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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:研究システムに必要な国際評価」から

2024.9.19  日本経済新聞の記事「私見卓見:研究システムに必要な国際評価」から

先進科学立国の諸外国も国際評価の政策で活性化

コラムの著者 永野 博氏(政策研究大学院大学客員研究員)によれば、日本の科学技術・イノベーション基本計画が2026年度から第7期に入るが、次期の計画を立てる前に、これまでの計画の実施状況の評価から始める必要があるという。

○翻訳AIが発達し国際評価で行う英語での手間が軽減

永野氏によれば、国家レベルの政策の評価は複実で簡単ではなく、評価を自国内で行なって本質的な課題に触れることができるのかといった問題もあるという。各国政府は、国家間の競争が激しくなる中で、より安全で幸せな国民生活を実現するために適切な進路を指し示す政策の策定にしのぎを削っている。そこで優れた政策の立案のためには国外からの客観的な政策・システム評価が求められることになる。

研究システムの国際評価を受けて成功した事例としてドイツがある。ドイツは東西ドイツ統合後、研究を含め国全体の活動が低迷していた1990年代末に、基礎研究や産学連携について国際委員による委員会を設置して評価を進めた。評価の結果、マックス・プランク学術振興協会と大学の関係が遊離しているので協力すべきだという提言がなされ、ドイツの研究活動の活性化につながったという。

現在、評価を行う国際組織として、経済協力開発機構(OECD)の活動が挙げられると永野氏は語る。OECDは依頼のあった国の科学技術・イノベーション政策の評価を行い、提言を公表する活動を継続している。スウェーデンやドイツもすでにOECDによる評価を受け、提言に基づいて、各国政府の研究投資の最適化や変革を成功させるための迅速なアプローチなどの改革に取り組んでいるという。

しかし、日本国はこれまで評価する能力が国内に十分にあるとして、国際的ではなく国内の人材が評価活動を行なっている。だが、研究開発力の低下が指摘されている今こそ、外部の目で第3者から研究システム全体の評価を行うべきではないのかと永野氏は提言している。これまで国際評価の公用語は英語で、翻訳の手間がかかるが、AIによる翻訳などで大幅に改善される。永野氏は日本の研究開発力の向上のために、国際評価が必要だと強調している。💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇩🇪🇸🇪


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:日本発エンタメ、世界射程に」から

2024.9.18  日本経済新聞の記事「社説:日本発エンタメ、世界射程に」から

エミー賞で「SHOGUN 将軍」がドラマ部門など18冠

米テレビ界で毎年優れた作品を選ぶエミー賞で、日本の戦国時代を描く時代劇で、俳優やスタッフとして多数の日本人が参画し、今回の栄冠に輝いた。社説によれば、日本のエンターテイメント界の人材や技術の厚みを示したという。社説では世界市場を射程に入れたコンテンツ産業の育成に日本政府や企業も力を入れるべきと示唆している。

○韓国では学校の整備など人材育成に力を入れている

社説では、この作品は主演男優賞に選ばれた真田広之氏がプロデューサーも兼ね、日本人の価値観や美意識などを作品にきちんと反映させたという。インターネット動画では玉石混交の中で、本物志向をで高品質な作品づくりは見た人の心を捉えたのではないかと社説では示唆している。

国内のコンテンツ制作業界も、世界に通用する作品づくりに挑んで欲しいところである。この作品の制作は世界規模のネット配信会社で潤沢な資金と市場を持っている。制作業界の関係者もネット配信会社の環境は魅力的に映るだろう。日本の制作企業としては、海外出身者を含めた多様な人材の登用、普遍的なテーマを持つ企画の選定、作品に見合った俳優の起用などがキーであろう。

日本政府としてもコンテンツ産業を輸出産業として一層支援を含め伸ばすべきで、韓国の先例があるように人材育成に力を入れ、世界での活躍を目指したい。💴🎤🪐🚀💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵🇺🇸🇰🇷


