ウェブ・技術

【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>温暖化対策嫌うトランプ政権」から

2025.2.2  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>温暖化対策嫌うトランプ政権」から

気象・気候データ喪失に懸念

コラムの著者 安藤淳氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、想定されたこととはいえ、トランプ政権で発足早々、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱手続きを開始する大統領令を発効した。中国に次、世界2位の温暖化ガス排出国である米国が抜ける衝撃は大きい。さらに危惧されるのは、米国の気候関連情報の収集・公開が停止する事態であるという。

○明確な気候関連の組織が縮小ないし廃止される方向性

安藤氏によれば、すでに第1期トランプ政権の際に今回の懸念はあったという。それは杞憂に終わらず、気候変動に関連した多くの情報が政府のウェブから消滅していることから分かるという。大勢の優秀な科学者が退職に追い込まれた。

第2期新政権では、環境保護局やエネルギー省のトップに石油業界との距離が近いとされる人材を起用している。異を唱える官僚は排除する姿勢を鮮明にしている。気候関連の組織が縮小ないし廃止される方向性は明確である。

これに対して科学者で組織する団体などが対応を急いでいる。「憂慮する科学者同盟」は科学の独立性を維持し科学者を守り、科学者の知見を提供する機関の廃止や移転に反対するように米議会に求める公開文書を作成した。5万人を超える署名を得たという。

どの国でも政府が持つ豊富な科学データはあらゆる政策に不可欠のものである。気象・気候のデータが自由に使えなければ、温暖化の影響解析や将来予測の精度が下がる。🎞️🏠🏢🔥🌳🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:中国発AIの波及と実力を見極めたい」から

2025.1.31  日本経済新聞の記事「社説:中国発AIの波及と実力を見極めたい」から

コストを抑制し高性能なAIとの発表だが競争原理の変化と権利侵害の疑惑も

社説によれば、中国の金融業界出身の梁文鋒氏が2023年に設立したスタートアップ、ディープシークが米中で話題になっているという。同社は、1月20日に最新のAI基盤モデルを発表、先行する米オープンAIに匹敵する性能を実現したと主張している。さらに開発コストを抑え、高性能な半導体を使わずに機能向上を行なってると報じている。コラムは渦中のディープシークについて分析している。

○コスト低減は同社のみならず多くの関心を集めている。

社説によれば、中国のAI開発企業、ディープシークがICT業界や株式市場で波紋を広げているという。コストを低減し、性能は高い生成AIを開発したと発表し、開発競争の前提が大きく変わるとして、注目されている。

コスト削減はこれまで高価な最先端半導体を大量に使い、多くのデータを読み込ませ機械学習させるのが一般的であった。だが、資金力が限られ、最新の半導体の利用に制限がある中国のスタートアップが技術を高めたとあると、これまでの前提が崩れることになり、AI向け半導体大手の米エヌビディアの株価が急落した。

ディープシークに対しては米オープンAIの技術を不正に利用し、情報保護の体制も不備があるといった指摘が出ている。注目すべきはコスト削減をしたという技術である。ディープシークの発表では、誰でも自由に使えるオープンソースの基盤モデルを活用することにより、研究開発費を抑制したとしている。こうした取り組みは生成AIの課題である電力使用量の抑制にもつながる。コスト削減の技術は同社に限らず、今後多くの企業が挑戦してくる領域でもある。

中国に対する向き合い方も再考の余地がある。ディープシークの動きが、中国への最先端半導体の供給を制限することで開発の遅延をおこすことにはならなかったことを意味する。日米は、中国への技術封じ込めの戦略を安全保障の面からも再考しなければならない。✒️📕📗💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵🇺🇸🇨🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:学術会議は国際連携を強化せよ」から

2025.1.29  日本経済新聞の記事「私見卓見:学術会議は国際連携を強化せよ」から

他の国際ネットワークのインナーサークルに入り科学と政治、社会とのイニシアティブを

コラムの著者 有本 建男氏(国際学術会議フェロー・政策研究大学院大学客員教授)は、日本学術会議が4年にわたる議論を経て法人化の方向性が決まったが、将来の活動として国際的な学術ネットワークと連携してイニシアティブをとるべきと提言している。

◯日本学術会議が福島原子力発電所事故後の「科学者の行動規範」を改訂して世界から注目

有本氏によれば、ここ数年、国際学術会議、政府科学樹源国際ネットワーク、国際科学フォーラムなどの科学技術学術政策の様々な国際ネットワークは、政治、軍事、国際経済、科学技術が大きく変動する中で、研究開発や政策策定の方法、科学技術外交、研究セキュリティー、AIなどの技術の推進、温暖化対策などの議論を行なっているという。

