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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:謎のファンタフレーバー、味推理で商品特徴を再認識」から 

2022.10.21   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:謎のファンタフレーバー、味推理で商品特徴を再認識」から

顧客経験でブランドを再認識させ強化させる

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、前回の顧客体験に引き続き、今回は日本コカ・コーラの炭酸飲料のブランド戦略について考察している。

◯「一体、何のフルーツ!?」で味を推理

 小野教授が紹介する商品は、同社の9月19日から限定販売の炭酸飲料「ファンタ ミステリーブルー」で謎のフレーバーと液色の「#WHATTHEFANTA」シリーズの日本初上陸商品である。このシリーズは東南アジアで2018年から始まり欧州でSNSで話題を呼び、2021年には多くの国と地域で最もよく売れたファンタフレーバーの1つとなった。

定番の商品はオレンジなどの果汁を含むものだが、この商品は青い液色のミステリーブルーである。香料でフレーバーが付けられ、原材料表記をみても何のフルーツか特定できない。

そこで消費者に何の味かを判定してもらおうという仕掛けである。ペットボトルのQRコードから特設サイトにアクセスして投票する。投票ボタンには54種類の果物が並ぶ。クイズも簡単なものではなく、難易度が高いという。桃なら白桃、黄桃、すももなど細かく品種が提示され、味覚の試験の様相だという。投票は1日1回のみで、特設サイトにはヒントが数日おきに示される仕掛けである。そこに、プレゼントキャンペーンや公式YouTubeのティーザー動画、著名なインフルエンサーなどの予測動画などが配信される。

商品のおいしさはもちろんだが、「家族や友達と一緒に盛り上がる」という経験価値が味推理で際立っており、判定に参加した人は味を当てる楽しさとともにファンタがフルーツフレーバーの炭酸飲料であることを認識してもらう狙いがある。同社の商品ブランドの再認識と強化につなげようとしている。🥤🍎🍑🍌🍓🍊🧴📷🥢🍜🍔☕️🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:マニュアルオブザイヤー、図と動画で注意点説明」から 

2022.10.19  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:マニュアルオブザイヤー、図と動画で注意点説明」から

ネガティブ表現のタブーをきちんとNGと表現

 コラムの著者 高橋慈子氏(テクニカルライター)は昨年の発表に続き、今年の「ジャパンマニュアルアワード」(一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会主催)が10月5日に発表された内容について語っている。

○ユーザーが安全に確実に製品が伝える技術の進歩を伝える展示も開催

 高橋氏が紹介しているのは、優れた取扱説明書を表彰する「ジャパンマニュアルアワード2022」である。最優秀賞は、精密測定機器メーカーのミツトヨ(川崎市)のリニアスケール(直線測長器)のユーザーズマニュアルである。選定理由は、中原司郎実行委員長(パナソニックエレクトリックワークスクリエイツ)によると:

  • 近年増えてきた動画の使用説明で該当箇所にQRコードを記載して動画にわかりやすく誘導している。
  • 図解では、タブー視されてきたNGの文字をあえて使って、やってはいけないことが明確に伝わるようにしている。
  • 動画でも、注意すべき動作を丁寧に説明している

ということにあるという。これまで取説はNGというネガティブな表現は避け、「注意してください」といった表現にとどまることが多かったという。同社はそこに注目し、安全に使用できることを示している。

同アワードはコロナ禍でリアル開催を見送ってきたが3年ぶりに京都リサーチパークで最終選考や表彰、作品展示が行われた。展示も意義あるものでこれまでの受賞作に加え、過去20年間の受賞作から実行委員が注目すべき作品も並べ、解説ツアーも開催したという。技術の移り変わりとともに、ユーザーの安全を最重要に考え、確実に製品を使えるように「伝える技術」がどう進化してきたかが把握できる展示であったという。🛠🍖🍽👜🏯📗🖥👧👦🛌👧🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:日本に見る『選択と集中』の危うさ」から

2022.10.12  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:日本に見る『選択と集中』の危うさ」から

日本企業の停滞の要因は選択の誤り

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、諸外国の産業が成長を続ける中で日本企業だけが30年近くイノベーションに乗り遅れた要因は選択と集中の誤りにあったのではないかと語っている。

◯かつて選択を誤った半導体業界の行方

 山﨑教授の考察によると、他国におよそ30年もイノベーションが進まず乗り遅れた日本企業の要因は、選択と集中の誤りだと指摘している。

「選択と集中」はどの国の企業でも日常行われている。しかし、企業の成長につながるのは対象を正しく選択し、そこに経営資源を集中した場合である。誤った選択は進路を捻じ曲げ、集中は選択の誤りを強調してしまい、傷を広げる結果となる。

では、日本企業の停滞が選択の誤りであったとしたら、どうして選択を誤ってしまったのか。そこには過去の成功(選択の成功)にこだわり、それをもたらした組織体制を継続してしまったからではないか。

確かに経営トップに昇り詰めた人たちのとって、輝かしい過去の成功体験は誇りであって悪いことではない。問題は、社内に新しい事業の芽があっても目に留まらず理解されないで、興味を引かないまま埋もれてしまった対象である。多くの経営者は自らの成功体験が将来も続くと一方的に信じて、そこに選択と集中をやめなかったのではないか。

