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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:セブン50年と『競争嫌い』」から

2024.8.1  日本経済新聞の記事「Deep Insight:セブン50年と『競争嫌い』」から

独自性へのこだわりと市場にない商材を作る姿勢を一貫して

コラムの著者 中村 直文氏(日本経済新聞社編集委員)によると、セブンイレブン1号店が開店して50年になるという。同社は業績に停滞感があるものの、コンビニエンスストア最大手の地位は今も揺るがない。中村氏は、その競争力の源泉に「競争嫌い」があるという。確かに他社とは激しく競ってはいるが、独自性へのこだわり、市場に「ないもの」を生み出す姿勢は、中村氏がいう「競争嫌い」にあろう。

○セブンイレブンは誕生から非常識であった

中村氏によれば、セブンイレブンの創業期は1970年代前半である。当時は、

  • 牛乳もお茶もすぐ買える
  • 米国のコンビニエンスストアが日本に根付くわけがない。ましてや深夜に客が来るわけがない

と社内では猛反対。運営元の米サウスランドとライセンス契約を結ぶ。にもかかわらず、米社のマニュアルに従わず、独自の方式を編み出し積み上げていった。

それまでは自宅で作る「おにぎり」や「弁当」を商品化し、午後3時に閉店する銀行窓口の不便さを解消しようと銀行まで立ち上げる。もともと低価格路線であったプライベートブランドの商品開発も、品質本位を追求し、既存の競争を度外視した。このセンスは、小売業以外の分野から転職してきた鈴木 敏文氏(セブン&アイ名誉顧問)は業界の常識どころか、他社にも関心を払わない。業界よりも社会的ニーズをつかもうとする企業文化を築き、今も商品本部を中心に「競争相手は顧客だ」との合言葉が残っているという。

中村氏は、セブンイレブン以外に、徹底した地元志向で1995年創業の最後発スーパー、クックマートや、有力地域スーパーのヤオコーを紹介し、顧客本位に基づいた独自センスを磨いたことが日本の小売業のみならず日本企業のレベルアップに繋がると述べている。🥩🐟🥦🏪🏬🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:ESG情報開示はAI活用で」から

2024.7.31  日本経済新聞の記事「私見卓見:ESG情報開示はAI活用で」から

企業はESG情報をAI活用を前提に量・質共に充実、透明性を確保すべき

コラムの著者 中久保 菜穂氏(シェルパ・アンド・カンパニー CEIO、ESG責任者)によれば、膨大で広範囲な情報となるESG(環境・社会・企業統治)の確認や分析にはAIが活用されていくことが増えるという。人間のアナリストに比べ、その評価に情報処理速度より高速で、正確であり、参考情報の範囲は広く、量も多く、客観性も向上するという。さらにAI活用によるこれまでの課題解決にもつながるという。

○AI活用で、ESGウォッシュ対策や人間の持つ無意識の心理バイアスを排除できる効果が期待できる

中久保氏によれば、現在の企業のESG情報は、有価証券報告書や統合報告書など多様な文書で開示されている。ファイルの形式も多岐にわたり、評価時には日本政府や第三者機関による調査データも参考にする必要があるという。このように膨大で広範囲な情報となるESG(環境・社会・企業統治)の確認や分析にはAIが活用されていくことが増えるという。

さらにAI活用による効用もある。例えば、ESGウォッシュ対策である。実態が伴わない見せかけのビジネスにより、ステークホルダーに誤解を与える「ESGウォッシュ対策」にも有効である。AIを用いれば、企業はモニタリング機能を向上させることができ、SNSやNGOなどの報告がほぼリアルタイムで参照でき、サプライチェーン全体のモニタリングができる。

さらに、人間の意識に潜む無意識のバイアスを排除して、評価の客観性を担保できる期待がある。ただ、AIにも学習データによってバイアスを持ちうることも認識しておく必要がある。

このようにESG評価でAIを使うことはもう不可逆となっており、それなら企業側もAI活用とアナリストの評価の両者があることを前提に情報の量と質の向上、さらに透明性の確保をこれからも進める必要があろう。🧠📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「春秋:アスリーツの品格」から

2024.7.31  日本経済新聞の記事「春秋:アスリーツの品格」から

僅差の中にお互いの称賛がある

コラムの著者がパリ五輪で大活躍の日本体操チームを見て思い出すのが、8年前のリオ五輪の体操男子個人総合決勝で、王者内村航平選手が最終種目の鉄棒で、2位から劇的な逆転勝利したことであるという。

○敬愛する勝者を心から称賛

コラムの著者によれば、この逆転勝利で2位のウクライナの選手との得点差はわずか0.099であったという。本当に僅差で、この勝利以上に、コラムの著者が感動したのは、競技終了後の記者会見の場であったという。記者席から内村選手に意地悪な質問が飛んだ。