だが、この議論に日本学術会議は取り残されているのではないかと危惧している。例えば、日本学術会議が福島原子力発電所事故後の「科学者の行動規範」を改訂して世界から注目されたこともある。さらに行動規範のアップデートを時代に合わせて改訂していかねばならない。この作業プロセスの中に地域を含めた多様な関係者で、科学者の在り方、科学と政治と社会のコミュニケーション、科学的助言の方法を開発・実践していく必要があろう。

日本の念願として科学技術の向上とエネルギー・食料・市場確保のためにも、国際ネットワークの強化、国際頭脳の循環が必須事項である。少なくとも日本学術会議も国際ネットワークのインナーサークルに参加して、共創を推し進め、プログラム作成に貢献すべきだと有本氏は提唱している。🧪👦👶🏫💬👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「生成AIが問う『声の権利』、無断動画が横行、俳優ら懸念、不競法で保護の議論も」から

2025.1.27  日本経済新聞の記事「生成AIが問う『声の権利』、無断動画が横行、俳優ら懸念、不競法で保護の議論も」から

「AIカバー」動画投稿があふれている

コラムの著者 瀬川奈都子氏、渋谷高弘氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、生成AIの普及で、人声の権利を保護するために議論が活発になってきているという。AIに無断で学習された声が意図していない利用が行われたり、仕事を奪ったりすることで声優などが懸念していることがきっかけとなっている。権利保護とイノベーションを両立させることの模索が始まっているという。

○声の保護に関する法改正は海外が先行

コラムの著者らによれば、生成AIの発展で急増した動きを、俳優らは懸念をしているという。2024年11月、日本俳優連合など3団体が以下のルールを求めて記者会見を行ったという:

  • 生成AI音声を吹き替えで使わない
  • AIに声を学習させる際には本人の許可をとる

現状、日本国内の法律で声の保護を目的としたものはない。また裁判所の判例もほとんどない。

一方、東京地方裁判所の中島基至判事が、知財訴訟の担当から論文で「人声権」という法的概念を展開している。人声権は人格権に由来する権利だという。さらに、現行法の解釈だけにとどまらず、事業者間の公正な競争の確保が目的の不正競争防止法の改正が現実的だとする動きもある。

ただ、不正競争防止法の改正によっても同法の罰則規定があり、イノベーションを阻害するとも考えられる。海外では、エンターテイメント産業が盛んな米国や韓国で立法が日本よりも先行している。この縛りとイノベーションの位置付けが重要で議論すべきところとなろう。🎤🏢🔥🌳🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>ロス山火事が示す防災の課題」から

2025.1.26  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>ロス山火事が示す防災の課題」から

都市計画の視点が重要

コラムの著者 青木 慎一氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、米ロサンゼルス市の山火事は1月7日に始まり24日まで200平方キロメートル以上の土地や家屋が燃え、死者・行方不明者は50人に上るという。米気象情報サービス会社アキュウェザー社によればその経済的損失は2750億ドル(約43兆円)と見積もっている。しかもまだ鎮火されておらず被害が拡大するという。

○無秩序に広がった街や住宅地をコンパクトにする都市計画が必要

青木氏によれば、直接の山火事の原因はカリフォルニア州南部に冬場の乾いた強風が海に向かって吹きやすく、少ない雨の場合、小さな火種でも急速に燃え広がりやすいからだという。さらに、山火事が激化した要因は地球温暖化による気候の変化があるという。国際研究グループ、クリマメーターは1950年〜1986年と比べると現在(1987年〜2023年)は1日の降水量が3ミリ減り、風速は時速5メートル強まっているという。

また人災と思われる要因もある。カリフォルニア州をはじめ米国では山火事による被害が大きくなっているのはかつては手付かずの森林や草原だった地域に多くの人々が移住しているからで、低木が広がる地域や草地も乾燥すると燃えやすいという。山火事のリスクが高い地域にある住宅件数は米国全体で1990年の約3000万戸から2020年には約4400万戸に増加している。西部に多く、1600万戸を超す住宅が高リスク地域にあるという。2010年〜2020年の10年間だけでも、カリフォルニア州で24万4000戸増えている。

米カリフォルニア大学サンタバーバラ校のマックス・モリッツ客員教授の分析では、「問題の解決には都市計画を通じて対処する必要がある」と指摘している。建物を耐火煉瓦で覆ったり、樹皮が硬くて燃えにくい植物を植えたり、樹木や低木を刈り込んで家屋から遠ざけるなどの対策が必要だという。さらに幅の広い道路や公園、農地などの「緩衝地帯」を整備すれば、乾燥した植生などの燃料が少なくなるため、延焼を食い止めるのに役立つという。

温暖化によって極端な気候が増え、大きな自然災害が多発するだろう。発生が予想される災害から住民を守るには、建物だけでなくコミュニティー全体で対策を練る必要がある。無秩序に広がった街や住宅地をコンパクトにすることが欠かせない。特に人口減少が進む日本国内では、防災、減災の観点から都市のコンパクト化を考えねばならない。🎞️🏠🏢🔥🌳🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸🇯🇵