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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:Z世代のロイヤルティー、上の世代より高い逆転現象」から 

2023.11.10   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:Z世代のロイヤルティー、上の世代より高い逆転現象」から

未経験でもリコメンドで広げるブランド意識

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)によれば、Z世代消費に対しての議論が引き続き盛んで、1990年代後半から2010年代前半に生まれた彼らはソーシャルメディアに親しみ、他の世代とは異なっていると考えられているという。小野教授は、ブランドに対するロイヤリティー(再購買意図)に注目してその行動を読み解こうとしている。

◯他人とブランドを話題にすることで特徴を整理しリコメンド

小野教授はサービス産業生産性協議会のJCSI調査をもとに、大手小売チェーンに対するロイヤリティーを100点満点で表した指標を業種全体で集計し、20代と30代を比較研究している。

約10年間の長期トレンドで見るとロイヤリティーは世代を問わず上昇している。新型コロナウイルス禍を境に20代が30代以上を大きく上まっている。一方で、マーケティング分野の先行研究では、若年層は上の世代よりロイヤリティーが低いことが指摘されているという。若年層は自分の好みが固まっておらず、より良いもの、より新しいもの、より安いものといった多様な選択肢を試す傾向にあるという。さらに彼ら彼女らの所得や消費経験が少ないことも原因で、自分の好みを見つけるまでブランドスイッチングを繰り返すため、結果的に中高年よりもロイヤリティーが低くなるとされてきた。

ところがZ世代では上の年代を上回ってロイヤリティーが逆転現象が起きている。

その理由について小野教授は以下のように考えている:

  • 満足度の高いブランドを利用し続けることで、買い物の失敗を避ける。しかし、この傾向はZ世代だけではない。
  • ネット上などでの他者へのリコメンド(推奨)である。誰かに推奨する行為は自分もその該当するブランドを使い続ける可能性を高くする。自分を裏切らず一貫性を保つためである。
  • リコメンドすることで、話題になる製品の特徴を整理し、信念が固まる。
  • 映え狙いの写真投稿や何気ない会話もZ世代のロイヤリティーの形成に役立っている。

ソーシャルメディアなどで人間関係を育む文脈でZ世代の消費を読み解くことは、ロイヤリティーの観点にも当てはまりそうだと小野教授は指摘している。☝️☎️🚌🛬🧳🛒🥢🍜🍔☕️🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:デジタルクローン活用」から

2023.11.9  日経産業新聞の記事「WAVE:デジタルクローン活用」から

AI技術でマーケティング手法も可能性が広がる

今年も年末が近づき振り返ると、国民的な関心事はWBCなどスポーツなど一部に限られ、モノ・コトはこれまで以上に難しく、多様化が進んでいる。コラムの著者 加治佐 康代氏(ビデオリサーチ取締役)は、マーケティング分野で多様化に対する対応としてAI技術の活用について述べている。

○顧客データの分析からセグメント分析、レコメンドの活用などAIの活用領域は広い

 加治佐氏によれば、インターネットの普及やデバイスの進化で情報源は多様化している。2010年代初期から普及したSNSからYouTubeなど生活者自らが情報発信を行い、双方向で情報流通が行える時代になっている。その結果、個々の嗜好性や価値観に合った情報を多種多様な手段で送受信する状況となっている。2020年代にはコロナ禍でリアルコミュニケーションが制限され、個別の属性はますます細分化・分散化されるようになった。

これまでのマーケティング手法の顧客のセグメンテーションは極めて小さなセグメントになり、生活者は多くの得たい情報をいつでもどこでも取得できるようになった。しかし、発信者にとってはさまざまな手段で生活者にコンテンツや広告を届け、誰にどれだけ届いたのかを集約する労力が増えている。この労力の負担軽減策として、AI技術の活用が進んできている。

マーケティング分野ではAI技術を顧客データを分析し、新顧客を自動的に認識したり、レコメンドに生かしている。加治佐氏の会社ではデジタルクローンというAIを用いて、人間の思考の揺らぎも表現できる技術をマーケティングリサーチに応用する手法を開発しているという。あるデジタルクローンでは、性別や年齢などの特性に加えて、特定の課題やトピックスに対する関与状況を示すペルソナを設定できる。デジタルクローンを使って、自由にインタビューを行ったり、アイデアが出ない時の壁打ちや、出現がレアなターゲットを想定したインタビューもできるという。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:コネクティッドTV、番組の探しやすさ課題」から 

2023.11.8  日経産業新聞の記事「トレンド語り:コネクティッドTV、番組の探しやすさ課題」から

英国ではプロミネンス(強調)ルールで目立たせる

電通「d-campx調査」(関東)の2023年5月の調査データでは、テレビのネット接続率は59.6%で、コネクティッドTV(CTV)の普及が進んでいるという。コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研フェロー)によれば、放送波だけでなく、動画配信サービスなどコンテンツの選択は以前に比べ複雑になっており、チャンネル間の遷移やザッピングすることは容易ではなくなっているという。このような時代にCTVのあるべきデザインとはどうあるべきか、議論が始まっているという。