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「核心:『幸福なる少数』を増やそう、輸出立国を諦めない」から

2024.9.16  日本経済新聞の記事「核心:『幸福なる少数』を増やそう、輸出立国を諦めない」から

海外との取引は企業に新しい知見と情報を与え、パフォーマンスを向上させる

コラムの著者 西條 都夫氏(日本経済新聞社 上級論説委員)は、シェイクスピア作の「ヘンリー5世」にある「我々は少数だが、だからこそ名誉の分け前が増える」と兵を鼓舞する王の演説に登場する「幸福なる少数(The Happy few)」を引用して、多くが自国内に留まっている商材が外国に普及することは稀であることを示している。日本企業では更に輸出のほとんどが大企業に偏っている傾向があり、裾野は決して広くない。西條氏はそこに展開の余地があると指摘している。

○輸出額の上位10%を合計すると97%という大企業の寡占状態

西條氏によれば、神事直人京都大学教授らの2023年の論文「輸出入申告データを利用した日本の国際貿易の実態の検証」を引用して、輸出額上位1%の企業が輸出全体に占める割合は75%に達し、英国の42%、ドイツ59%、フランス44%に比べて極めて寡占的であることがわかった。輸出額の上位10%を合計すると97%という大企業の寡占状態で、ほんの一握りの巨大企業が日本発の輸出を牛耳る体制である。

円安なのに、日本の輸出が振るわなかったのも、このような寡占状態で主力のプレーヤーや品目が代わり映えしないのでは、海外市場を新たに開くマインドが全体的に低調だったと言えそうであると西條氏は指摘している。

だが、このような状態の中でも変化の予兆があるという。待望久しい新たな「輸出財」の誕生である:

  • アサヒビールの「スーパードライ」が韓国でインバウンド連動で輸出が好調
  • ソニーの音楽:2人組ユニットのYOASOBIの「アイドル」は日本語の楽曲で初めてビルボードのグローバルチャート(米国除く)で首位になった。

などがある。日本はかつて輸出立国を自称したが、GDPに対する輸出額の比率は他国に比べ高くなく、まだまだ余地がある。さらに「海外との取引で企業は新たな知見や情報を得ることができ、さらに企業自身のパフォーマンスを上げることが、実証されている」と、先の神事教授が示唆している。♩🎼♪🚗🚢💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇰🇷


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>科学と哲学に歩み寄りの兆し、境界越えて対話を」から

2024.9.15  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>科学と哲学に歩み寄りの兆し、境界越えて対話を」から

科学技術だけで新しい社会基盤を築いていけるのか

コラムの著者 永田 好生氏(日本経済新聞社 シニアライター)によれば、細分化し専門性を高めた科学技術の色々な局面で、「哲学」の視点を取り入れて議論を深める動きが盛んだという。永田氏は、北海道大学で2019年に設立された人間知・脳・AI研究教育センターの事例を挙げて、科学技術の最前線で哲学がブームになっていることを示している。

○NTTも2023年一般社団法人「京都哲学研究所」を設立

永田氏によれば、近年は人工知能(AI)の研究が急速に発展し、人間の知能とは何かという根源的な問いを突きつけられることで、本質を突き止めようとする哲学の手法が科学技術をさらに前進させようとしているという。

北海道大学の人間知・脳・AI研究教育センターもセンター長を兼務する田口茂教授によれば、文部科学省の「卓越大学院プログラム」に応募しようと検討していた時に哲学や心理学といった人文社会科学と脳神経科学、AIの3分野が交差する学際的な研究と教育に注目したという。田口教授の自らの経験で、数学者やロボット研究者らと交流を深め、新しい視点で論文を発表できたことがあるという。各分野の専門家らを学内外で公募し、徐々に体制を整えた。やがて当初は期限付きの組織であったが、2024年には常設の研究組織に移行した。設立時に目指していた成果を積み重ね、学内で評判を確かなものにした結果である。いまは、「研究で成果を出し、独創的な人材を各方面に送りだしたい」と田口センター長は抱負を語っている。

