利用例

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:人口減少下の労働力、70代も働く×ロボットで解決」から 

2023.6.23  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:人口減少下の労働力、70代も働く×ロボットで解決」から

「ヒトの労働力」の質を高め「テックの労働力」との協働システムの構築を急ごう

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)によれば、国立社会保障・人口問題研究所が4月に発表した「将来推計人口」によれば2070年の総人口は8700万人で15歳から64歳の生産年齢は2020年の7509万人から4割減の4335万人になり、経済を支える労働力の減少は深刻な事態である。関沢氏はこれに対して2つの労働力を考えることで解決できるのではないかと提言している。

◯生産年齢の延長とAIやロボットの積極的な導入がキー

 関沢氏によれば、労働力の減少への対策として、「ヒトの労働力」の質の向上があるという。例えば、先の統計で生産年齢人口を2070年の74歳まで延長できれば、5722万人となって、2020年時の76.2%の確保が可能だという。さらに79歳まで延長すれば83.5%となる。健康寿命の伸びを勘案するとそれほどこれらの延長は不自然ではないのではないかという。また、外国人労働者も今よりも増えるだろう。

こうした「ヒトの労働力」に加え、半世紀先を予測すると、「テックの労働力」も期待できるという。つまり、AIやロボットなどの「テックの労働力」は3つの累計で提供されるのではないかという:

  • ユビキタス(偏在)型:農業・製造工場・サービス・家庭などのあらゆる現場に備えられたAI・ロボットで、労働生産性を高めるもの。
  • パートナー(伴走)型:個々人に寄り添って支えるもの。今のスマホに代わって人型に代表されるロボットを相棒とする生活がある。
  • ピラミッド(集権)型:中核となるAIに、個々のAI・ロボット・IoTを接続して集権的に制御するというもの。AIの暴走を防ぎながら、人間は創造的な分野にうちこむ。

また、これらのAi・ロボットを使いこなす応用力を道具と考え、誰もが訓練で獲得するという。リスキリングで柔軟な労働移動を促進しながら、生活を社会保障で下支えする「フレキシキュリティー」政策が求められるという。

すでに少子化は不可逆と見て、2つの労働力を使った協働システムの構築を急がねばならないと関沢氏は提言している。🤖💭💬📖🖋🏫🎩📕👩✋⛑🕠💪🏃‍♀️📺📶💺💻🏠👧👩😷🦠❤️🌍happy01🌎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:スポーツ×『賭け』急成長」から

2023.6.22  日経産業新聞の記事「WAVE:スポーツ×『賭け』急成長」から

SNS時代にスポーツビジネスを活性化させるスポーツベッティング

コラムの著者 宮田 拓弥氏(スクラムベンチャーズ代表)は、SNS時代で可処分時間を取られているファンに新しい楽しみを与える「スポーツベッティング」について考察している。

○日本はG73カ国で最も遅れたカジノ事業と同様に他国では合法化

 宮田氏によれば、ベッティング(賭け)といえばネガティブなイメージが付きまとうが、SNS時代にはスポーツファンでもSNSやアプリに時間を割いて十分な楽しみ方できないファンには新しい付加価値を与えるものとして米国など多くの国が合法化に進んでいるという。

WBCで侍ジャパンが劇的な優勝をした時のテレビ視聴率は歴代でも2位というとてつもない数字がでたという。改めて「ライブスポーツ」というコンテンツの強さを感じさせた。だが「野球」というスポーツ事業は岐路に立っているという。試合の終了時間が決まっておらず、長い。中弛みもでやすく人気が世界的にも低下している。今年からメジャーでは制限時間内に投球しないと罰則となるピッチクロックが導入された。試合時間の短縮化を狙ったものである。

このようなスポーツビジネスで米国ではスポーツの楽しみ方の新基軸として急成長しているのが、スポーツベッティングであるという。米国でもネバダ州のみしかスポーツベッティングは合法ではなかったが、2018年に米最高裁が州ごとの合法化を可能にして以来、一気に各州の合法化が進んだという。現在33の州が合法となり、市場規模も2022年ですでに10兆円、2030年には20兆円と大きな成長が見込まれているという。

