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【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:コロナ5年を教訓に平時から備えを」から

2025.3.17  日本経済新聞の記事「社説:コロナ5年を教訓に平時から備えを」から

流行が落ち着き脅威が過ぎ去った今こそ、日本のコロナ対策を検証すべき

新型コロナウイルス感染症がパンデミックとなって、人類を恐怖に陥れて5年が経過した。社会生活はおおむねコロナ禍前に戻ったが、未だ後遺症に苦しんでいる人も多い。社説によれば、20世紀初頭のスペイン風邪の再来を思わせる100年に1度の災禍であったという。世界では少なくとも700万人が死亡し、国内でも高齢者を中心に13万人以上が亡くなった。

◯感染症法上の「2類相当」から「5類」に移行するまで3年以上要した

社説によれば、コロナ禍の対策から得た教訓を生かし、次なる感染症の危機に平時から備えたいという。

現状、この冬は感染状況が落ち着いてきているという。日本国内では夏と冬に流行する周期性が見られたが、この冬は「第12波」は来なかったという。代わった猛威を振るったのは、治療法が確立されたインフルエンザであった。

5年前の今頃、日本国内ではマスクが不足し、買い占め騒動が起きた。感染が拡大する度に鎮痛剤や解熱剤などの医薬品も不足した。当初は、感染の有無を判別するPCR検査体制が脆弱であった。ベット数は諸外国に比べて多いのに、医療が切迫した。充実していると言われる医療体制も、パンデミックという「有事」には対応できなかった。

ワクチン開発も遅れ、主に米国から調達し対処したものの、莫大な国費を使った。

グローバル化や地球環境の危機とともに新規の感染症が出現する頻度は増している。次の新たな感染症が出現する頻度も増加している。今こそ、国や学術会はこれまでの国内のコロナ対策を総括的に検証すべきであろう。😷✒️📕📗💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> トランプ時代と公衆衛生危機」から

2025.3.16  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> トランプ時代と公衆衛生危機」から

マスクをするのはあくまでも個人の自由とするリバタリアン(自由至上主義者)

コラムの著者 矢野 寿彦(日本経済新聞社 編集委員)によると、個人の命や健康を守ろうとする医療と違って、社会の健康を守ろうとうるのが公衆衛生の世界である。個人と社会の利害が一致すれば何ら問題は生じない。だが、時には両者の間にズレが生じると軋轢となる。第2次トランプ政権の厚生長官ロバート・ケネディ・ジュニア氏はワクチン反対派である。長官指名直後からワクチン接種は「個人の自由」とし、ポリオや麻疹のような半ば義務付けで集団免疫を獲得し、感染症を社会から排除する施策には反対している。

○新型コロナウイルスのパンデミック時にマスクを拒んだ第1次トランプ政権

矢野氏によれば、この冬、猛威を振るったのは新型コロナウイルスではなくインフルエンザだったという。2020年からめっきりかかる人が減り、インフルエンザに対する社会への免疫力が下がったからだとされている。

マスクに、咳エチケット、入念な手洗い、人混みを避けるといった新型コロナウイルスの感染拡大で強いられた公衆衛生対策は、インフルエンザには効果覿面であったようだと矢野氏は語っている。

これがもし、日本政府が国民に対策を強要したらどうなるかと考えると、個人の命や健康を守ろうとする医療tお公衆衛生とのズレが生ずる。5年前の米国がまさにこの状態であった。第1次トランプ政権ではマスクを拒んだ。ロックダウン(都市封鎖)にもかかわらず感染爆発が頻繁に起こり、多くの死者や犠牲者が出た。

第2次トランプ政権では、ワクチン接種は「個人の自由」とし、ポリオや麻疹のような半ば義務付けで集団免疫を獲得し、感染症を社会から排除する施策には反対しているロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官が就任している。さらに公衆衛生の要と言える世界保健機構(WHO)からも離脱する。一義的には、この離脱の背景は、過去WHOがコロナ禍の時中国寄りの対応を示したことからへの嫌悪感からきているとされているが、そもそも世界が協力して疾病予防や防衛に尽くす公衆衛生的な思想と相容れないと見える。

新型コロナウイルスの感染拡大は良くも悪くも公衆衛生の存在感を社会に示した。さらにその大切さも痛感した。一方で、究極の個人の権利である健康に国家や社会がどこまで口を挟むのか、いまだに解を得ていない。😷🏢🔥🌳🎓💡💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「東大入試数学、AIが合格水準」から

2025.3.16  日本経済新聞の記事「私見卓見:東大入試数学、AIが合格水準」から

推論モデルで進化し、教育にも影響が

コラムの著者 越川 智瑛氏(日本経済新聞社)によれば、AIは東京大学の入試問題の数学を「合格レベル」で解けるほどになったという。これまで他の科目に比べ数学は苦手なAIであったが、推論モデルの導入でモデルを論理思考に変えて成績を上げた。また、関係者の競争原理で大規模な投資が進み、スケーリング則と呼ばれる学習データの量を増やし、計算量も増やし、AIモデルのパラメーター数を増やすことでLLMの性能が大幅に改善してきているという。

◯合格ラインを超えたというより上位合格者のレベルになった

越川氏によれば、米オープンAIのo1モデルなど「推論モデル」が2024年9月以降相次いで登場し、従来とは異なるアプローチを身につけて状況が一変した。国立情報学研究所の新井紀子教授が「o1は東大合格者のレベルに達したと言っていい」というほど進化した。o1は2025年2月の東京大学2次試験の理系数学だけでなく、過去の難問とされる問題もほぼ解けそうだという。

