【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:米政権、牙をむく捕食外交」から

2025.3.11   日本経済新聞の記事「Deep Insight:米政権、牙をむく捕食外交」から

トランプ政権の外交は大国同士が取引をして仕切る新ヤルタ主義

コラムの著者 秋田 浩之氏(日本経済新聞社 コメンテーター)によれば、同じコラム(2025年1月14日付)でトランプ政権の外交は、第2次世界大戦末期、米英ソの首脳がクリミア半島のヤルタに集まり、戦後の勢力図を決めたヤルタ会談と酷似した「新ヤルタ主義」だという。

◯米政権内は派閥ではなく、個別でトランプ氏の忖度

秋田氏によれば、新ヤルタ主義では、世界は大国同士が取引を行い、仕切っていくことが本質であるという考えである。ロシアは侵略国であると同時に、ウクライナ戦争をまとめるのに欠かせない協力相手ということになる。さらに、小国は大国同士のディールに口を挟まず決定に従うべきという信念である。停戦にさまざまな条件をつけるゼレンスキー・ウクライナ大統領に怒り、一旦、軍事支援などを凍結したのも、その思考に沿っている。また、次第に露わになってきたのは、さらに無慈悲で、容赦のないトランプ外交の素顔である。

トランプ外交で大国と認めるのはロシアと中国だけである。国力が小さかったり、米国への立場が弱かたりする国々は権益を取り立てる「捕食」の対象となっている。典型が、ウクライナであり、中米パナマであり、デンマーク領グリーンランドである。

このような外交政策に異議を唱える勢力はいない。派閥もなく、個別にゆるい連携をとりながら、トランプ氏の忖度で動くような閣僚で、王様はトランプ氏だけであるという。つまり、トランプ政権はこの苦言が存在しない閣僚人事では、トランプ外交の暴走を止めることはできないだろう。さらに同盟国や友好国の米国離れがじわりと進む。米政権の孤立が最も危険であろう。👑🪚💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇺🇦🇷🇺🇵🇦🇩🇰🇬🇧🇨🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<チャートは語る>花開く東南アジアPOP」から

2025.3.9  日本経済新聞の記事「<チャートは語る>花開く東南アジアPOP」から

再生数、米国発を逆転も

コラムの著者 宗像 藍子氏(日本経済新聞社)によると、東南アジアの音楽シーンで各国独自の楽曲が目立ってきているという。これまでインドネシアでは、米国発のヒット曲が多かったが、再生数が自国発の楽曲が米国発を逆転したという。背景に制作や流通コストが下がり、独自の楽曲が発信しやすくなったからだ。

○近隣国にヒット連鎖

宗像氏によれば、母国語がメインのSNSの動画BGMがきっかけとなる消費もあり形態が変わってきているという。購買力を備えた中間層の拡大もあって、自前のポピュラー音楽(POPS)が開花してきている。

インドネシアの2024年のヒットチャートは同国出身の女性シンガー・ソングライター、ベルナディアが話題となった。失恋を歌ったバラードなどが若者に人気となり、現地の女性も歌詞に共感できると支持している。言葉が分かることも大きい。タイでも同じ光景が広がっているという。

SNSで日常生活も積極的に投稿するアーティストが多い。これらが絡まって消費の主流となりつつあるインターネット配信のデータが現地曲の盛り上がりを如実に示す。

興味深いのは国を越えた広がりで、タイやインドネシアのヒット曲を分析すると、欧米より同じアジアや新興国、中南米での再生が多いという。特に言語が似ていたり、同じテレビ番組を視聴できたりすると近隣国と相性が良い。タイでは俳優が歌う曲がドラマとともにカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムなどでヒットする現象が目立っている。

アジアの音楽市場自体が潜在的な成長性を持っている。PwCによれば2028年までの5年間で2割拡大して208億ドル(約3兆800億円)と予想している。経済成長に伴って、消費の裾野が広がっていることも大きい。🛜🎻🎸♪🎵🎤🌳🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇮🇩🇹🇭🇰🇭🇱🇦🇲🇲🇻🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:アジアは近隣諸国に投資せよ」から

2025.3.6  日本経済新聞の記事「私見卓見:アジアは近隣諸国に投資せよ」から

過剰な貯蓄が国内需要を抑制し海外依存を招く

コラムの著者 フレデリック・ノイマン氏(HSBC チーフ・アジア・エコノミスト)は、トランプ米大統領の米国への輸入抑制は、米国への依存から脱却するチャンスだという。そのためには、貯蓄と投資のバランスを取り戻す必要があるという。アジア全体では両方、秀でているが、貯蓄が投資を上回り続けていることから、かえって自国の成長を阻んでいるという。

◯アジア各国の貿易拡大を促進すべき

ノイマン氏によれば、確かに貯蓄は不確実な将来のために資金を準備することは悪くはない。だが、過剰な貯蓄は、国内の商品需要を犠牲にし、生産者は海外への販売が余儀なくされてしまう。特にアジアの場合、米国への輸出に依存するようになり、相手国がこの商材を吸収できなくなれば、成長は一気に減速する。

