音楽

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:芸術団体に無税引当金を」から

2023.5.24  日経産業新聞の記事「SmartTimes:芸術団体に無税引当金を」から

危機管理のために芸術団体に収支相償の原則の改善を

コラムの著者  久米信行氏(iU情報経営イノベーション専門職大学教授)は、自ら評議員として公益財団法人の活動で目的の遂行の際に課題があることを指摘している。

○感染症や地震、金融危機などがスポンサーや顧客離れを引き起こす

 久米氏は芸術文化を普及する公益財団法人の参画しながら、その経営について危惧を抱いている。日本は他の先進国に比べ、政府の文化支出が少ないという。2020年度の文化庁調査では、

  • 日本政府の国民1人当たりの文化支出額は992円
  • 世界一の文化大国フランスは7029円
  • 文化輸出を進める韓国は6705円

と寂しい状況である。文化芸術に関わる公益法人の経営も厳しい。日本国や地方自治体の後ろ盾があるか、大手メディアが支援する団体を除けば、過酷な経営環境である。多くの団体が少子高齢化の進行で、過当競争に晒されている。財団の基本財産を運用しようとしても、長引く低金利で運用益などは望めない。

コロナ禍で多くの公演が中止となり、制限緩和後も海外からのアーティストは来日できず、演目の変更が余儀なくされた。感染予防のため座席数の半減が求められ、チケットのキャンセルも相次ぎ、収支両面で打撃を受けた。

ようやくアフターコロナとなってファンの力でスポンサーや顧客の寄付で持ち堪えた状態である。今後、首都圏直下地震や世界的な金融危機、再度感染症が広がるなどが起これば長期公演の中止となってしまう。リスク管理を考えるが、公益法人には危機に蓄え毎年少しずつ資金を蓄える仕組みがない。利益を内部に溜めず、公益目的事業に当てるべき財源を最大限に活用し、無償・格安でサービスを提供する収支相償の原則があるからである。そこで久米氏の主張は事業収益の一定割合を毎年無税で積み立てられ、危機の時だけ取り崩せる「危機対応引当金」を設定することである。

インバウンド需要も回復に向かい集客力もある芸術文化の火を守る公益財団法人と、自助努力を支える引当金制度が不可欠と思われる。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:接続性向上が開く新世界」から

2023.5.18  日経産業新聞の記事「WAVE:接続性向上が開く新世界」から

インターネットが技術や情報へのアクセスを大衆化させたように接続性向上が体験へのアクセスを大衆化する

コラムの著者  鹿島 毅氏(エリクソン・ジャパンCTO)は、バルセロナで2月〜3月に開催されたモバイルワールドコングレス(MWC)に出展社として参加して実感したことが、コネクティビリティー(接続性)の向上がこれまでに無い新しい体験を生むことを示唆している。

○我々の視野と選択の自由を与える

 鹿島氏によれば、展示会場には拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を使った多くの事例が示され、「ホログラフィック通信」や「ハプティクス通信」による遠隔操作の進化の可能性と社会へのインパクトを感じたという。

ちょうど、インターネットが技術や情報へのアクセスを一般化させ普及し、大衆化した現象が、無限のコネクティビリティーと拡張現実が人々の体験へのアクセスを大衆化させるのではないかと期待しているという。

その最も期待が高いものの1つとして、鹿島氏はスポーツ業界を挙げている。コネクティビリティーの向上でスポーツの視聴者も新しい参加方法を提供することも可能となり、今後大きく進化するという。

まず、コネクティビリティーの向上でデータ処理の多くはネットワーク側で行え、より小型で長時間利用可能なデバイスを通じてデータにアクセスできるようになるという。アスリーツは、これまで見られなかったデータをリアルタイムで分析でき、自分の成長やリハビリテーションを強化することができるだろう。また、一般のスポーツ愛好家もデータをリアルタイムで共有し、仮想的な競技に参加したり、実世界と同じようなコミュニティーやチームワークの感覚が得られるという。

スポーツと同様に物理現実と仮想現実の融合から恩恵を受ける最も有力な分野はゲーム業界だという。ゲームプラットフォームを使った体験の進化として、体験を他人と共有したいという感覚がゲーミフィケーションの需要を生み出すと鹿島氏は予想している。🏈⚽️🎮💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ヒットするアニメの方程式」から

2023.3.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ヒットするアニメの方程式」から

「製作委員会方式」から「タイアップ方式」の出資方式の変化も影響

コラムの著者が取り上げているのが、2022年10〜12月に放送されたアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の大ヒットの仕方について考察している。

○「けいおん!」に似てはいるが本格的な動画制作が特徴

 コラムの著者によれば、「ぼっち」は原作漫画の知名度は低く、女子高生の日常系バンドもので大ヒット作「けいおん!」と似ていることもあって、事前の期待値は低かったという。

