【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:ファームトゥテーブル、輸送のCO2を最小に」から 

2023.6.21  日経産業新聞の記事「トレンド語り:ファームトゥテーブル、輸送のCO2を最小に」から

サステナビリティー時代に対応できるのは工業化以前の小さな経済圏か

コラムの著者 岩崎 博論氏(武蔵野美術大学教授)は、米国ミシガン湖畔にある「グラナーファーム」と滋賀県彦根市にあるクラフトビール醸造所「彦根麦酒(ヒコネビール)」の地産地消の事例を挙げ、持続可能な社会は工業以前の地産地消の小さな経済圏が重要ではないかと考察している。

◯地産地消よりよりスケールの小さなファームトゥテーブル

岩崎教授によれば、持続可能性(サステナビリティー)への配慮を背景に物流における脱炭素が注目され、フードマイレージの概念も生まれてきたという。食品の輸送に対する環境負荷を「重さ×距離」で可視化することで消費者にCO2排出の少ない食品流通の選択を促す動きである。

究極のフードマイレージが、今回岩崎教授が紹介するファームトゥテーブルである。それは、農場(ファーム)で採れた食材を同じ場所に設けたテーブル(食卓)で提供するというコンセプトだという。

米ミシガン湖畔の「グラナーファーム」は最新の形態だという。厳しい寒さに耐えられる大きな温室と、収穫した食材を提供するレストラン。ショップやイベントスペースもあり、イベントや買い物もできるというスポットになっている。

一方、国内では滋賀県彦根市にあるクラフトビール醸造所の「彦根麦酒」は目の前で育てた大麦とホップを使ってビールを醸造する。まさに、ファームトゥテーブルのコンセプトどおり、その場で試飲もできるという。

こうした生産と消費の場を直結したファームトゥテーブルは、地元で採れた素材を使って消費するという地産地消がごく自然に進められたものである。このような小さな経済圏が地球を救うのではないだろうか。🍺💻📳🍂🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:スーパーマーケットにも訪日外国人、ブランド評価高める好機」から 

2023.6.16  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:スーパーマーケットにも訪日外国人、ブランド評価高める好機」から

SNSなどで海外への情報発信も可能に

コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授・英スターリング大学訪問研究員)がインバウンド需要で外国人が体験したいが、不便やリスクのある地元スーパーマーケットでの販売について考察している。

○訪日外国人が購買体験したいがリスクのある地元のスーパーマーケット

 横山教授によれば、日本は東京五輪・パラリンピックの招致をきっかけに世界に対して「おもてなしの国」を主張し、大部分において快適な状況にあると言えるという。訪日外国人が立ち寄る飲食店には写真付きのメニューや食品サンプルがあり、外国語のメニューもある。礼義正しい、対応が迅速かつ正確といった意味でおもてなしを超えて外国人の不便を解消しようとしている。

その一方で、外国人訪問者が不便を感じる場所もまだまだあるという。その1つが地元のスーパーマーケットである。これらのスーパーマーケットは基本的に近隣住民の日常生活で買い物する場所なので、日本語表記が基本である。販売している商品のメーカーも自社製品を日本語で表記している。

最近の外国人旅行者は、観光地だけでなく、日本人が日常生活を送る場所で同じことを体験することを求めている。それが異文化体験であるからである。だが、そこで困ったことがある。

  • 1つは身体に取り込む商品である食料品や化粧品のような商品の購入場面である。アレルギーなどの健康問題や宗教や主義による禁忌などが関わるから問題となる。多くは事前に情報を得て深刻な状況に陥らないように調べていく。
  • 一般の旅行者や外国人居住者では、ベストでない商品を購入しても深刻な事態には陥らないが、商品の選択を誤ると、不便や不満を感じることになる。そんなとき、ビジュアルな情報は貴重で、現物を確認しながら、外国語表記あるいは自国言語で表記されるサイトにQRなどで誘導することは有用だろう。

このような表示によるおもてなしは自社ブランドの評判を上げる可能性もある。SNSが海外でも有用であることから、対応の良し悪しがそのまま自社ブランドの評判になる。DXで各メーカーも外国語対応はさほどコストのかかることでないので、対応しない手はないと横山教授は示唆している。🎁🍌🧅🥬🌽🍅🛒🧺🦠🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:『もう一つの谷』の物語」から

2023.6.13  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:『もう一つの谷』の物語」から

シリコンの谷ではない農業の谷の物語

コラムの著者 フィル・キーズ氏(米インタートラストテクノロジーズ ディレクター)は、地球温暖化の影響か、米カリフォルニア州では天候不順で旱魃や大型台風による洪水で被害を受けることが多くなったという。あおりは、シリコンバレーのお隣で南方のSalinasという谷間の地域で深刻な農業被害に見舞われているという。

◯テック業界が立ち上がる前は、シリコンバレーも農産地だった

 キーズ氏によれば、カリフォルニア州は10月から4月が雨季であるが、ここ数年間、雨不足による旱魃被害や台風の大雨と強風で洪水やビルの窓ガラス被害などが起きているという。地球温暖化が目に見える形で現実となっているという。

