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【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:民主主義の再生促す経済学賞」から

2024.10.17  日本経済新聞の記事「社説:民主主義の再生促す経済学賞」から

国家間の明暗を分けたのは第1次産業革命

2024年のノーベル経済学賞はダロン・アセモグル氏(米MIT教授)ら3人への授与が決定した。社説によれば、受賞理由は、国家が繁栄するかどうかは幅広い政治参加や経済的な自由に根ざす「包括的な制度」の有無にかかっているとデータで実証したことだという。裏返してみれば、民主主義の本質的な価値を理論で示したことになる。

○欧州諸国の植民地時代からの経済成長をデータで理論分析

社説では、スウェーデン王立アカデミーは「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」を理由にダロン・アセモグル氏(米MIT教授)ら3人を選んだという。同研究で3人は、欧州諸国の植民地支配の時代のデータを幅広く分析した。

  • 「収奪型社会」:支配層が一般市民から搾取する「収奪型社会」では経済成長は長く続かない
  • 「包括的社会」:政治や経済面での自由や法の支配を確立した「包括的社会」であれば長期の成長を促す

以上を理論的に解明した。この研究の興味深いことは、経済成長が社会制度に支配されていることを理論的に実証したことである。さらに国家間の明暗が第1次産業革命を契機として急激に拡大した点も興味深い。イノベーションの成果は幅広い人々に恩恵が及ぶ社会のもとでこそ定着するという視点である。

一連の研究成果は、世界の課題や望ましい政策を検討する上で有意義である。例えば、中国の経済は高度経済成長を経て、現在苦境にあり、強権的な政治体制と経済の変革を長く両立させる難しさをこの理論では示している。さらにダロン・アセモグル氏らが懸念しているのは、民主主義の危機である。近著ではSNSが社会の分断を助長する現象や、人工知能の恩恵を一般の国民にまで広がらないリスクもある。まさに民主主義の各国は、いまこそ、真の包括的な社会の実現に向けての対策が必要だろうと社説は示唆している。🥇✒️📕📗💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵🇺🇸🇸🇪🇨🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(4)、習慣化の理由は人間の特性」から

2024.10.17   日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(4)、習慣化の理由は人間の特性」から

社会的報酬を求める人間の持つ特性をソーシャルメディアが顕在化させる

コラムの著者 佐々木裕一氏(東京経済大学教授)は、前回に引き続きソーシャルメディアの持つ特性で人間が利用を習慣化する背景について考察している。

○利用頻度を高め、滞在時間を伸ばすソーシャルメディアの戦略

佐々木教授によれば、ソーシャルメディアの利用が長くなる理由に、人間が社会的報酬を求める存在であると述べている。他人から褒められ、感謝されれば自分の存在意義を感じるからだという。学術的研究でもソーシャルメディアにセラピー効果があると報告されている。

さらに佐々木教授は、その他の理由にソーシャルメディアにある「アーキテクチャー」の存在があるという。ここでいうアーキテクチャーとは、人の行動を制御するプログラムが作るネットワークサービス上の情報環境という定義で、我々の行動をアーキテクチャーが制御しているという。それに、「ついついしてしまう行動」が習慣化するアーキテクチャーも内在している。

さらに商用的にソーシャルメディアは、利用者の利用頻度を高め、滞在時間を延ばすようにアーキテクチャーが内在している。一方で、このような人間の弱さに付け込まないサービス開発の必要性を訴えている米国の団体もあると、佐々木教授は述べている。🛜💬📱👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(3)、予測した未来と異なる現実」から

2024.10.16   日本経済新聞の記事「やさしい経済学:ソーシャルメディアの光と影(3)、予測した未来と異なる現実」から

組織から個人が情報発信できるウェブ2.0の時代

コラムの著者 佐々木裕一氏(東京経済大学教授)は、前回に引き続きソーシャルメディアの歴史を追いながら、まずその光と影について語っている。

○マスメディアの圧倒的な優位性が揺らぐ

佐々木教授によれば、2005年以前はソーシャルメディアはサブカルチャーの扱いが多かったが、ECやインターネット広告などのビジネスチャンスが広がると利用者は増え、コピー型投稿から、マルチメディア(静止画、動画、音声など)が共有される時代に移ったという。

情報配信として絶対的優位性を持っていたマスメディアから企業や組織、コミュニティーが自身のメディアが持てるウェブ1.0に移行し、さらに進化して個人が低コストで情報発信できるというウェブ2.0に移っていった。情報の「個人の時代」が始まったのである。

社会の透明性が上がり、個人が触れることができる情報量が格段に増大したことは佐々木教授によればソーシャルメディアの光の部分だという。そこでは予想された薔薇色の未来ではなく現実は次のような特徴をもったソーシャルメディアであった:

  • 熟議よりも動員: 各国の言語の違いはあるが、かつては個人による冷静な意見の交換やより深い交流が想定されていた。ソーシャルメディアは熟議を通しての、民主的な合意形成の基盤になると考えられていた。しかし、ソーシャルメディアは熟議よりも動員が得意で、スマートフォンが全盛な今は、「瞬間的な動員」となった。まさに2021年の米連邦議会議事堂襲撃事件はその象徴となってしまった。
  • 大衆化と情動:ソーシャルメディアの急速な普及の帰結は、悪意ある者の偏在という事態であった。繰り返し極論を触れ周り、詐欺などの犯罪に巻き込もうとする。さらにソーシャルメディアでは動画の取り扱いが増え、理性よりも情動がより優勢な場と変質した。
  • 経済格差の広がりや政治的主張の対立:ソーシャルメディアは格差の拡大や対立を深める要因となっている。