山﨑教授は、選択の誤りの事例として半導体産業をあげている。かつて日本の半導体メーカーは、世界市場のほぼ半分のシェアを押さえ、1980年代の日本の高度発展を支えてきた。ところが、日米半導体摩擦を機に急速に競争力を失ったという。

日本の半導体メーカーは当時、開発から生産までを一貫して担い、厳しい競争にあった。一方、米国など海外勢は、半導体産業の規模の急拡大に対して、異なる固有技術を持つ設計開発機能と生産機能を分離するようになった。開発部門がファブレス化し、生産はファウンダリーに集中する分業体制に変わっていった。

この分業化の選択を日本企業は行わず、一貫体制の維持にかけた。結果、需要が拡大し、継続的な巨額投資が必要となっても新しい方向性を見出さず、過去の体制維持にでた。やがて、過大な設備投資が経営を圧迫し、多くの企業が行き詰まり半導体製造から手を引くことになった。

需要の変化、技術の進歩が現代は劇的であり、その産業の行方を洞察し、過去の成功体験に拘らずに正しい「選択と集中」をしなければ企業の未来はない。今、半導体産業の再建が具体化しつつあるが、その行方に期待したいと、山﨑教授は語っている。📊⚡️💡😷🌍🤖💻🧠🍞🎓✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:話題なきデトロイトショーが映すもの」から

2022.10.6  日経産業新聞の記事「眼光紙背:話題なきデトロイトショーが映すもの」から

かつての世界5大モーターショーもローカルイベント?!

コラムの著者によれば、世界5大モーターショーはもはや死語だという。米デトロイト、スイス・ジュネーブ、独フランクフルト、仏パリ、日本の東京でそれぞれの地域性を映しながら最新のクルマを競って出展してきた。この先はどうなるのか。

○自動車大手メーカーのためから、スタートアップのためにシフト

 コラムの著者によれば、5大モーターショーも今は昔となったのは、テクノロジーの見本市であるCESであるという。すでに家電の域を越え電子電気、エネルギー、ソフトウェアからサービスまでを展示発表している。もう一つは、規模の点で中国のモーターショーの方が大きい。

コラムの著者はそのデトロイトモーターショーに参加したという。新型コロナウイルス禍が一段落したこともあって、3年ぶり9月に現地開催になったという。一昔前までは犯罪多発都市だったデトロイト市の復興も奏功し、会場近くの野外イベントにも多くの人が足を運んだという。

ただし、肝心の出展品が話題に乏しく、迫力に欠けたという。かつては所狭しと新車が勢揃いしたが、一部がイベントスペースになるなど場所を持て余し気味であった。一方で熱気があったのは、新しく設置されたスタートアップ企業の展示であった。自動車大手による自分達のための展示から転換と考えると、すでに言われ続けている「100年に一度の大転換」を象徴しているようだという。💴💹☀️🏢🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇬🇧


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:和牛のブランド戦略、『生産者✖️消費者』の視点を」から

2022.10.7  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:和牛のブランド戦略、『生産者✖️消費者』の視点を」から

商品ブランド戦略は機能的と情緒的価値の両者を創造すること

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)が取り上げるのは、前回に引き続き食品ブランドに関わって「和牛の五輪」と呼ばれる全国和牛能力共進会(本年は鹿児島で10日6日から10日開催)でのJA鹿児島経済連のブランド戦略である。

◯関西から関東へのブランド確立を狙うJA鹿児島

 三浦教授によれば、全国和牛能力共進会の今大会は、雌雄の種牛の審査をする「種牛の部」と肉質を審査する「肉牛の部」があり、毎年40近くの道府県が参加するという。和牛ブランド力の向上につながる最重要大会で、前回の宮城大会では鹿児島県が総合優勝し、今年も狙っている。

だが、和牛ブランドとして鹿児島は松阪牛や神戸牛に比べ、知名度が低い。関西では認知を受けつつあるが、関東ではまだまだだという。そこで東京など関東でのブランド確立に向けて戦略を練っている。

三浦教授によれば、商品ブランドの戦略はブランドコンセプトを押さえた上で、機能的価値と情緒的価値を創造することだという。そこには生産者と消費者の双方の視点が欠かせないという。

鹿児島黒牛は機能的価値は生産者視点からはA5等級の霜降り肉で最高である。ただ、消費者は、脂身控えめの赤身肉がヘルシーだと考える人もいる。商品から受ける情緒的価値も、生産者は肉汁の滴るステーキかもしれないが、消費者は、牧草飼育による赤身の健康イメージかもしれない。消費者の健康志向や社会志向が高まる中、農産物も味だけでなく、生産者のトレーサビリティーや商品がどのように生産されたかも念頭に置くようになった。しいては、飼料についても穀物か牧草か、飼育環境は快適でアニマルウェルフェア(動物福祉)を考慮しているかまでも追求するようになり、生産者も気遣う視点が出てくる。

ブランドの成功は、この生産者と消費者の視点の一致、マッチングから生まれるという。🍳🥩🐮🍫🎍🍄📙📖👚🚗📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