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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:高齢化で増す記憶総量、懐古主義に引かれやすく」から 

2021.12.3  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:高齢化で増す記憶総量、懐古主義に引かれやすく」から

記憶総量はデジタル化と高齢化で増加

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)によれば、情報化社会に伴って情報総量は増え続け、さらに高齢化によって一人ひとりの人生が長くなることから記憶が増えることでも加速させる要因だという。

◯懐古主義とイノベーションの鬩ぎ合い

 関沢氏によれば、デジタル化やDXで扱う情報の総量は増えていくことはわかるが、さらに高齢化によって人生経験が長くなることから記憶も大きくなることも考えねばならないとしている。

さらに膨大な過去記憶を抱える時代は関沢氏によれば懐古主義になりやすいという。今年5月に新装オープンした西武園ゆうえんちのテーマは1960年代を想定した「あの頃の日本」だという。まさに遊園地内は昭和レトロや平成レトロの流れを入れている。

懐古主義は、自分の過去を思い出す「個人的ノスタルジー」と社会全体の記憶を懐かしく感じる「社会的ノスタルジー」がある。さらにこれらをデジタルの仮想空間(メタバース)に復刻するものも増え、記憶と記録が曖昧になるという。厄介なことに、懐古主義、とりわけ社会的ノスタルジーはイノベーションの阻害要因になりやすいという。この点がなければ過去にばかり生き、今や未来を切り開く力が低下する点は気をつけねばならない。📕👩✋⛑🕠💪🏃‍♀️📺📶💺💻🏠👧👩😷🦠❤️🌍happy01🌎🇯🇵💡🌍


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:旅行会社再建のひとこま」から

2021.11.30  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:旅行会社再建のひとこま」から

コロナ禍で最悪な影響を受けた旅行業界

 コラムの著者 フィル・ウィックハム氏(SOZOベンチャーズ創業者)は、新型コロナウイルスの感染拡大はシリコンバレーの多くのVBにも影響を与え、ZOOMのような非接触を対象にするような事業以外は厳しい状況であったと述べている。

○皆な止まっている時は攻め時

 ウィックハムによれば、コロナ禍の前まで好調であった投資先のREVINATEはホテルと旅行客を繋ぐSaaSを提供し成長してきたが、コロナ禍でトップが劇的な舵取りを行ったおかげで、ホテル業界ナンバーワンのSaaSに復活したという。

コロナ禍で外出や渡航の禁止がどの国でも行われ、一気に旅行客のニーズが蒸発した。REVINATEの創業者でありCEOであるマーク・ハイネッカー氏はすぐに動き、最低限の人数を残し、人員削減を断行した、政府の企業支援プログラムのPPP(Paycheck Protection Program)を申請した。さらにハイネッカー氏は追加の資金調達も素早い動きで手に入れ、みんなが止まっている時こそ攻め時だと、社内の結束が高まったという。さらに予約機能を持つ同業も買収し事業拡大を図っている。

この舵取りがアフターコロナで旅行業界が動き始めると、成長の方向性としてホテルのSaaSには追い風になる。💰🏦👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:レトロマーケティング」から

2021.11.10   日経産業新聞の記事「SmartTimes:レトロマーケティング」から

過去の直接体験から疑似体験で裾野を広げる

コラムの伊藤 伸氏(東京農工大学教授)は、懐かしさから肯定的な感情やイメージを引き起こし、製品やサービスの購入に結びつける手法であるレトロマーケティングについて解説している。

○ 本丸は観光やイベント、対人サービス

 伊藤教授によれば、レトロマーケティングは過去にヒットした製品・サービスと絡めれば、新製品や新サービスよりも顧客の心を掴みやすいとという。日本での長期の消費低迷に貢献はするだろうが、直接的な体験のみでは、「昭和レトロ」や「平成レトロ」の裾野は広がらないという。

最近、「昭和レトロ」や「平成レトロ」が流行っているという。西武ゆうえんちやレトロカメラ、菓子、ゲーム機、映画など話題も多いという。伊藤教授も絶版になっていた乗用車の復活報道に人気が集まり、その懐かしさから直接体験を思い出すと言う。直接的体験には最も単純なレトロマーケティングの効果があるという。過去に繰り返された体験とその後の空白期間に依存するという研究報告もあるという。年齢が上がると懐かしさは強まり、乗用車の例では、メーカーは車種名の商標を維持しようとする。

ついで注目されるのは、直接的な体験がない過去にノスタルジーを感じる疑似体験に対するレトロマーケティングである。直接体験に限れば中高年が主役で、一方、疑似体験型は若年層も含む。若い消費者は各種メディアや親の世代から見聞きした知識を基に懐かしさを感じるものである。懐かしさの起源が直接体験から疑似体験に変われば、レトロマーケティングの対象となる潜在顧客は拡大することになる。疑似なので根拠は弱いが、ノスタルジーを感じる製品やサービスの消費に価値を見出すのは全く同じであろう。