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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>博士が輝く日本への方策、研究者の専門性生かせ」から

2024.10.13  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>博士が輝く日本への方策、研究者の専門性生かせ」から

学生が不安定な雇用を嫌い博士課程進学を避ける傾向

日本は博士号を持つ人材が活躍しにくいとされているという。コラムの著者 草塩 拓郎氏(日本経済新聞社)によれば、国立大学の法人化で若手研究者の雇用が不安定になり、学生が博士課程への進学を避ける風潮が強まっているという。人口100万人あたりの博士号取得者は2021年に日本は126人、米国や英国、ドイツの4割程度にとどまっているという。欧米では増加傾向であるのに日本は2010年度から4%減少した。草塩氏はその背景について考察している。

○日本の企業や大学が相変わらずゼネラリストを求めることも要因

科学研究や産業の高度化が進むと深い専門性や知識を持つ博士人材の活用は必須だと言われている。草塩氏によれば、文部科学省の科学技術・学術政策研究所が9月に公表した博士課程修了者の仕事に対する満足度調査を分析すると、人材の活かし方が見えるという。

調査では、2012年度に35歳以下で博士課程修了者の企業、大学、行政分野で働く人の仕事に関する満足度を、1年後から6年半後の3時点でサンプリングしている。研究と仕事の内容がどの程度合致しているかを、「強く関連」「やや関連」「関連なし」の3グループに分類した。結果は、研究と仕事の合致が大きいほど、満足度が高いものとなった。

懸念は、調査結果で就職後の時間の経過とともに満足度が下がっていく傾向にあった。博士人材が輝きを失う理由について、調査を行った研究官によると「日本の企業や大学はゼネラリストを育てる傾向が今も強い」と指摘している。年齢を重ね昇進するときに、専門性が高い研究職を離れて管理職に移り、満足度が下がる。欧米のように年齢を重ねても研究者として活躍できる制度が必要だという。

確かに国立大学の法人化で、若手の研究者に任期付きの雇用が広がった。だが不安定な雇用環境は不満を生む可能性もある。今回の調査で、職務の条件についても満足度を見た。任期付きのポストに就いた人の満足度は3年半後で任期の定めがない人よりも13%低かったという。ただし、6年後には有意な差はなかったという。専門性が深められる時間があれば次のポストにつきやすいからだという。

若手の活躍の場を広げるには大学だけでは受け皿が不十分である。経済団体連合会も2月に博士人材の活躍を目指す提言を公表し、専門性を活かすジョブ型雇用の拡大を打ち出した。今後は企業の人材活性がポイントとなろうと、草塩氏はみている。🧬🩻💊👩‍🎓🎓💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:『陰謀論』に取り込まれるな」から

2024.10.14   日本経済新聞の記事「私見卓見:『陰謀論』に取り込まれるな」から

批判の矛先を見極め、情報源を見極めよ

「陰謀論」は「一般には知られていない秘密だけれど…」といった、自分たちだけが真実を知っているような言説が飛び交う。科学的な根拠がないものが多く含まれ、反証不可能なことが多く、真偽を見極めるのは難しいとされる。コラムの著者 若宮 和男氏(メタバースクリエーターズ代表)は、陰謀論のついての対応策について語っている。

○意見の同質性は危険

若宮氏によれば、陰謀論には盲信したり、全否定することではなく、適切な距離を持つことが対応策だという。陰謀論の危険性を避けるにはいくつかのポイントがあるという:

  • 批判の矛先を見極めろ
    • 批判自体、自分も含めて批判の対象にする。自己批判を含まない他者批判だけの情報では危険であるという。他社のみを否定すると自分には防衛的な言説となり、結果として「自分は正しい」という自己満足と思い込みで盲信してしまう。
  • 情報源を見極めよ
    • 陰謀論、ゴシップ、スキャンダルが危険な方向に進むのは、情報源が又聞きで1次情報でないことが多い。自分が実体験していないことや、1次情報に当たらず聞き齧った情報だけが1人歩きする。誰かの発言から、自分の考えを補強する一部のみを取り上げて、都合の良い情報に歪曲することもある。
    • 陰謀論が無責任に広がるケースは1次情報でないと自覚して、それを拡散している人がどのくらい1次情報に基づいているのかを注意深く見れば、多くの危険は回避できる。
  • 閉鎖性に注意せよ
    • 心理的に人間は閉鎖空間にいると妄想に陥りやすい傾向にある。閉鎖性は正常な判断を失わせる危険な条件である。エコーチャンバー現象で、自分と同じ意見だけが反射されて繰り返され、増幅される。フォロー、ミュート、ブロックといったSNSでの効能は、情報空間における閉鎖性を助長することがある。
    • ある主張を持つコミュニティーで意見の同質性が高くなったり、異なる意見を聞く耳を持たないと感じたら危険信号である。

VUCAの時代、人間は陰謀論に取り込まれやすいことを意識しておこうと若宮氏は警告している。🛜💬👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