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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:消費者調査の課題、多様な関わり注視」から 

2020.3.13   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:消費者調査の課題、多様な関わり注視」から

調査対象のバイアスが課題

 コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、新製品・サービスでの購入意向や顧客満足度を調査する場合、自社の好意的な顧客の意見にはバイアスが含まれていることに注意したいと述べている。

◯多様な顧客との関わりを持つ

 小野教授は、企業が消費者調査を行う機会は多いが、回答結果を素直に読むだけでなく、調査に伴うバイアスにも配慮して読み解く必要があると指摘している。完全にバイアスを除去することは難しいが、できるかぎりバイアスが出ないように信頼性の高い調査設計とデータ収集を行うにはリサーチャーやアナリストのノウハウが必要となる。

課題は調査の対象が、調査内容である企業に対する嫌悪があることでバイアスが発生することにある。つまり調査対象の相手を選択した段階で起こるバイアスで選択バイアスと呼ばれている。特に企業が保有する会員リストに調査依頼すると、その回答は好意的な傾向となり、好ましい結果が出て来ることは要注意である。さらに、調査を終えても課題がある。調査を協力した回答者は評価した製品・サービスについてより好意的になる傾向がある。これを単純計測効果という。これにも注意が必要である。

一方、SNSなどの普及で顧客からのフィードバックは、企業が依頼する調査にとどまらないという。SNS、ブログなどへの投稿。コンタクトセンターや店頭でのコミュニケーションなど多様な機会がある。このような顧客行動は、内容が例え否定的であっても、企業からみれば1つのエンゲージメントとみることもできる。単純にSNSのフォロワー数やツイート、コメント、いいねの数だけでなく、調査への協力、クレーム、謝辞やお褒め、問い合わせ、リクエストなども含めて考えることもできる。こうした顧客のエンゲージメントが企業に対するロイヤリティに繋がる可能性もある。バイアスは出来る限り除くべきだが、その意味を多様な手段で活かす視点も重要であると小野教授は示唆している。📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡📶🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:社会における科学素養の重要性」から

2020.3.12  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:社会における科学素養の重要性」から

幕末の黒船来航時の社会環境

 コラムの著者 筒井泉氏(高エネルギー加速器研究機構・准教授)は、新型コロナウイルスの感染拡大にふれ、日本での科学的素養がこれまでどうであったかについて考察している。

◯科学的素養の有無は危機管理の基本

 筒井氏が今回の新型コロナウイルスの感染拡大での政府対応が混乱の中にあるとのが透けて見えるという。そこで歴史的な騒動で思い出されるのが、ペルリ艦隊の黒船来航があるという。

当時の狂歌にに、

「泰平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船をもじったもの、極上茶)
 たった四杯で夜も寝られず」

という幕閣の狼狽ぶりを揶揄したものがあるという。さて、一般の庶民はどう受け止めたのか。

その事情を伺わせるものに明治の文筆家 塚原渋柿園の随筆があるという。幕臣の子として生まれた彼が幼い頃に通った寺子屋の師匠は、習字や算術を教える間に天体物理にも明るかったという。当時の知識層は、蘭学など科学的啓蒙書の翻訳を手に入れて西欧科学の素養を得ていた。そのような状況で、蒸気船を直接みてもそれ自体には大きな驚きはなかったようだ。また、幕末の諸外国からの侵略に備えて大砲など防衛兵器を必要としたが、専門家がなくても、曲がりなりにも使用可能な大砲を鋳造することまでやり遂げている。当時の職人の試行錯誤と科学的素養がなければ実現しないことである。維新後もアジア諸国の中でいち早く近代化できたのも科学的素養によるものであろう。今回の新型コロナウイルスの感染に対する対応も、最新の科学的素養が重要であるのは間違いない。🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:思考と行動、新型コロナが変える」から

2020.3.11   日経産業新聞の記事「眼光紙背:思考と行動、新型コロナが変える」から

対応次第で成長の機会にもリスクにもなる状況

 コラムの著者は、安倍首相の新型コロナウイルスの感染拡大の防止策が経済活動の停滞からリーマンショックと同様な経済的インパクトを与える景気後退に移行する可能性があることを語っている。