さらにレトロマーケティングは国内のみではなく、海外にも広がっているという。特にコロナ禍で大きく落ち込んだ観光業やイベント関連、対人サービス業は本丸となる。海外にいるアニメや漫画の聖地巡礼の体験者など訪日観光客に沸いたのもレトロマーケティングの対象ともいえる。映画やアニメで日本の疑似体験している外国人も少なくない。さらにSNSでの顧客動向の分析で、個別に広告を提示することもでき、レトロマーケティングの効果は大きい。📖💼💴🩺👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:進むツイッターの利用法」から

2021.10.20   日経産業新聞の記事「SmartTimes:進むツイッターの利用法」から

短く本音が言いやすい「つぶやき」は良きマーケティングツール

コラムの石黒 不二代氏(ネットイヤーグループ取締役チーフエバンジェリスト)は、東京五輪・パラリンピックを経て益々活気付いている日本のツイッターについてマーケティングの視点から考察している。

○ 全量ツイートの取得分析で予兆やトレンドを捉えることも

 石黒氏によると、Twitterは他のSNSに比べて、建前より本音が多いと言われている。文字数に制限があるためか、「つぶやき」で本音が出やすいのは事實であろう。つまり、マーケティングの観点から、ユーザー数が多い=データ量が多い、深層心理を得られる(本音が出やすい)=購買理由に近いという特長があるという。

例えば、一定時間に呟きが集中する現象やわかると、その時間に向けた商材を提供することが考えられる。さらにTwitterは「ながら」で呟けるのも特長で、テレビやウェブとの親和性は高い。クイズ番組で視聴者にTwitterで回答してもらい、リアルタイムで集計して抽選でプレゼントが当たるといった場合、参加型、リアルタイムでトレンドを実感できることから、番組コンテンツをリッチにできる。これは日本語Twitterの全量データを解析できるからである。

これまでTwitterが出現する前は、トレンドを把握するためには口コミが唯一の情報源であった。Twitterを利用すれば、商品開発部門にとっては夢のまた夢であった予兆やトレンドの発見ができるようになったという。さらに、これまでの分析ツールでは対象とするキーワードが必要で、まだ見ぬ検索ワードは発見できない。国内唯一の全量Twitterデータの再提供権を持っているNTTデータはTwitterユーザのプロファイリングを行ってきた。そこから、性別や年代だけでなく、興味や関心などの推定情報も割り出せ、イノベーターと呼ばれる特定分野のオピニオンリーダーも炙り出すことができるようになった。その応用例として、バターコーヒーやアーモンドミルクといったヒット商品も、これらの分野のイノベーターが大流行する2年も前に検知しており、企業側もこの情報から商品開発ができるようになった。

このようにTwitterは:

  • 商品開発のアイデアに
  • 小売では中長期の需要予測に
  • マーケティングではプロモーションのアイデア検討に

に使われる。Twitterの初期、140文字のつぶやきが何に役立つかといった議論は今や嘘のようである。📖💼💴🩺👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:メディア行動の潮流、より短時間で結果求める」から 

2021.9.10  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:メディア行動の潮流、より短時間で結果求める」から

動画に対する「短」・「省」・「点」への志向の変化

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)によれば、歴史的な動画の定義とその長さの変化とメディア行動との関係について考察している。

◯短尺動画が流行する背景

 関沢氏によれば、10秒前後の映像で出来た短尺動画が増えているという。そこにはまず動画の定義が変わってきていることが背景にあるという。

インターネットが普及する前は、動画は静止画と区別する言葉で、映画やテレビを指していた。だが、インターネットが普及した今日、動画はインターネット上で動く映像を指すようになった。そこで日本経済新聞各紙で「動画」という言葉の出現頻度を調べてみると、

  • 2010年:2008件
  • 2020年:4172件

で2倍になり、同様に「テレビ」をみると

  • 2010年:8066件
  • 2020年:4340件

と減少、さらに「映画」をみると

  • 2010年:3013件
  • 2020年:2597件

とこちらも減少している。つまり、「動画」はテレビでも映画でもなくなってきているということである。

SNSでも短尺の動画が増加している。短尺ならスキップされることも少なく、興味を引いた動画を他人ともシェアできる。関沢氏は、短尺の背景にあるのは「省」志向だという。メディアに接する際にできるだけ時間を省きたいとの願望があるという。若者の中にはインターネットでの動画配信サービスで映画やアニメを見る場合倍速で視聴することもあるという。時間をかけて楽しむよりは、より多くの作品に触れたいという。

さらに、デジタル化により人々のメディア行動は「点」志向になった。ウェブサイトの検索機能でピンポイントで情報に到達できる。「点」から「点」へと移動しながら情報を得ている。短尺動画は、映像における「点」情報にあたる。「短」・「省」・「点」で表される行動は、変化の激しい時代に適応するためで、長々とした説明よりも、即刻、適切な目的地に着くことが狙いとなる。過程よりも、迅速な結果を求める動きは、省時間をもたらし、幅広い教養よりも一点集中した専門性を重視する傾向にある。これに対抗するのは、AI(人工知能)であると関沢氏は示唆している。つまり、AIであれば長い映像にも飽きず、情報収集に時間をかけても気にならず、「点」情報を集め構造的に理解を深めることができる。さて、そこで人間は何を行うのか。👩✋⛑🕠💪🏃‍♀️📺📶💺💻🏠👧👩😷🦠❤️🌍happy01🌎🇯🇵💡🌍