SNS時代ではSNSやアプリで可処分時間をどうスポーツに持っていくかが、スポーツビジネスの注目点である。賭けはその中で新しい楽しみ方の1つになると考えられている。すでに日本を除くG7参加国ではすでにスポーツベッティングは合法化されており、日本も遅れてカジノ導入となった。スポーツベッティングはファンのエンゲージメントを上げ、これによって放映権が高騰し、米国ではすでにスポーツビジネスのエンジンになっている。日本でも慎重に議論して、スポーツ産業の育成でスポーツベッティングの導入も検討すべきだと宮田氏は示唆している。⚾️🏙️💳💴💲💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:仕組みが見えない自動化システム」から

 2023.6.21  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:仕組みが見えない自動化システム」から

自動化システムにAIが関与すると人間はどう対応すれば良いのか

自動化技術の発達で人間の理解は機械やシステムの入口と出口に留まるようになり、中間の仕組みが見えない状態となっていく。故障や障害が起こると、原因究明に見えない中間部分を洞察し対策を練る専門知識が必要となり、現場では即応できなくなってきている。コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、自動化技術が及ぼす影響を機械やシステムを対象に考察している。

○自動化による利便性の向上と故障や障害などによる不便とをどう考えるか

 山﨑教授はタイプライターとパソコンで入力する場合や電車の運転の事例を出して、自動化について示している:

  • タイプライターとパソコン:タイプライターならキーを押せば大文字か小文字かはともかく、キーに記された文字を選択し、表示する。パソコンのキーボードの場合は、タイプライターとは全く異なる仕組みで、文字を選択し、表示する。この間の処理は見えないが、かな漢字変換など非常に使いやすい機能を実現している。
  • 電車の運転:運転士の左手の制御器の操作で加速、右手の空気ブレーキ弁の操作で減速を調整しながらホームの定位置に停止する。この場合は仕組みが理解できる。一方、マスターコントロールと呼ばれるT字型のレバーに電車の運転が変わると様相が一変した。両手で手前にレバーを引くと加速し、前方に押すと減速する。この場合、コンピュータとソフトウェアで機能を実現している。動作を支配しているのがソフトウェアであるために動作の仕組みは全く見えない。だが、スムーズの加減速が可能となり、便利になった。

このように、自動化が進まない時期において運用する人間は機械やシステムの仕組みを理解する知識を獲得し操作に熟練するが、自動化が進むとその価値が変わっていく。自動化が進んだ機械やシステムでは人間が入口と出口だけを操作でき、中間状態は見えない。この変化は利便性を飛躍的に向上させたが、失ったものもある。仕組みが見えないために、故障や障害の予見ができなくなった。また実際に故障や障害が起こると、原因究明に中間処理が理系できる専門家が必要で、修理にも時間がかかり、現場での即応は事実上難しくなる。人間ができるのは監視と総合的判断っだけとなる。

さらにAIが関与するようになれば、仕組みは一層見えなくなる。AIを用いれば、より多くの知識や事象が関係するから、故障の予知や安全の障害も予測できることになる。ここまで自動化技術が発達すると、仕組みが見えない人間の介在をこのまま続けるか、機械とAIに全部任せるか遠からず決断する時期がくるかもしれないと山﨑教授は予想している。🎹🌪️🚣‍♀️🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:洋上風車の電力、水素に変換」から

 2023.6.14  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:洋上風車の電力、水素に変換」から

発電から送電/エネルギー輸送の過程がロスを生む

コラムの著者 円山重直氏(東北大学名誉教授)は、洋上風力発電の風車を用いた再生可能エネルギーの効率的な利用法について提案し考察している。

○エネルギー効率の課題はグリーン水素利用の共通課題

 円山教授によれば、漆器に使う漆の採取にヒントを得て、洋上風車を使ったエネルギー輸送システムを考えたという。

漆は職人が漆の木を傷つけて出た樹液である生漆を巡回して採取し、精製するという。つまり、風車で溜めた水素エネルギーを適時に採集して利用するというものである。

日本のような周囲が海洋であれば尚更注目されているのが、洋上風力発電所である。洋上電力の開発が進み、陸地から離れた沖合に浮かんだ構造物(浮体)の上に風車を設置する。通常、発電された電力は海中・海底ケーブルで送電される。

