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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:技術開発、利益には時間、特許、長く生かす仕組みに」から

2019.2.8   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:技術開発、利益には時間、特許、長く生かす仕組みに」から

ゲイツ氏が富豪なのもソフトの権利を特許権ではなく著作権にしたから

 コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、理科学研究所名誉研究員の丸山瑛一氏の主張などを鑑み、原稿特許法のありかたについて課題を示している。

◯開発した成果が大きく結実できる仕組みが必要

  山﨑教授によれば、技術開発に勝っても利益につながらない日本企業が多いという。製品の完成度が上がり利益を得る頃には特許などの有効期限が迫って先行者利益が得にくいという。その時は後追いの外資系企業が技術の方向性を見定め、集中的な投資で利益をあげるからであるという。そこには、山﨑教授によれば、知財権の根本的な構造的な要因があるという。

特許の場合、権利化までの「休眠期間」がある。つまり、有効期間は出願時の権利期間で始まり、製品化のための時間がこの後必要となる。折角、権利化できても利益につながる「休眠期間」が長くなってしまう。これでは特許での保護の効果が半減する。これに対する主張をするのが、理科学研究所名誉研究員の丸山瑛一氏である。

  • 特許公開後、審査請求時期を発明家側が選択できるようにする。

現行の特許法では、1年後の公開されるが権利は生まれず、3年以内に審査請求して登録にならないと権利が確立しない。

  • 権利が出願時に遡及して有効となる製品化から有効とする。

発明者の意思で選択して拡張できるようにしようという考え。これによって大幅に休眠期間が短縮できる。出願と同時に審査請求としてもよいというもの。

Windowsなどで世界の大富豪となったビル・ゲイツ氏は、ソフトウェアの権利を特許権ではなく著作権として登録したのに成功したという説もあるという。著作権の方が有効期間が長いためだ。

現行の特許ルールを少し修正すれば権利の有効期間を延長できる。開発への投資は盛んな日本ではあるが、開発した成果が十二分に結実する仕組みに変えねばならないだろう。😄🔧🏢🏠🎓📖⚡️🌏happy01🌏💡


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:今後の30年、高齢化・AI時代に」から 

2019.2.8  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:今後の30年、高齢化・AI時代に」から

平成の前後の輪郭をたどる 

コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)は、平成の30年間の回顧が盛んに行われているが、その前後の30年間も含めてトレンドを考察している。

◯長期的視点でみると変化が見えてくる。

  関沢氏によれば、下表のように3つの時代に分けることができるという;

平成を挟む「30年変化」
①2E時代 平成以前の30年 エコノミー(ECONOMY)エコロジー(ECOLOGY)
②2D時代 平成の30年 デフレ(DEFLATION)デジタル(DIGITAL)
③2A時代 今後の30年 高齢化(AGING)人工知能(AI)

 

 

 

 

①2E時代 平成以前の30年

前半は高度経済成長に東京オリンピック、大阪万博が開催。経済成長とともに公害・環境問題が表面化。光化学スモッグが発生し始めた。1970年には「公害国会」が開催され、1971年には環境庁が発足した。しかし、1973年の石油ショックで、人々の意識は一変し、1979年以降「物の豊かさ」よりも「心の豊かさ」を求める人が上回るようになる。

②2D時代 平成の30年

バブル経済の頂点から崩壊への道で始まる。世界の東西を隔てる壁が消え、中国の台頭もあって労働コストは低下。経済は低迷してデフレ基調の社会になる。1995年からインターネットが普及。アメリカでは、アマゾンやグーグルなどGAFAと称されるICT企業が巨大化する。まさに、デフレとデジタルの時代である。

③2A時代 今後の30年

国立社会保障・人口問題研究所による出生低位推計では30年後、日本人口は1億人を割る。その時点で65歳以上は4割近い。高齢化の進む社会を人工知能やロボット、外国人人材でともに支える時代となろう。覇権を争う米中が世界を揺るがすことになる。🎨💻📱🏠🚕📊🔎⚡️🌍happy01🇩🇪🇺🇸🇨🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国ペシミズムへの違和感」から