◯怖いのは景気後退以後の生産体制、生活様式の変化が需要を変わること

 新型コロナウイルスが世界的な拡大になったことが、すでに景気の後退を進めることは確実だという。日本は2020年度はマイナス成長に陥ることもあり得るという。グローバル化したサプライチェーンが寸断。年間3000万人の訪日外国人が急減。このような状況が半年間以上継続する事態も考えるべきだという。日本経済研究センターでは、中国リスクが長期化すれば2020年度の経済成長がマイナス0.2%から0.4%程度低下すると予測している。

さらに厳しいのは、回復しても人々の思考と行動が変化であるという。訪日外国人も他の娯楽で十分で日本まで行く気はでないかもしれない。サプライチェーンがきれた先の零細企業は倒産し、労働者は失業。そこには以前の生産体制はなく、生活様式も変わり、需要が減少したり変わってしまう。まさに今回のショックの対応によっては、成長の機会にもリスクにもなる状況である。🛒😷📶🥛🎓🏢💴📊🔎⚡️🌍happy01♿️👦👧🚹🚻🚺🌍🇯🇵🌎


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳:ソフトパックティシュ、保湿式に採用進む」から 

2020.3.6    日経産業新聞の記事「高岡美佳:ソフトパックティシュ、保湿式に採用進む」から

コスト削減を実現した製造工程

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が今回取り上げるのは、大王製紙の「エリエール+Water」シリーズのソフトパックティシュである。さて、そのマーケティングは?

◯ボックスティッシュとポケットティッシュの中間に付加価値を指向

 3月1日から発売した同製品。ソフトパックティシュは、ボックスティッシュやポケットティッシュとは違い徐々に市場も拡大しているという。その理由は;

  • 使い勝手が良い
  • ユニバーサル・ペーパーの輸入などで比較的安価

ではあるが、高付加価値の保湿ティッシュが用いられるケースは少なかったという。ただ、保湿型にすれば、製造工程が増え、価格が高止まりしてしまう。そこで、同社は、配合の検討を重ね、高速で保湿成分が染み込ませムラができない製造技術を開発して生産効率を改善したという。これによって保湿型を気軽に使える環境を作り、花粉症やアネルギー性鼻炎でもソフトパックティシュであれば気軽に携帯できるようにした。携帯性と利便性を兼ね備えた同製品は新たな市場を作り上げると同社は期待している。✋👃🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:逆境で市民生活支える日系スーパー」から

2020.3.9   日経産業新聞の記事「眼光紙背:逆境で市民生活支える日系スーパー」から

四川大震災で学んだリスク管理

 コラムの著者は、昨日に続き新型コロナウイルスの感染の話題だが、中国での日系企業の努力について語っている。

◯消費者のニーズに素早く対応する姿勢が重要

 新型肺炎で最も厳しい状況の1つに中国での企業活動がある。特に日系企業の多くは、事業活動が停滞し、大都市のオフォスでは在宅勤務を余儀無くされて十分な営業活動ができない。工場でも物流や商品調達が回復途上であることから稼働率が上がらない。

このような状況で中国の市民生活を支えることで活躍する日系企業もあるという。四川省や北京市に店舗を構えるイトーヨーカドーである。

飲食店の多くが閉店し、消費者は家庭で食事を作ることが日常になってきたことから、食品の需要が増加するが、感染予防で外出しないために多くのスーパーマーケットがネット販売に客を奪われる情状況である。しかし、イトーヨーカドーは、食品の売上高は5割程度増えたという。

この背景に同社が四川大地震のときに経験したリスク管理があるという。このような状況では消費者のニーズを素早く対応する姿勢が重要であることが根付いているからだという。今回ではすぐにインスタントラーメンや缶詰など保存食の品揃えを強化した。その後カット野菜や肉類、調味料をセットにして簡単に調理ができる商品を増やし、最近はパンやケーキを家庭でつくる食材が好評を得ているという。状況は日本の本社にも中国の販売状況を共有して、感染拡大が続く日本の事業展開にも役立つかもしれない。🍅🍎🛒😷📶🥛🎓🏢💴📊🔎⚡️🌍happy01♿️👦👧🚹🚻🚺🌍🇯🇵🇨🇳