映画

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:『私塾』同人雑誌で遊学を」から

2024.3.22  日経産業新聞の記事「Smart Times:『私塾』同人雑誌で遊学を」から

後半生にも挑戦したい私塾連動型雑誌

コラムの著者 久米 信行氏(iU情報経営イノベーション専門職大学教授)が師匠と仰ぐ橘川幸夫氏の興味あるコミュニティーや同人会の試みについて語っている。

○師匠の橘川幸夫氏の極私的雑誌「イコール」

久米教授によれば、橘川氏は、ロッキングオン創刊メンバー、投稿だけで構成された伝説の雑誌ポンプ創刊の編集長であるという。雑誌からパソコン通信、インターネットへと媒体(メディア)は進化したが、参加型社会の到来を誰よりも早く予言した人だという。個人が発信する情報のつるばで自ら受発信して多彩なネットワークを紡いできたという。

そこで不思議なのは今更紙の雑誌を発刊するのかという点である。大学生は雑誌を読まず、いつもスマホ。雑誌マニアであった久米教授も昨今はタブレットで飛ばし読みになっている。半年ほど前に新雑誌発行の構想を聴いたのは、ネット公開対談の最中だったという。その後橘川氏から久米教授に「久米信行と映画を語る会みたいな感じで進めたい。映画についての思い出を600文字くらいで書いてくれませんか」との依頼が突然舞い込んだという。驚いたのはその依頼対象が、長らく久米教授が扱ってきた経営・ICT活用、自己啓発ではなく、映画について書けと言われたことだという。確かにかつて名画座や最近はサブスクで年間100本の映画を観てお勧めの映画について語ってきたという。それを師匠の橘川氏は見逃さなかった。

久米教授は言われたまま原稿を投稿すると新雑誌「イコール」の目次が送られてきて仰天した。目次から商業雑誌の出版会議で絶対通らないような執筆陣と連載内容であったという。有名無名を問わず老若男女の奇人達人が勢ぞろいし、好き勝手を語るカオスの状況である。発行人が読みたいと思う人だけを集めた極めて私的な「雑」誌であった。まさに師匠の橘川氏の脳内マップにようであった。また興味深いのは、「イコール」を通じて読者参加の書き手の私塾になっているところである。さらに、歓送会などがネット上でコミュニティーを作り、それが紙の雑誌のネタになる循環ができるところである。印刷費はクラウドファンディングで集め、原稿料は雑誌10冊。フリマなどで転売もOKで、読者の輪を広げて行く方法である。

久米教授も今後の半生をこのような私塾連動型の極私的なわがまま雑誌を創刊して地方で暮らしていきたいそうである。📕📃🏙️💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『ドラマ敗戦』からの復活」から

2024.2.26 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『ドラマ敗戦』からの復活」から

貧すれば鈍すの状況からでも制作者や脚本家の人材で復活も不可能ではない

コラムの著者は、日本国内のドラマの隆盛と衰退について触れ、最近のドラマ業界の復活の可能性について考察している。

○1970〜1980年以降失われた30年はドラマ業界も同じ

コラムの著者によれば、1970〜1980年には昨年亡くなった山田太一氏の脚本がドラマ業界の質的ピークであったという。中流家庭の崩壊を描いた「岸辺のアルバム」(1977年)、障害者問題に切り込んだ「男たちの旅路・車輪の一歩」(1979年)、学歴差別を浮き彫りにした「ふぞろいな林檎たち」(1989年)など名作が多いという。そのいずれも不条理で受け入れ難い世の中や社会の風潮に訴えながらも、説教調ではなくエンターテイメント作品に仕上げ、視聴者が楽しんだ。

バブル崩壊後の「失われた30年」は家電、半導体、ICTといった分野でけでなく、「ものづくり力」として韓国、台湾、中国にドラマのコンテンツも後塵を拝することになった。動画配信サービスが全世界に普及した近年、グローバルな訴求力のある韓国ドラマの制作費は日本国内と1桁上回るという。貧すれば鈍すというべきではないが、予算も人材育成も乏しい日本国内のドラマ業界では、一段と逆風が吹いている。