日本、韓国、マレーシア、シンガポールなどは貯蓄が投資を上回っている。これらの国が過剰貯蓄を容易に削減できなければ、少なくとも最も生産的に展開できる場所に、より効果的にリサイクルすべきとノイマン氏は主張している。つまり、アジアから米国や欧州に多くの商材を出荷するより、アジアにこそ、消費地として潜在的な市場拡大がある。

ただ、アジアでの大きな連携をするには課題がある。貿易の進展にムラがあることである。米国を筆頭とする先進諸国の多くが貿易規制を強化する中でアジアは真逆の戦略が必要となる。📈👦👶🏫💬👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇰🇷🇸🇬🇲🇾


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> 教員の半数、研究費60万円以下」から

2025.3.9  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> 教員の半数、研究費60万円以下」から

自由な発想の芽摘むな

日本の科学研究や研究開発が昨今振るわなくなった理由に、研究費が少ないことを指摘する声がある。コラムの著者 草塩拓郎氏(日本経済新聞社)によると、GDPに占める大学や公的研究機関、企業の研究開発費の割合は、2022年度で米国と同水準で、EUより7割高い。となると、日本全体の研究費が少ないとは言えない。だが、大学に限っては事情が違うと草塩氏は指摘している。

○「相対的に研究費の乏しい地方の国立大学などでは研究ができず、次世代も育てられない」

こう述べるのは、日本学術会議が2023年、個人研究費に関する報告書をまとめ、その作成に関わった愛媛大学の相田美砂子監事の言葉である。草塩氏によれば、約50人を対象にした2019年の調査で、約6割が「10年前に比べて個人研究費が減っている」と答えているという。さらに、「基盤的な研究費は競争的に得るものではなく、100万円程度の個人研究費を一律に分配すべきだ」とも提言している。

日本政府は2004年に国立大学を法人化した後、人件費などに充てる運営交付金を削り、優れた研究に配分する「競争的資金」を増やした。この2つの資金を組み合わせる仕組みが重要とされた。法人化後、研究費不足を訴える声も出たが、大学教員が個人で使う研究費の調査は遅れていた。文部科学省は2024年12月に個人研究費の状況をようやくまとめた:

  • 教員が個人で使途を決める研究資金は合計3652億円。(大学の学部に所属する約17万人を対象。2018年の調査で公表した2017年のデータを分析)
  • 統計上の全研究開発費の1割強。
  • 配分の半数は個人研究費が「60万円以下」で2割強が「0円」。「200万円以下」が8割を占める一方、「1000万円以上」が4%。
  • 個人研究費の77%が上位2割の教員に集中。

競争的資金の採択率は低く、間口が広い科学研究費助成事業でも2割で推移し、研究費不足にな悩む若手も少なくない。

法人化は大学が新しい学科やポストを置き、企業と連携することを促すのが狙いであった。だが、日本政府の財政難もあり、研究を支える仕組みが損なわれた面が否めないと草塩氏は指摘している。同氏は、当初の理念に立ち返り、自由な発想の研究者を支える仕組みを再構築すべきだと提言している。☀️🏢🔥🌳🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「ヒットのクスリ:マリオ×花札×銭湯コラボ、任天堂、祖業と革新の遊び心」から

2025.3.7   日本経済新聞の記事「ヒットのクスリ:マリオ×花札×銭湯コラボ、任天堂、祖業と革新の遊び心」から

祖業と中興の祖のコラボの展開

コラボ全盛の時代である。キャラクターやブランドが手を組むことで既存品・サービスの価値を再発掘し、ファンを楽しませる。コラムの著者 中村 直文氏(日本経済新聞社 編集委員)は、意外なコラボを東京・原宿で見つけたという。複合商業施設の「ハラカド」地下1階の小杉湯原宿で、任天堂の花札とゲームキャラクター、マリオブラザーズがコラボしたグッズがあるという。

◯スマホゲームとは異なり任天堂は「お茶の間」で楽しむことを追求

中村氏の発見したコラボは、任天堂の祖業の商品である花札と、同社のゲームキャラクター、マリオブラザーズがコラボしたグッズで、

  • 松をバックに鶴に乗ったマリオ(1月)
  • ピーチ姫と桜(3月)
  • クッパ大王と桐(12月)

などがその一部。マリオ花札をあしらったTシャツやバッグ・ポーチ、ハーフタオル、レターセット、ペアグラスなど、ありそうでなかったグッズである。花札とマリオはデザイン的に見ると実に親和性が高い。1〜12月まで季節ごとの植物を多彩に描いた花札の絵柄に対して、マリオの世界も赤や黄色、緑など色鮮やかで、相乗効果を生み出している。

さらに意味深長で、祖業の花札と任天堂を世界的なゲーム企業に押し上げたマリオという「中興の祖」だけに、大袈裟に言えば歴史的な価値を備えている。

さらに任天堂と原宿の銭湯の出会いが興味深い。小杉湯原宿は90年続く東京・高円寺の銭湯「小杉湯」2号店として開店した。祖業の花札という遊びを伝統文化として残していきたい任天堂は、最先端のファッションが広がる原宿に、銭湯という昔ながらの価値を残すという同じ思想で共鳴したという。まずは、銭湯とのコラボが動いた。

スマートフォンゲームとは違い、任天堂は花札だけでなく、ゲーム機を家族や友達らと遊ぶ「お茶の間」で楽しむことを追求している。♨️🎴💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