光を軸に新しい社会基盤を築いていけるのかという問いにNTTでは2023年、京都哲学研究所を設立した。代表理事は、京都大学の出口康夫教授である。出口教授とNTTは対話を始め「新しい社会基盤には新しい思想・哲学が必要だという共通認識に至ったという。

確かに「目指すべき価値は何か」も大きな課題であるが、多様な世界に正解となる唯一の価値はないという。「本当の幸せとは何か」も同様な課題で、世界各地に息づく伝統に基づく様々な幸せがある。そこにはそれぞれとの交流と議論を通じて、同研究所は独自の提案を出したいといている。👩‍🎓🎓💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:マスク氏、ミサイル級に危険」から

2024.9.13  日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:マスク氏、ミサイル級に危険」から

X(旧ツイッター)の所有でマスク氏は世界に向けた巨大な拡声器を手に入れた

コラムの著者 ギデオン・ラックマン氏(FINANCIAL TIMES チーフ・フォーリン・アフェアーズ・コメンテーター)は、今までの億万長者や大企業のトップと違って政治的論争に距離を置かず、自分の力を目立たせない方法ではなく、打って出る起業家イーロン・マスク氏に焦点を当て、そのリスクについて語っている。

○予測不可能な形による紛争への介入は世界情勢を一変しかねないリスク

ラックマン氏によれば、7月に米大統領選挙で共和党候補でトランプ前大統領を支持すると表明し、8月12日には自身が所有するSNS「X」で一般公開の形でトランプ氏と対談をしたという。一方で、ブラジルの最高裁判所と8月30日に同国内のサービス停止を命じられたことで激しく対立している。8月上旬には、英国で反移民と反イスラムを主張する極右の暴動が相次ぐと、物騒なことに「イギリスは内戦が避けられない」とXに投稿している。確かにXをマスク氏は所有することで、世界に向けた巨大な拡声器を手に入れた。同氏は、さらに宇宙企業スペースXや同社の衛星通信サービス「スターリンク」、電気自動車(EV)大手の米テスラを統括している。

問題のリスクはマスク氏の予測不可能な形での国際紛争への介入である。2022年2月にロシアがウクライナ侵略を始めた最初の狙いの1つにインターネット通信の遮断があったという。マスク氏は、ウクライナにスペースXが展開する衛星通信サービス「スターリンク」へのアクセスを提供したことで、ウクライナ軍は危機的状況下で戦闘を継続できたという。ところが、2023年9月になると、ウクライナのスターリンクへのアクセスを制限するようになった。ウクライナ軍がクリミアにいるロシア軍を攻撃しようとする試みを妨害するためだったと言われている。この判断はマスク氏によると第3次世界大戦に発展するリスクを抑えるためだとし、ロシアの要求を取り入れた和平案を彼は後押ししたとして、ウクライナ政府のマスク氏への評価を大きく下げることになった。

マスク氏と現在の米政府との対立が明確になったのは、対中国政策にあったという。テスラは上海に大規模な工場を2019年開設している。これは将来の主要技術で中国を抑え先んじるという戦略の後退を意味している。米バイデン政権は中国ではなくインドへの分散を望んでいたが、マスク氏はインド訪問を直前に中止し、北京を訪れ、中国との関係を強化している。

マスク氏は言論の自由を絶対視し、世界の指導者であっても批判するのを厭わない。ただ、その対象が中国にまでは広がっていないとしている。ただ、各国政府はマスク氏の言論や行動には細心の注意を払うが、彼が持ち合わせていない力として法律を作り、執行する立法権がないことを知っている。マスク氏がこの事実を認識することから、ブラジルや英国、EU、米カリフォルニア州および彼を邪魔しようとする全ての人に、憤慨しているのかもしれない。📲🚀🏢💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸🇨🇳🇷🇺🇺🇦