2024年2月時点ではCharGPTでは東京大学の入学試験問題で数学には歯が立たなかった。それが数学などの論理的思考を必要とする課題の解決に特化した推論モデルの登場によって、1年で大飛躍した。同様のことが米国数学オリンピックの予選「AIME」の問題の正解率をみても大幅にこの1年で進化したことが示されているという。

なぜ推論モデルが高い成績を出せるのかは十分に明らかになっていないという:

  • 「強化学習」:正しい推論をこなった場合に報酬を与える
  • 「思考の連鎖」:課題を段階的に分けて解く
  • 計算量の増加:推論にかける時間を増やし計算量を増やす

などの組み合わせ技術が技術向上につながるという。

AIが急速に進化する中で、大学の入試や教育は変革を迫られそうだという。AIを不正に利用しやすい試験や課題では、公正な成績評価や効果的学習が難しくなる可能性がある。自力で学びたい学生の成績がAIを使った学生よりも不利なことになりかねないからである。🧠📈👦👶🏫💬👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> 教員の半数、研究費60万円以下」から

2025.3.9  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews> 教員の半数、研究費60万円以下」から

自由な発想の芽摘むな

日本の科学研究や研究開発が昨今振るわなくなった理由に、研究費が少ないことを指摘する声がある。コラムの著者 草塩拓郎氏(日本経済新聞社)によると、GDPに占める大学や公的研究機関、企業の研究開発費の割合は、2022年度で米国と同水準で、EUより7割高い。となると、日本全体の研究費が少ないとは言えない。だが、大学に限っては事情が違うと草塩氏は指摘している。

○「相対的に研究費の乏しい地方の国立大学などでは研究ができず、次世代も育てられない」

こう述べるのは、日本学術会議が2023年、個人研究費に関する報告書をまとめ、その作成に関わった愛媛大学の相田美砂子監事の言葉である。草塩氏によれば、約50人を対象にした2019年の調査で、約6割が「10年前に比べて個人研究費が減っている」と答えているという。さらに、「基盤的な研究費は競争的に得るものではなく、100万円程度の個人研究費を一律に分配すべきだ」とも提言している。

日本政府は2004年に国立大学を法人化した後、人件費などに充てる運営交付金を削り、優れた研究に配分する「競争的資金」を増やした。この2つの資金を組み合わせる仕組みが重要とされた。法人化後、研究費不足を訴える声も出たが、大学教員が個人で使う研究費の調査は遅れていた。文部科学省は2024年12月に個人研究費の状況をようやくまとめた:

  • 教員が個人で使途を決める研究資金は合計3652億円。(大学の学部に所属する約17万人を対象。2018年の調査で公表した2017年のデータを分析)
  • 統計上の全研究開発費の1割強。
  • 配分の半数は個人研究費が「60万円以下」で2割強が「0円」。「200万円以下」が8割を占める一方、「1000万円以上」が4%。
  • 個人研究費の77%が上位2割の教員に集中。

競争的資金の採択率は低く、間口が広い科学研究費助成事業でも2割で推移し、研究費不足にな悩む若手も少なくない。

法人化は大学が新しい学科やポストを置き、企業と連携することを促すのが狙いであった。だが、日本政府の財政難もあり、研究を支える仕組みが損なわれた面が否めないと草塩氏は指摘している。同氏は、当初の理念に立ち返り、自由な発想の研究者を支える仕組みを再構築すべきだと提言している。☀️🏢🔥🌳🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「グローバルオピニオン:技術革新の担い手育成、今こそ」から

2025.3.6   日本経済新聞の記事「グローバルオピニオン:技術革新の担い手育成、今こそ」から

HECでは「考える」「教育する」「行動する」を重視

コラムの著者 インゲ・ケルクロ・デヴィフ氏(仏HEC経営大学院 イノベーション&アントレプレナーシップ研究所上級エクゼクティブ・ディレクター)によれば、産業競争力を強化するには生産性の向上とイノベーションが必要だという。今は何もしないという選択肢はないという。産業再興のチャンスでもあり、担い手の育成が欠かせない。

◯気候、AI・機械学習、CO2の除去、宇宙、次世代コンピューティングを事業化を加速するテーマに選定

デヴィフ氏によれば、HECではディープテック(先端技術)はビジネススクールだけでは取り扱えないため、理工学科学校(エコール・ポリテクニーク)と共同で修士コースを設定し、「考える」、「教育する」さらに「行動する」を重視しているという。

特に、気候、AI・機械学習、CO2の除去、宇宙、次世代コンピューティングにはアクセラレーション・プログラム(事業化加速プログラム)を設置し、成功率を上げているという。

技術の進展は高速で、応用法も変化がはげしい。だが、起業への道筋や基本的な方法論は変わってはいないという。事業の立ち上げだけでなく、規模の拡大まで想定し戦略を立てる。その際、「実践を通じて学ぶ」姿勢も重要である。製品やサービスの試作や試行、失敗時の対応策などを実地に即して考えさせる教育も行う。その結果は年間500以上のスタートアップ企業が誕生し、3年後の事業継続率は約85%だという。13社がユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)に達した。

近年の若年層の意識も大きく変わってきたという。これまで金融機関やコンサルティング会社への就職希望者が多かったが、HECの卒業生の約25%が最初から起業家を目指している。🪚💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇫🇷