科学

【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「中外時評:『異種の競技』と理解せよ」から

2024.9.25  日本経済新聞の記事「中外時評:『異種の競技』と理解せよ」から

能動的サイバー防衛は思い込みを捨て攻撃側のモチベーションと手法の把握から始まる

コラムの著者 土屋 大洋氏(日本経済新聞社 客員論説委員)は米国の初代サイバー軍司令官でありNSA長官であったキース・アレグザンダー陸軍大将が提唱したチームスポーツ同様の連携の必要性を示すが、現実の攻撃はスポーツはおろかルールのない予測不能なものであることを解説している。

○現実のサイバー攻撃はスポーツのようなルールはない

土屋氏によれば、アレグザンダー氏は、サイバー防衛にはサイバー軍とNSAだけでなく、国防総省の関連組織、その他の政府組織や民間企業とも協力が必要だと説いた。

確かに米国ではチームスポーツとしてアメリカンフットボール、野球、バスケットボールなどがポピュラーだが、米国がサイバー攻撃の発信源として名指しにするのは、中国、ロシア、北朝鮮、イランの4カ国で、これらの国からの攻撃が、米国でポピュラーなスポーツをイメージするような動きやルールにとらわれてはいないはずである。確かに、サイバー防御をチームで対応すれば結束を図る努力がなされるだろう。実際の敵との交戦では、チームスポーツのようなルールは無用の状況である。攻撃側は身元を隠し、国旗を見せるといったこともない。

国連総会でもかつて政府専門家会合を数回開き、サイバー攻撃戦の国際規範を作ろうとしたが、ロシアのウクライナ戦争で頓挫した。現在のサイバー戦は、異種格闘技ならぬ異種チームスポーツ戦の様相であるという。防御側はチーム内で連携して対抗するが、敵チームはどんなスポーツ、ルールを採用しているかもわからない。必要なことは、攻撃側の意図やモチベーション、攻撃手法を把握することであるという。これも能動的サイバー防御の1つであるという。💴🏢🏠💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇰🇵🇨🇳🇷🇺🇺🇸🇷🇺🇮🇷


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:気候変動、健康被害を注視せよ」から

2024.9.25  日本経済新聞の記事「私見卓見:気候変動、健康被害を注視せよ」から

気候変動は環境から健康問題へ顕在化

コラムの著者 菅原 丈二氏(日本医療政策機構 副事務局長)によれば、2023年に開催されたCOP28では気候変動が健康に与える影響について深刻な懸念が表明され、気候・健康宣言を採択したという。宣言文では、国際社会における健康と気候変動の相互作用への認識を深め、国際的な協力を促進することが提唱されているという。環境省の報告書でも、感染症の増加、栄養失調、熱中症、メンタルヘルスなどが懸念され、日本はさらに高齢化社会と自然災害の影響を大きく受けることからも健康リスクの範囲も多岐にわたっている。菅原氏は、その内容について言及している。

○プレネタリーヘルスの概念の導入で健康への包括的な対策が求められる

菅原氏によれば、気候変動は、これまで主に環境問題として捉えられてきたが、今や健康分野にも多大な影響を与えることがわかってきた。すでに国際社会でも気候変動と健康の関連性に関する関心が高まっていると、菅原氏は語る。

COP28でも宣言文で気候変動と健康の相互作用への認識を深め、国際的な協力で対策を講ずることを促している。日本国内においても気候変動の影響により、65歳以上の熱波による死亡が2000年から2004年の期間と比較して57%増加すると、医学雑誌ランセットでも著されている。環境省の報告書では、感染症の増加、栄養失調、熱中症、メンタルヘルスなどが懸念されている。少子高齢化と自然災害大国の日本では健康のリスクは他国に比べて高く、多岐にわたり、対策も急を要すると、菅原氏は指摘している。

日本政府も、国際的な枠組みでイニシアティブを取るべき時に来ている。このような状況下で、5月に開催された「第77回世界保健総会(WHA)」で「気候変動と健康」が主要な議題となった。特に、気候変動に対する保健医療システムのグリーン化や、脱炭素社会に向けた日本の取り組みが注目されている。さらにSDGsには地球環境との共生を目指す「プラネタリーヘルス」の概念が盛り込まれた。ここにきて対応も地球規模の包括的なものが求められている。💬👦👧☀️🌪️🌀☁️☔️💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:世界驚かせ大谷選手の偉業」から

2024.9.22  日本経済新聞の記事「社説:世界驚かせ大谷選手の偉業」から

大谷選手の活躍は日本の次世代の育成を考える上でのヒントになる

米大リーグ、ドジャーズの大谷翔平選手がシーズン「51本塁打、51盗塁」を達成した。これはメジャー史上初の大偉業で、「40本塁打、40盗塁」でさえ、到達したのは大谷選手を含めて6人しかいない。偉業を讃えるとともに、社説によれば、大谷選手の挑戦心、向上心が夢を持つ子ども達を勇気づけているという。突出した才能が世界で活躍できる環境づくりに向けた道標にもなると示唆している。

○つまづきを許容する寛容さも大切

社説が語るように、大リーグ7年目となる大谷選手の今シーズンは順風満帆とは言えない状況からスタートしている。ドジャーズへの移籍という環境の大きな変化。肘の手術で投打の「二刀流」を一時的に断念することになった。さらに3月には元通訳の違法賭博問題が発覚した。

しかし、大谷選手は、心中にある不安や重圧を抱えながらも、それを感じさせない活躍である。変わらぬ謙虚な人柄と笑顔も人々を魅了し続けている。大谷選手が今年目標にしていたプレーオフへの進出も決まった。たとえ野球ファンでなくても引き続きエールを送りたい人である。

大谷選手の活躍は、日本の若年層の人材育成を考える上で人になると社説では示唆している。現在の日本の学校教育は学力などの格差が小さいが、個性や長所を伸ばす素地に乏しい。「ギフテッド」と呼ばれる特異な才能がある子ども達が学校教育に適応できず、悩みを抱えるケースもあるという。

スポーツだけでなく、一人ひとりの興味関心に応じて科学技術や文化活動に取り組める環境を増やさねばならない。つまづきを許容し、気づきを与える寛容さも大切であろう。広い世界に挑む積極性も育成すべきであろう。主要国中、調査によれば日本の高校生の「内向き志向」は顕著だという。海外留学や進学を後押しする奨学金制度の拡充など環境整備が必要である。そして多様な人々の中で切磋琢磨し、成長を続ける。スーパースターの背中から学ぶ点は多いと、社説では言及している。⚾️🎤🪐🚀💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:研究システムに必要な国際評価」から

2024.9.19  日本経済新聞の記事「私見卓見:研究システムに必要な国際評価」から

先進科学立国の諸外国も国際評価の政策で活性化

コラムの著者 永野 博氏(政策研究大学院大学客員研究員)によれば、日本の科学技術・イノベーション基本計画が2026年度から第7期に入るが、次期の計画を立てる前に、これまでの計画の実施状況の評価から始める必要があるという。

○翻訳AIが発達し国際評価で行う英語での手間が軽減

永野氏によれば、国家レベルの政策の評価は複実で簡単ではなく、評価を自国内で行なって本質的な課題に触れることができるのかといった問題もあるという。各国政府は、国家間の競争が激しくなる中で、より安全で幸せな国民生活を実現するために適切な進路を指し示す政策の策定にしのぎを削っている。そこで優れた政策の立案のためには国外からの客観的な政策・システム評価が求められることになる。

研究システムの国際評価を受けて成功した事例としてドイツがある。ドイツは東西ドイツ統合後、研究を含め国全体の活動が低迷していた1990年代末に、基礎研究や産学連携について国際委員による委員会を設置して評価を進めた。評価の結果、マックス・プランク学術振興協会と大学の関係が遊離しているので協力すべきだという提言がなされ、ドイツの研究活動の活性化につながったという。

現在、評価を行う国際組織として、経済協力開発機構(OECD)の活動が挙げられると永野氏は語る。OECDは依頼のあった国の科学技術・イノベーション政策の評価を行い、提言を公表する活動を継続している。スウェーデンやドイツもすでにOECDによる評価を受け、提言に基づいて、各国政府の研究投資の最適化や変革を成功させるための迅速なアプローチなどの改革に取り組んでいるという。

しかし、日本国はこれまで評価する能力が国内に十分にあるとして、国際的ではなく国内の人材が評価活動を行なっている。だが、研究開発力の低下が指摘されている今こそ、外部の目で第3者から研究システム全体の評価を行うべきではないのかと永野氏は提言している。これまで国際評価の公用語は英語で、翻訳の手間がかかるが、AIによる翻訳などで大幅に改善される。永野氏は日本の研究開発力の向上のために、国際評価が必要だと強調している。💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇩🇪🇸🇪


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>科学と哲学に歩み寄りの兆し、境界越えて対話を」から

2024.9.15  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>科学と哲学に歩み寄りの兆し、境界越えて対話を」から

科学技術だけで新しい社会基盤を築いていけるのか

コラムの著者 永田 好生氏(日本経済新聞社 シニアライター)によれば、細分化し専門性を高めた科学技術の色々な局面で、「哲学」の視点を取り入れて議論を深める動きが盛んだという。永田氏は、北海道大学で2019年に設立された人間知・脳・AI研究教育センターの事例を挙げて、科学技術の最前線で哲学がブームになっていることを示している。

○NTTも2023年一般社団法人「京都哲学研究所」を設立

永田氏によれば、近年は人工知能(AI)の研究が急速に発展し、人間の知能とは何かという根源的な問いを突きつけられることで、本質を突き止めようとする哲学の手法が科学技術をさらに前進させようとしているという。

北海道大学の人間知・脳・AI研究教育センターもセンター長を兼務する田口茂教授によれば、文部科学省の「卓越大学院プログラム」に応募しようと検討していた時に哲学や心理学といった人文社会科学と脳神経科学、AIの3分野が交差する学際的な研究と教育に注目したという。田口教授の自らの経験で、数学者やロボット研究者らと交流を深め、新しい視点で論文を発表できたことがあるという。各分野の専門家らを学内外で公募し、徐々に体制を整えた。やがて当初は期限付きの組織であったが、2024年には常設の研究組織に移行した。設立時に目指していた成果を積み重ね、学内で評判を確かなものにした結果である。いまは、「研究で成果を出し、独創的な人材を各方面に送りだしたい」と田口センター長は抱負を語っている。

光を軸に新しい社会基盤を築いていけるのかという問いにNTTでは2023年、京都哲学研究所を設立した。代表理事は、京都大学の出口康夫教授である。出口教授とNTTは対話を始め「新しい社会基盤には新しい思想・哲学が必要だという共通認識に至ったという。

確かに「目指すべき価値は何か」も大きな課題であるが、多様な世界に正解となる唯一の価値はないという。「本当の幸せとは何か」も同様な課題で、世界各地に息づく伝統に基づく様々な幸せがある。そこにはそれぞれとの交流と議論を通じて、同研究所は独自の提案を出したいといている。👩‍🎓🎓💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