しかし、今年の最近のクール(1〜3月)のラインアップは、社会性を意識した作品が目立っているという。コンプライアンス偏重社会を皮肉った「不適切にもほどがある!」(TBS)は娯楽性もある作品である。「厨房のありす」(日本テレビ)は自閉スペクトラム症を扱っている。これからの「ドラマ敗戦」からの復活のキーが、制作者や脚本家にあると、コラムの著者は指摘している。🏙️📺💥💡☀️📱📕👝👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️👚👔🧤💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵🇰🇷🇹🇼🇨🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:コンテンツ海賊の次の標的」から

2024.2.20  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:コンテンツ海賊の次の標的」から

コンテンツのコピー防止策だけではもはや防げない違法行為

コラムの著者 フィル・キーズ氏(米インタートラストテクノロジーズ マネージャー)によれば、これまでのコンテンツ著作権侵害といえば一般的にコンテンツの違法コピーであったが、AI時代にはコピーが不要な時代となり、より違法性を問うことが難しくなってきているという。

◯無断でAIが作成するコンテンツがストリーミングされ違法な取引となる

 キーズ氏によれば、今までは生演奏の違法コピー版がレコードからストリーミング・ビデオのファイルの違法ダウンロードまでと「コンテンツ海賊」の主流は違法コピーであった。しかし、AI時代に入ると、そっくりな人物をAIが作成する「ディープ・フェイク」と呼ぶコンテンツが問題となっている。例えば、世界的に有名なTaylor Swift氏のフェイク写真がSNSにばら撒かれた事件が米議会で話題になるほどである。ディープ・フェイクだけではコンテンツ海賊の商売にはならない。確かに話題にはなるが違法な収入を得ることは稀である。

それよりも、有名なアーティストの作品を似せてAIによってあたかもそのアーティストが作成したような「新しい」コンテンツとして流布することで収益を得ることである。例えば、Ghostwriterと呼ぶ人物がAIを使ってDrakeやThe Weekendという米国の有名なアーティストを真似て、Heart on My Sleeveという曲を作成してネットに流した。Ghostwriterはこの曲をGrammysにノミネートした。歌手ではなく作曲者としてのノミネートである。このような場合、誰が著作者なのか。

VR(仮想現実)にもコンテンツ海賊が出没しているという。報道によると、オランダ反著作権違反団体、BREINはVRChatとよぶVRアプリ上でコンテンツ海賊が違法行為をしていると2023年11月に明らかにしている。BREINによれば、VRアプリ内に違法コピーされたコンテンツがストリーミングされているという。問題は、今後AIを使った正式なコンテンツもVR世界(メタバース)に出現する可能性もあるので、どちらが違法かグレーでであればコンテンツ海賊が暗躍する可能性もある。

メタバースが発達すると、許可を得ずしてアーティストの画像や音声コンテンツからAIを使って、今までになかったコンテンツを生成し、流すことができる。もはやコピーは不要なので、これまでの違法コピー防止策は役立たない。消費者や反著作権違反団体にわかりやすい形で、AIが生成したコンテンツが違法か否かがわかる技術の開発が必要になると、キーズ氏は示唆している。👓🎵🎞️🍿🚌🔍👚👔💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:『視聴率の進化』」から

2023.12.28  日経産業新聞の記事「WAVE:『視聴率の進化』」から

生活者にメディアの接触が多様化で変わる視聴率の範囲

コラムの著者 加治佐 康代氏(ビデオリサーチ取締役)によると、12月22日は「視聴率の日」で1962年同氏が勤務するビデオリサーチ社が日本初のテレビ視聴率レポートを発行した日であるという。テレビ視聴率はテレビ広告の取引の共通指標や番組制作・編成の参考資料となる他に時代や流行を映す鏡とも言われている。生活者の生活様式の多様化に伴って視聴率の適用範囲も変化してきた。加治佐氏はその歴史を語っている。