近距離送電では交流送電が優位であるが、長距離となると高圧の直流送電が必要となり、洋上で交直流変電設備が必要となる。また、海中や海底で長距離送電するのはエネルギー損失が大きいため、沿岸から遠距離の洋上発電所は送電設備とその維持が課題となる。

円山教授は、漆の採集と同様、洋上風車で得られるエネルギーを回収船で輸送することを提案している。風車に水の電気分解装置を内蔵させ、生産された電力で水から水素と酸素に電気分解して水素を得て、浮体を水素の貯蔵タンクとして利用する。水素貯蔵タンクが満杯になったら、回収船が水素ガスを回収する。陸地では燃料電池やアンモニア製造にこの水素ガスを利用してエネルギーとする。風車と地上を結ぶ送電線や変電所は不要となる。円山教授は、実際このシステムが稼働するかどうか試算している:

  • 風車の形状:直径82.4mの定格出力電力2.3MWの浮体式洋上風車
  • 浮体:直径6m、長さ100mの高圧タンク

で風車が定格出力で稼働したとすると、タンク内が50気圧になるまでに13日かかる。さらに、資源エネルギー庁の2020年電力統計では、風車は定格の23%しか稼働しない。結局、水素回収船は約2ヶ月に1度この風車を訪れる計算となる。回収時期は、水素貯留率をモニターしながら水素を回収する。

建設費やその回収効率といった経済性を除いてもこのシステムには欠点があると、円山教授は指摘している。それは、エネルギー効率の課題である。

電力の水分解で水素を作るエネルギー効率は約70%で、燃料電池の発電効率は高くても60%程度、水素でアンモニアを作り火力発電所で電気を作ると効率はさらに下がる。つまり、電気で水素を作り、それを再び電気に変換するシステムは生産される電気エネルギーの半分以上を環境に捨てていることになる。これは、今回の洋上風車の例だけでなく、再生可能エネルギーを使ったグリーン水素の根本問題で未解決である。🌪️🚣‍♀️🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:『もう一つの谷』の物語」から

2023.6.13  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:『もう一つの谷』の物語」から

シリコンの谷ではない農業の谷の物語

コラムの著者 フィル・キーズ氏(米インタートラストテクノロジーズ ディレクター)は、地球温暖化の影響か、米カリフォルニア州では天候不順で旱魃や大型台風による洪水で被害を受けることが多くなったという。あおりは、シリコンバレーのお隣で南方のSalinasという谷間の地域で深刻な農業被害に見舞われているという。

◯テック業界が立ち上がる前は、シリコンバレーも農産地だった

 キーズ氏によれば、カリフォルニア州は10月から4月が雨季であるが、ここ数年間、雨不足による旱魃被害や台風の大雨と強風で洪水やビルの窓ガラス被害などが起きているという。地球温暖化が目に見える形で現実となっているという。

嵐は、シリコンバレーの南のSalinas地域に大きな被害をもたらし、特に全米にレタスとイチゴの重要な産地であるという。シリコンバレーもテック企業が進出する前は、農産地であったが、テック企業が密集し始めると農業の中心地は、Salinas地域に移動した。

今回の台風の被害は深刻で、農産物の被害以前に堤防の決壊による洪水で町全体が水没してしまった。約2800人の住民の避難が必要で、農業従事者が多い。農業被害は、収入減につながり、今後の収穫にも影響を与えてしまう。

さらに、Salinas市の中心にあるHartnel College はアグリテック中心の起業プログラムを推進している。農業被害は、支援にも響き、さらに対象となる農業自体が厳しい中でのスタートアップとなればさらに状況は厳しいと言える。🚜🥬🍓📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