日常生活

【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「科学の時代ゆえの陰謀論、経験科学は統計をベースに考察される」から

2024.7.14  日本経済新聞の記事「科学の時代ゆえの陰謀論、経験科学は統計をベースに考察される」から

WHOを舞台に討議されたパンデミック条約の仕切り直しの背景

コラムの著者 矢野 寿彦氏(日本経済新聞社)は、新型コロナウイルスの教訓として次なる感染症の脅威に世界が一丸となって戦おうという呼びかけにWHOを舞台として約2年間、パンデミック条約の交渉が続けられたが、残念ながら合意できず仕切り直しになった。その背景に先進国と発展途上国との対立、そして予期せぬデマが世界を駆け巡り交渉に悪い影響を与えたという。

○一人ひとりの不安への答えがない

矢野氏によれば、その悪いデマとは:

  • 「WHOが超国家的な力を持ち、加盟各国の主権が奪われる」
  • 「ワクチンの強制接種が始まる」
  • 「彼らは新たな感染症を生み出そうとしている」

といった流言飛語がSNS上で世界を駆け巡ったという。出所は不明で、「闇の政府(Deep States)」の存在を信じる「Qアノン」とも言われているが実態はわからない。

陰謀論として政治化する恐れもあり、ネット上の戯言と片付けられないところが悩ましいと、矢野氏は指摘している。

コロナ否定論や反ワクチン運動、温暖化懐疑論や地球は球体でなく平面だとする地球平面説まで奇々怪々、荒唐無稽な言説が、合理性、客観性を重視するデータ社会、科学の時代に、なぜ人は信じてしまうのか。

その要因の1つに矢野氏は、「脳は怠け者」とした特徴があり、もやもやした感情を抱くと、その原因を追求し理由付けしたがるところにあるという。「納得のいく答えが見つかれば、それが真実は深く考えない」と社会心理学者の橋元良明氏(東京大学名誉教授)は説明している。新型コロナウイルスの感染拡大では科学の限界が顕になった。さらにワクチン接種で亡くなる人や苦しむ人も現れた。

自然科学や社会科学、医学といった経験科学は突き詰めると「統計」をベースに考察される。人間がその対象となった場合、それは統計学的な平均を扱うことになる。つまり「一人ひとりの不安に対する答えがなく、逆にはぐらかされたようにも感じてしまう」と、鶴田想人氏(大阪大学特任研究員)は語っている。💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🦠


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「あすへの話題:朗読という発表形式」から

2024.7.12  日本経済新聞の記事「あすへの話題:朗読という発表形式」から

主題によっては発表しにくい作品は朗読して発表する方法がある

コラムの著者 佐々木 譲氏(作家)は、上演された自らの作品が原作の演劇で、1本は朗読劇だったと語っている。正確にはその朗読劇は朗読と音楽、そしてコンテンポラリー・ダンスとのコラボレーションであったという。佐々木氏にとっても朗読劇は初めてではなく、自分で朗読したり、プロに朗読してもらったり、あるいは朗読劇化されることもあるという。

○欧米では朗読会はきわめて盛ん

佐々木氏によれば、そもそも小説はまず口述されて生まれてきたものだという。日本では講談が人気を呼んでいるが、物語を肉声で語る表現形式は、古臭いものではなく、むしろ現代的だという。海外、特に欧米では文学作品の朗読会が極めて盛んで、佐々木氏がリトアニアの文学フォーラムに出席した時は4日間参加者による自作朗読が続いたという。

ロシアでも朗読会は盛んでドストエフスキーの作品でも何度にも分けて朗読されるという。時には主題によっては商用出版のかたちでは発表しにくい場合、まずは朗読して発表するのが良いと佐々木氏は考えている。まずは出版よりもコストが低い点も魅力がある。ただ、佐々木氏は謙遜か、自作朗読の場合、しばしば「噛んでしまう」のが多いという。📕💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇷🇺🇱🇹


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「あすへの話題:AIとどう向き合うか」から

2024.7.8  日本経済新聞の記事「あすへの話題:AIとどう向き合うか」から

ガンジーの「7つの社会的罪」の1つである「人間性なき科学」の怖さ

コラムの著者 國分 文也氏(丸紅会長)は、最近の生成AIの普及の速さと能力の発達に驚き、そしてその活用について述べている。

○美味しい店探しでは國分氏に軍配!?

國分氏は、AIの文字を新聞紙上で見かけない日はもはやなくなったと感じている。その始まりは、米オープンAI社が2022年11月30日に一般向けに発表したChatGPTであるという。わずか1年半前のことで、そこからは堰を切ったように研究発表やビジネスや日常生活での応用が広がった。

これまでの新技術の普及とはレベルも違う。インターネットや携帯電話、デジタル化はサービス開始から人口の半分を超えるまで5年から10年以上かかったという。生成AIはすでにPCのWebブラウザに標準装備され、認識しないうちに人口の半数以上が利用、普及しているだろう。

能力の発達や進化も驚異的である。当初は単純なテキストベースの応答、いわゆるチャットボットであったが、それが作文や翻訳、さらに高度な動画制作まで行えるようになっている。しかも、フェイクニュースや偽情報など著名人の顔や音声を巧みに利用した詐欺も急増して社会的問題になっている。

