あたりに直行すると思いきや、西に曲がって九州へ。その後も動きは千鳥足で、速度も遅い。進路の予想は難しい。被害も広範囲に広がった。

今回、気象庁や米軍など気象機関ごとに台風10号の予測に差異があったという。これからの季節、直撃の台風が多い季節になる。くれぐれも予想の迷走だけは避けたい。🌥️☔️☀️🌊🌪️🌀🏃‍♀️🏠🚲🍼👶📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:『AIの民主化』を進めよう」から

2024.9.4  日本経済新聞の記事「私見卓見:『AIの民主化』を進めよう」から

専門家や外部委託に頼るのではなく社員でそれぞれの職種、業務で活用

生成AIの登場で、AI技術の存在がより身近になり、生活やビジネスでの利用が広がってきている。コラムの著者 佐藤 豊氏(Dataiku Japan社長 カントリーマネージャー)はビジネスが意思決定の連続の中、データが業務の副産物でしかなかったものが企業戦略の資源として認識されてきていることを指摘している。データをAIを使って企業はよりよい顧客体験を創出したり、生産性を向上させたり、イノベーションを加速できると言う。あらゆる業務でAIの活用は全社的な効果が期待できる。佐藤氏は、AI活用の課題を示している。

○AIの民主化のメリットを社員自身が実感することが成功へのキー

佐藤氏によれば、生成AIがこれまでのAIと異なる点は、言葉で指示できること、従来より少ない学習時間でデータ、テキストや映像を活用できることだという。適切な指示とデータがあれば、人間が時間をかけて行なっていた調査、レポート作成などはAIによって瞬時に行われ、大量のデータに基づいた判断やインサイトの提供ができるようになった。

一方、企業活動は意思決定の連続で、データからAIによって意思決定を検討することもできるようになる。「データドリブン経営」の基盤となる企業文化や環境を育むことにもなる。確かに、データをAIを使って企業はよりよい顧客体験を創出したり、生産性を向上させたり、イノベーションを加速できる。しかし、データ分析などの人材の手当を考えると、引く手あまたのデータサイエンティストを採用することは困難で、外注で専門組織に頼ることは自社のビジネス上のウイークポイントとなる可能性もある。

そこで佐藤氏は「AIの民主化」を提唱している。AIの民主化とは、AIを一部の専門家だけが利用するのではなく、社員がそれぞれの職種や業務の文脈でAIを使いこなすことで、全社的に業務改革を推進することだと言う。全社的な取り組みには誰もが業務に必要なデータにアクセスできる環境を整備し、社員のスキルレベルを上げねばならない。AIに関するトレーニングや研修などの知見を得ることやAIの民主化によるメリットを実体験できるように進める必要がある。さらにデータを活用することが会社の意思決定に関われると実感することが成功へのキーだと佐藤氏は指摘している。時間や手間のかかる作業をAIで自動化して労働時間を削減し、より創造的な業務に時間を振り向けることができるようになる。AIを主体的に使うことは社員の能力開発につながるとも言える。👓💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