◯シームレスな視聴導線ができればサービス事業者にとっては視聴者獲得のメリット

 奥氏によれば、テレビのネット時代のサービス選択は複雑で、視聴者にとっても操作性や選択に苦労するという。リモコンのボタンや画面上のバナー表示などの工夫が必要である。そのために従来より放送チャンネル間の遷移に比べ、放送と配信の横断、配信間を横断するためにはリモコンの操作が数回必要となる。見たい番組を探してザッピングすることも容易ではない。

CTVにはオンスクリーンのキーボードはあるものの、番組名を入力して検索するにも骨がおれる。そこで問題になるのが、CTVのホーム画面のレイアウトなどのデザインである。一覧性と視聴導線の利便性のバランスを考慮したものでなければならない。さらにこれをうまく提供すればサービス事業者にとっては視聴者獲得のメリットがある。

英国では多チャンネル時代に対応したプロミネンス(強調)ルールを設定している。民間放送も含めた公共性の高い放送サービスをより目立つようにするというルールである。情報の信頼性や、自国ならではの問題として諸外国のサービスよりも番組を優先したいという意図がそこにある。いずれにしても日本国内でもCTVのあるべきデザインがこれから議論されると奥氏は予想している。💻📳🍂🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵🇬🇧


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:『働きたい』社員を縛らない」から

2023.10.23 日経産業新聞の記事「Smart Times:『働きたい』社員を縛らない」から

働きたい人はもっと働き成長できる環境を整備できる労働法も必要

コラムの著者 谷間 真氏(セントリス・コーポレートアドバイザリー代表取締役)は、働き方改革を多様な働き方を認めるというものであれば、働きたい人がもっと働き、成長できる環境を整備できる労働法の改正が必要ではないかと提言してる。

○仕事は苦であるという価値観に則っているのが現行法

谷間氏によれば、スタートアップがIPOを行う際に、労働基準法における労働時間に関する規制は重要なコンプライアンスの問題になっているという。労務に関しては36協定違反などの問題はIPOの重要な審査ポイントだという。

しかし、成長著しいスタートアップにおいて、一律に労働基準法による規制の順守を言うだけでは価値観のズレを感じざるを得ないと谷間氏は語っている。頑張りたい社員は、もっと頑張れる制度が必要なのではないかということである。

これまで日本企業は慢性的な長時間労働に陥っていた。働き方改革もワークライフバランスを保ちながら、多くの人が働きやすい環境を整備するために労働基準法が改正された。だが、スタートアップの社員のように成長意欲の高い若手人材にとってもっと働きたいにも関わらず、法律違反となってしまう。ワークライフバランスも前提には仕事は苦であるという価値観にあり、果たしてスタートアップ企業に当てはまるであろうか。仕事と人生は別物ではなく、人生の構成要素として統合的に捉えるwork life integration ではないか。現行法では、働きたい人がもっと働くためには、フリーランスとして業務委託契約による就業か、取締役など経営陣にとして仕事をするしかない。社員はこの時点で保護されるべき権利も共に失うことになる。従業員として、働きたい人はもっと働ける制度が必要なのであると、谷間氏は示唆している。⌚️💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:LLM導入、現場主導で」から

2023.11.2  日経産業新聞の記事「WAVE:LLM導入、現場主導で」から

現場が主導しデジタル部署が補佐する構図がベター

コラムの著者 辻中 仁士氏(ナウキャストCEO)によれば、今年のソフトウェア投資の最大のテーマは大規模言語モデル(LLM)であろうという。企業の課題は社内でLLMの導入をトップダウンでいくか現場主導でいくかという視点があるという。

○デジタル部署は情報セキュリティー対策や技術的な伴走を

 辻中氏によれば、前回のAIブームでも多くのAIに関連するVBが登場して実証実験を行ったが、主に「トップダウン型」で「中央集権型」のアプローチで発展しなかったのではないかという。

多くの企業でデジタルやイノベーションを冠する専門部署が設定され、この部門が主導で業務のあるべき姿を定義し、潤沢な予算を背景に揃えるべきデータを収集してAIモデルを訓練させ、本番の環境で検証するといったことが行われた。だが、今回のLLMでも有効なアプローチななのかと辻中氏は疑問を持っている。

今回のLLM導入は現場がポイントになるという。その理由は下記の通り:

  • LLMは活用する際にPDCAが非常に容易である:操作のためにプログラミングを習得する必要はない。自然言語で支持するだけでアウトプットが出てくる。専門職のデータサイエンティストでなくてもPDCAを回すことが可能である。
  • LLMはこれまでよりインフラやAPIの利用代を除きコストが低い:ゼロから特定用途に特化したディープラーニングをするためにデータの収集や前処理、学習に必要なコストと比較して極めて低予算である。プラットフォーマーが提供する基盤モデルを活用して、対象ドメインの少量データをin context learning させるだけで経済的に使える。
  • LLMは少量のデータを用意するだけでよい:これまでは大量の対象ドメインのデータを用意しねければならなかったが、圧倒的にLLMでは少なくて済む。 

以上に示したようにLLMの活用がPDCAを回すコストが低く、ハードルが低いことから、現場主導の改善提案から全社的に広げる手法が進めやすい。さらにデジタル専門部署も、LLMの情報セキュリティー対策や技術的理解を助ける「現場の伴走役」としての役割は大きい。現場が主導し、デジタル部署が補佐する構図がオススメだと辻中氏は提案している。💲💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