生成AIがこれまでの新技術と大きく違い、普及と進化の速度のレベルが段違いであるという。多くの人が生成AIの利活用を考える上で、「まずはどんどん使ってみてみよう」というスタンスに違いない。だが、AIには表現しにくい不気味さ、危うさを感じるという。國分氏も対話型AIのヘビーユーザーだと自認しているという。だが、使う側でしっかりした考えがないと玉石混交の情報の海に溺れかねないという。

國分氏が引用しているマハトマ・ガンジー氏が1925年に指摘した「7つの社会的罪」に、「人間性なき科学」という罪があるという。どんな時代でも科学技術は使い方次第だという。こういった面から、人間の心のないAIが自己進化する世界だけは避けたい。そのためにも良いAIの利活用のための国際的な公約、ルール、規制が必要だという。

最後に國分氏は、今のところ「美味しい店」を見つけ出す能力はAIには負けていないと自負しているそうだ。👶💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「500万円で『私を取締役に』、NTTの株主提案が波紋、株式分割の副作用」から

2024.7.8 日本経済新聞の記事「500万円で『私を取締役に』、NTTの株主提案が波紋、株式分割の副作用」から

株主権限、見直し議論も

投資をしやすくするため上場企業の株式分割が相次ぐ中で、その「副作用」の懸念があるという。コラムの著者 宮川 克也と本脇 賢尚氏(日本経済新聞社)によれば、NTTでは今年、個人株主が約500万円の株取得によって自らを「取締役」にするよう求める提案を出したという。企業側も株主提案の濫用による株主総会の混乱や不要な対応コストが増え問題だという。

○会社法改正時に不適切な株主提案を規制できるルールも検討されたが

著者らによれば、もともと海外に比べ、日本企業は、株主提案の濫用に歯止めがかかりにくい仕組みとなっているという。米国では、米証券取引委員会(SEC)の承認が得られれば、企業側から株主提案議案を削除できるという。削除承認の実績は、23年で76件、24年で139件もある。日本ではこのような制度は存在しない。日本はこれまで株主提案権について、行使要件を厳格にする法改正があまり進んでいない。株主の権利保護や経営による恣意的運用の恐れなどが強調され、限定的な修正にとどまっているという。

事案の顛末はどうなのか。株主展案をしたのは兵庫県議会の議員で、NTTの重要課題として「執行役員以上の経費調査」などを主張し、自分を「真に独立した社外取締役」として選任することをもとめたものであった。議員がNTT株を取得したのは、同社が2023年7月1日に株式分割して直近の7月18日である。当初から株主提案を意図しての取得であったという。会社法では、株主提案するには総議決権の1%か300個以上の議決権を6ヶ月間継続保有することが条件である。同議員は基準ぎりぎりの3万株(議決権300個)を取得した。このような事態になったのは、取得コストの値下がりがある。所得日の終値で単純計算すると約500万円。この額で時価総額約14兆円の企業への株主議決権を得たことになる。仮にもし分割をしなければ1億2000万円超が必要であった。議案は約5%の賛成で否決されたが、メディアなどの目に入り、株主の主張も問題意識も共有しやすいというのが動機だという。

多くの専門家は「300個以上の議決権」に関しての見直しが必要と指摘している。株式は投資しやすくなったが、「副作用」も議論するべき時であろう。💴🤔😴🛏️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:『夏季休業』と『体験格差』」から

2024.7.5   日本経済新聞の記事「春秋:『夏季休業』と『体験格差』」から

広がる子ども達の「体験格差」

コラムの著者によれば、「夏季休業」を前に子ども達の生活経済が厳しい状況のために、親たちの経済的余裕に応じて子ども達の夏休み体験の格差が生じるという。田山花袋の「田舎教師」に綴られた夏休みの心得を子ども達の説いていた時代よりも社会は進歩したのであろうか。

○旅行やイベントなど、家族で貴重な思い出を残せる夏休み

コラムの著者は「田舎教師」から次のような引用をしている:

「毎日一度ずつは、本を出してお復習(さらい)をなさい。それからお父さんお母さんに世話をやかしてはいけません。桃や梨や西瓜(すいか)などをたくさん食べてはいけません」

と、明治30年代の夏休み前に教師が子ども達に説いた心得である。学校の「夏季休業」は欧米にならったものだという。明治30年代ではすでに日本でも定着していたようで、物語は夏休み前の「ざわざわ」した心情が描写されている。今もこの風景は変わらない。親に世話をかけてはいけないということを強調しているのも当時の家庭も子どもが家にいる毎日は大変であったことであろう。

だが、令和に日本では、もっと切迫した声だという。認定NPO法人「キッズドア」の調査によれば、小中学生のいる困窮世帯の約6割が、子どもの夏休み廃止や短縮を望んでいるという。要因は、「生活費がかかる」、「特別な体験をさせる経済的な余裕がない」といった訴えが多くでてきたという。

夏休みは、家族にとって旅行やイベントなど思い出が残せ、体験できる好機である。しかし、それが叶わぬ世帯が多く、子ども達の「体験格差」が広がっている。貧しかった明治の日本でも考えられない光景であろう。花袋の時代、教師も夏休みを思い思いに楽しんでいた。そのころと今の日本社会はどれだけ進歩したのであろうか。🍉🏊☀️👒🏠🚲🍼👶📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