しかし、実情は、尻上がりに人気が出てヒットチャートの上位を占めるようになったという。

「けいおん!」と似ているのはテーマだけでなく、主人公が作品中に演奏する楽器が品薄になり、劇中曲がヒットチャートの上位を占めるなど「売れ方」も似ているという。「けいおん!」と同様に原作が4コマ漫画なために間を繋ぐオリジナルシーンを制作しなければならない。そこにも「原作愛」があるコンテンツで、好評である。

違いは、「けいおん!」では演奏シーンが比較的少なかったが、「ぼっち」ではモーションキャプチャーなどを駆使してプロフェッショナルの演奏家の動きを取り込み、動画を手書きした。「初ステージで緊張して息が合わない」演奏も音楽的表現で演奏体験者から納得のいくコンテンツ作りが行われているという。

これまで、「ぼっち」はこれまでの「製作委員会方式」ではなく、「鬼滅の刃」の成功もある制作会社が出版社と組んで裁量権や制作費を持つ「タイアップ方式」で今回の成功に導いたという。📺📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:データー市場の非対称性」から

2023.2.16   日経産業新聞の記事「WAVE:データー市場の非対称性」から

データの品質保証への提案

コラムの著者 辻中 仁士氏(ナウキャストCEO)は、ミクロ経済の入門コースで紹介される「市場の失敗」を例として、「レモン市場」を取り上げ、データ流通の市場にも応用できないかと考察している。

○売り手の圧倒的有利が不正を招く

 「レモン市場」とはレモンの皮が厚くて、外見から中身がわからないことから、生産コストが高い、高品質な商品が市場から駆逐され、低品質な商品が出回る、と言う構図を示す。

辻中氏によれば、データの流通市場にもまさに「レモン市場」的な側面があると言う。同氏の経験ではデータには品質の高低が明らかに存在すると言う。例えばスマホの位置情報では欠測値があったりスマホのホルダーの状態、サンプル数の大小などでデータの精度にばらつきが生じる。

このような状況でもデータの売り手は買い手には対して圧倒的に情報優位性を持つことから、売り手のデータが低品質でもその事実は買い手にはわからない。そこに売り手の不正が入り込む余地がある。「過去のデータを操作して、正答率が高く見えるようにしよう」という不正操作を売り手側が行っても買い手は一見して気付くことは極めて少ない。

ではこのような不正が起こりやすい「市場の失敗」をどう乗り越えれば良いのか。

辻中氏は、シグナリングや公的介入がまずは正攻法だという。この内、データ流通市場でのシグナリングは、独立した機関が高品質なデータを「認証」することだという。買い手が品質の高低がわかるイメージである。いわゆる「認証制度」を作らなくても大学の研究者にデータを提供して研究してもらうのも実質的な認証として機能するという。アカデミアの立場は一定の独立性があるし、低品質なら研究材料にはならないからだ。研究実績の多いデータは品質の高さが認められているといえる。😷📡🛰🏢🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:対話と体験の進化」から

2023.2.2   日経産業新聞の記事「WAVE:対話と体験の進化」から

「ホログラフィック通信」から「ハプティック通信」が加わる時代へ

コラムの著者 鹿島 毅氏(エリクソン北東アジア ネットワークエボリューション統括本部長)は、コミュニケーションやインタラクションの進化とコネクティビティーの貢献について考察している。

○「フラットな画面で会話していたこと」が信じられない時代へ

 鹿島氏によると、モバイルネットワークにおける通信速度は過去30年で数万倍以上に加速してきたという。それに伴ってモバイルデバイスでやりとりされるコンテンツもテキストメッセージ・音声から、より高品質な写真・音楽、動画へと次元を増やしながら、ユーザー体験をよりリッチにしてきた。

次の変化はリアルタイム性のある3D体験で、高速な5G通信が普及し、ARグラスが一般の消費者向けのモバイルデバイスになることである。このような「フォログラフィック」が実現することが望まれているという。

技術革新に伴って利用目的である「用途」や「応用」も進歩する。「ホログラフィック通信」は医療画像やテレプレゼンス、リモートコラボレーションといった応用や、リモート通信の既存の体験の向上などが進められる。

3D体験の中で空間の認識が改善されると、仮想現実と物理的現実の差異は次第になくなり、人間の感覚がデジタル変換されて完全没入型の体験ができるようになる。これによって我々のコミニュケーションが変わる。さらい2030年代になると体験は超低遅延によりアクションから応答までの時間が短くなり、遠隔世界や仮想世界と目の前の物理世界の差が縮まっていく。ARグラスによりコミュニケーションで、「フラットな画面で会話していたなんて信じられない」という時代が来るかもしれない。🩺😷📡🛰🏢🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸🇫🇷🇩🇪🇬🇧🇸🇪