◯生活者の「見る」行為を観測

 加治佐氏によれば、デバイスや配信技術の普及や発展でテレビ番組は「いつでも」「どこでも」見れるものに変化し、生活者もその利便性を享受している:

  • 「いつでも」:従来の録画視聴に加え、ビデオ・オン・デマンドサービスが普及。
  • 「どこでも」:スマートフォンやタブレット経由での動画視聴が定着。移動中や入浴中でも視聴ができる。インターネット接続するコネクティッドTVの普及でTVerやNHK+、ネットフリックス、YouTubeの配信コンテンツもテレビ画面で視聴できる

つまり、インターネットの接続環境がコロナ禍などでさらに進み、コンテンツ自身もプロコンテンツ以外に一般ユーザーによるコンテンツが急増して視聴の分散化はさらに進んでいる。

ここにきて視聴率の守備範囲はさらに広くなっている。視聴率の測定手法やデータも時代とともに多様化・進化を遂げ、リアルタイムの視聴率だけでなく、録画における視聴率や視聴人数のデータも多岐にわたり、視聴デバイスでの動画配信プラットフォームの実態を把握すべく、視聴率測定領域を拡張する取り組みも進めている。自宅内の放送視聴と動画視聴の同条件での分析を可能にし、メディア毎の視聴傾向やそれぞれの視聴実態、生活者の視聴行動や特徴を明らかにすることができるようになった。

視聴率は単なる数字ではなく、生活者個人の「見る」行為の積み重ねで、さまざまな分析が試みられ課題も多いが、同社の生活者を「見る」行為の観察・分析は続くという。📺📱📉📈💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:AI、コンテンツ業界の要」から

2023.12.26  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:AI、コンテンツ業界の要」から

自動的に好きな音楽を推薦することは意外に難しい

音声や動画コンテンツ市場からのストリーミング市場へのシフトが止まらないという。コラムの著者 フィル・キーズ氏(米インタートラストテクノロジーズ マネージャー)も自宅勤務の時は音楽ストリーミングサービスの大手スポティファイで音楽を楽しんでいる。最近同社が自動DJ機能を追加したが、AI技術を使ってコンテンツを推薦する機能である。さてその出来具合は?

◯ユーザーに可処分時間内で欲しいコンテンツを推薦することはTPOの影響を受けて複雑

 キーズ氏は、ストリーミングがユーザーがいつでも気楽に楽しめる点で受けているという。だが、それは豊富なコンテンツを楽しめるようになると、今楽しみたいコンテンツを選ぶことに苦労するという別の問題が出てくる。これは、市場調査にも現れており、米Nielsen社の2023年5月のデータでは、視聴者は動画コンテンツを見る前に、何を見るかを決める時間が10.5分かかるという。2019年では7.5分であった。動画コンテンツ業界が恐れているのは視聴者の20%は動画を途中でやめてしまって別のことをすることだという。

では選択するために自動的に推薦するのはどうか。つまり、視聴履歴からこんなコンテンツはいかがというやり方である。だが可処分時間が短いときにはこれでは物足りない。つまり、動画コンテンツを想定した時、現在ユーザーはどんな端末を利用しているのか、テレビなら、テレビの前に何人いるのか、数人なら子供は何人?さらにジャンルは?というとかなり複雑な条件となる。

そこでAIを使ってコンテンツを推薦することがストリーミング音楽や動画のサービスに利用されている。確かに、音楽ストリーミングサービスの大手スポティファイもAI技術で自動DJ機能を追加したが、キーズ氏は「まだ足りない」というのが感想である。それは時間帯や日々の生活習慣に合う音楽を選択する機能である。ただ、これからは機能はさらに進化するだろう。🎻🪈🎸♬🎶🎵🚌🔍👚👔💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