嵐は、シリコンバレーの南のSalinas地域に大きな被害をもたらし、特に全米にレタスとイチゴの重要な産地であるという。シリコンバレーもテック企業が進出する前は、農産地であったが、テック企業が密集し始めると農業の中心地は、Salinas地域に移動した。

今回の台風の被害は深刻で、農産物の被害以前に堤防の決壊による洪水で町全体が水没してしまった。約2800人の住民の避難が必要で、農業従事者が多い。農業被害は、収入減につながり、今後の収穫にも影響を与えてしまう。

さらに、Salinas市の中心にあるHartnel College はアグリテック中心の起業プログラムを推進している。農業被害は、支援にも響き、さらに対象となる農業自体が厳しい中でのスタートアップとなればさらに状況は厳しいと言える。🚜🥬🍓📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:ディスカウントストア、プロ野球と似た体験、提供」から 

2023.6.9   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:ディスカウントストア、プロ野球と似た体験、提供」から

楽しさと落胆が混在する感情の起伏が鍵

物価高でディスカウントストアの存在感が増えているという。コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)によれば、ディスカウントストアは新型コロナウイルス禍における密を避けてのまとめ買いや物価高対策の手段として選択されている。手段としては食品スーパーや総合量販店との差はないはずなのにその違いは、顧客の感情や満足度にあるという。

◯テーマパークやプロ野球観戦と似た顧客経験

ディスカウントストアは大量に仕入れたナショナルブランド(NB)商品を低価格で販売するだけでなく、割安なプライベートブランド(PB)によって品揃えによって自主性を打ち出している。店舗も郊外立地が多く、広大な駐車場でまとめ買いをするには都合よくできている。

小野教授によると、JCSI(日本版顧客満足度指数)調査の「顧客満足度」の過去10年の推移を見てもオーケー、コストコ、トライアル、ドン・キホーテといったディスカウントストア系のチェーンが食品スーパーマーケットや総合量販店を常に上回っている。物価高における節約手段なら食品スーパーマーケットや総合量販店でも機能的には変わらないのにJCSIでは異なっている。どうやら、「近くにあるから便利」、「PBが増えた」「クーポンが使える」「まとめて買える」といった顧客の合理的な評価には支えられているが、それだけでなく、「見ているだけで楽しい」「初めて見る商品」「米国を感じる」「常に同じ売り場にあり安心」といった驚き、楽しさ、ワクワク感、安心といった感情的な評価も反映していると、小野教授は分析している。

広大な店舗を歩きまわる「宝探し」の感覚を味わうこともディスカウントストアの大事な顧客価値であると、顧客の感情経験を定量的に調査した感動指数(JCSI調査2022年度)で、倉庫のような大きな店舗で日本では見かけない商品なども扱うコストコが調査対象の小売業のうち飛び抜けていることからも裏付けられているという。一方で、接客を始め、顧客が不満を感じることも多いため、楽しさと落胆が混在することも多い。テーマパークやプロ野球観戦と似た顧客経験がそこにはあるのだろう。🧺🏬🛒🥢🍜🍔☕️🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:持続可能な機内食、満足度との両立、試行錯誤」から 

2023.4.21   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:持続可能な機内食、満足度との両立、試行錯誤」かから

脱炭素や乗客によって影響を受ける機内食

航空各社は、燃費の向上と脱炭素の取り組みとして、持続可能な空の旅を模索しているが、コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)によれば、機内食までも変革を余儀なくされているという。

◯顧客満足度と持続可能性の両者を狙う改善が必要

 小野教授は、機内食の質と量、持続可能性を考慮した上でさまざまな工夫を凝らしているという。事例をシンガポール航空で小野教授は考察している。

機内サービスで定評のあるシンガポール航空は日本路線のエコノミークラスの機内食でまず、トレーを2018年5月から従来の大きさから3分の2に、皿数も減らした。さらに機内で再加熱する料理は陶器から溶けにくいプラスチック製の軽量なものへ、さらに短距離便では紙製を使うようになった。

食材や食器、カトラリーの重量は座席の数だけ減れば燃費向上にも繋がり、一般的にはコスト削減にように見える。だが、それだけではなく、機内食のフードロス対策が必要だという。

客層が男性客中心の時代では「豊富なメニューで残るぐらいが良いサービス」という価値観で機内食を提供してきた。ところが客層も若い女性など新たになるにつれて、炭水化物の食べ残しが目立つようになったという。フードロスを減らすために、従来はパンとそばを同時に出していたが、和食と和食以外に分けて変革を重ねているという。

同社がビジネスクラス以上の導入していた予約時にメニューが選べる仕組みもCS(顧客満足度)を上げるだけでなく、余分な在庫を減らす努力である。中にも機内食は不要を選択できるところもある。

味や量の好みは個人に依存し、国籍や民族、宗教も異なる乗客に数少ないメニューで対応する機内食の開発はもともと難易度が高いという。また機内食は空腹を満足させるだけでなく、空の旅を楽しむ乗客にとっては非日常の体験で、それをデザインする視点は重要である。持続可能性とともに満足度を上げ、従来とは異なる価値観で機内食を提供しなくてはならない。各航空会社の挑戦は続く。✈️🛫🥢🍜🍔☕️🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡🇯🇵🇸🇬