「好意的な判定だったのでは?」

これまでの王者の実績が採点に有利に働いたのではないかという疑念である。そんな疑念にウクライナの銀メダルの選手は、自分のことのように、

「無駄な質問だ」

と憤ったという。ここでも敬愛する勝者を心から称賛していた。

翻ってパリ五輪の体操男子団体総合の決勝で、辛くも王座を奪還した。このとき、カメラは最終種目の鉄棒で、2度落下した中国の選手の失意の横顔を撮っている。まさに残酷な映像である。それに対して、渾身の演技で逆転勝利を引き寄せた橋本大輝選手は、喜びに沸く観客席に向かって、人差し指を唇に押し当てた。「静かに!」の意味である。橋本選手自身も、予選、決勝でミスを重ねていたからである。もし、この時中国に敗れていたら、自分が挫折感に打ち拉がれているだろう。勝利の女神による勝敗は、立場の互換性に思いを巡らすアスリートの品格である。🏃‍♀️🏠🚲🍼👶📕✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇨🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:レイシズム、全体像を理解して」から

2024.7.30  日本経済新聞の記事「私見卓見:レイシズム、全体像を理解して」から

日本の国際標準からを憂う以上に大きな危険性もある歴史観

コラムの著者 村田 勝幸氏(北海道大学大学院教授、アメリカ史)によると、人気ロックバンド"Mrs. GREEN APPLE"の新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(MV)を巡る論争が、見た目より厄介な問題を含んでいるという。その問題とは。

○人気ロックバンドの新曲のミュージックビデオが巻き起こした騒動

村田教授によれば、MVはコロンブスの衣装を着たアーティストが、押しかけた館で開いたパーティーで類人猿を啓蒙し、導くといった内容で、確かに入植者植民地主義やレイシズム(人種差別)を思い起こさせてしまうという。

今はコロンブスに対する歴史観は、アメリカ大陸の発見者ではなく、先住民支配の先駆者、つまり支配者第1号と捉える見方が定着している。そこに見る見方を政治的妥当性という観点で見た結果である。今回のMVの騒動は、人種的正義に関する認識で、日本が国際標準に比べて遅れていることを露呈してしまったことによる。

一方、当事国である米国ではそんな単純な結果ではない。近年米国での自国史において白人によるレイシズムが果たしてきた一連の影響や役割を学校で教えることを禁じる動きがあるという。その際に、批判の中心的な標的となっているのが、「批判的人種理論(CRT)」である。CRTでは、米国の歴史や社会構造の基盤にレイシズムがあると解く。これに対して、トランプ前大統領らは白人に罪悪感をもたらす分断的な主張だと、激しく批判を展開してきた。

興味深いことに、政治的妥当性に関する理解が米国では一定程度共有されている一方で、米国の歴史でレイシズムを教えることを禁じるという、一見矛盾したいるが、政治的妥当性の裏にレイシズムがあるというCRTととらえるなら、2つの対照的な動きは原因と結果として捉えることもできる。当該のMVを読者はどうと捉えるか。🎵🎶🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:認証不正、制度設計は柔軟に」から

2024.7.29  日本経済新聞の記事「私見卓見:認証不正、制度設計は柔軟に」から

ルールの前提となる状況や条件は刻一刻と変化し予測不能

コラムの著者 吉野 直人氏(西南学院大学商学部教授)が提唱するのは、国が安全基準を決めて具体的な試験方法や条件はメーカーに一任することで、現状の課題解決を図れるのではないかという。自動車メーカーの型式指定を巡る認証不正問題で明るみに出た国の規定とは異なる試験方法や手順が取られていた。その原因とは。

○医薬業界で行われている市販後調査も必要

吉野教授によれば、今回の不正はメーカーの順法精神の低さと不正を指摘できない職場風土を批判する一方で、元来の国の規制のあり方やルール自体の問題を指摘する声もあるという。

自動車メーカーが例え国の基準よりも厳しい方法で実施しても、ルールに則らないことには違いなく「不正」となる。確かに虚偽記載やデータの改竄のケースは問題外であるが、規制する側に課題はないのであろうか。

組織においてルールと現場の手順に乖離があることはしばしばであるという。これは、ルールの前提となる状況や条件がダイナミックに変化していることにも影響を受けている。事前にこのダイナミックスを予測することは難しい。そうなると現場ではルールから切り離されて、安全性が求められる現場ではリスクの温床となっていく。

このリスクを抑えるため、認証制度にも当局への申請を通じて試験方法の見直しの道がある。ただし、多くの車種や技術の多様化で、モデルチェンジや設計変更が頻繁に行われる中で試験方法の変更に対するコストは大きくなり、実質的には見直しされない状態となる。さらに現場でいくら工夫しても国の規定に反するのであれば検査不正として問題視されてしまう。

つまり規制と裁量のバランスが中途半端な状況が続いていることが不正の要因にもなっている。他業界である医薬品業界の安全基準のように、国は基準だけを決めて、試験方法や条件はメーカーに一任するといった設計の方が柔軟であるのではないかと、吉野教授は提案している。その際も、市販後調査のようなフィードバックでルールの見直しを考えられることも重要であろう。🚗🚕🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