2019.2.7   日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国ペシミズムへの違和感」から

日本企業は有利な立場

 コラムの著者は、中国ペシミズム(悲観主義)について考察している。

◯中国ペシミズムの4つの根源

 中国ペシミズムは行き過ぎの感があるとコラムの著者は訴えている。その根源には4つあるという。

  • 米中の覇権争い

米国は中国のハイテク覇権を許さないというもの。ファーウェイはその象徴であるが、正面衝突にはなっていない。

  • 米中貿易戦争

経済的な利害であって中国の知的財産権など中国側の譲歩と改革で治るだろう。

  • 中国内需の減速

国営のゾンビ企業などの整理やインフラ投資の抑制などの改革が急ブレーキになったものの、すでに改革からテコ入れへ政策軸はシフトしており、内需は徐々に回復するとみる。

  • 中国バブルの崩壊

金融危機の深化であるものの、外貨管理など当局の対応は万全であり、顕在化は先になるとみている。

とみると、ペシミズムの一巡の後に日本企業の優位性が見えてくるという。現に王毅外相は、「中国側の対日印象が回復しているが、日本¥対中印象が改善していない」とも述べている。自動車分野では苦境の米韓企業と比べて日本メーカーはシェアを伸ばし、対中投資を増やしている。消費財分野では安全で高品質、洗練された日本製品の人気が高まっている。ハイテクの基礎、周辺、基盤技術分野を担う日本はかなり有利な立場にいるという。💻📈💡🔎⚡️happy01🌏🇺🇸🇯🇵🇨🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ネット時代の『みんな』主義とは」から

2019.2.6  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ネット時代の『みんな』主義とは」から

ネット社会で変わる「みんな」の定義

 コラムの著者は、博報堂生活総合研究所の調査結果を参考に「みんな」の意識調査とそれに対する社会的インパクトについて考察している。

◯大衆の時代から分衆の時代、個の時代を経てネットが舞台の「みんな」の時代へ

 こどもが「みんな持っているから」と親に玩具をねだる常套句で「みんな」は時に2、3人の友達をさすだろう。大人にはかなりの少人数だが、世間が狭いこどもには十分な多数派となる。

では、大人が「みんな」といっているのは何人以上のイメージか?博報堂生活総合研究所の調査によると、

  • 2008年の平均値;172人
  • 2018年の平均値;85万人強

と桁が違うほどであるという。どうやら大人の世界では、所属組織や周囲ではなくネットに大勢の基準が移ったようである。これは社会的インパクトのレベルにもイメージの変化があるという。

例えばヒット商品は、爆発的なメガヒットと個人的なこだわり型に二分化しそうだが実際はそうではないという。同調査によると「ヒット商品とは売れ行き何位までか」の問いに対して;

  • 2008年;7位まで
  • 2018年;12位まで

となり、書籍なら1万部でヒットとされ、知らない言葉が流行語大賞になるという。

皆が同じものを欲しがった「大衆」の時代、隣との差をつけたい「分衆」の時代、私は私という「個」の時代を経て、いまはネット社会での「みんな」の時代になったという。正解のない分野ほど「みんな」の声を聞く傾向が目立つという。恣意的に都合の良い「みんな」を見つけ、使い分ける手際に危険性があるのではないかとコラムの著者は警告している。🔟💻📈💡🔎⚡️happy01🌏📱


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:非大卒の人材育成、地方都市の問題も解決」から 

2019.2.6 日経産業新聞の記事「トレンド語り:非大卒の人材育成、地方都市の問題も解決」から

地方、中卒や高卒のハンデを補って

 コラムの著者 面川 真喜子氏(マーケットプランナー)は、DMMグループの子会社の「ハッシャダイ」の活動に注目している。

○遊学の発想で地方創生に

 面川氏によると、ハッシャダイは、中卒や高卒など非大学の人材を育成し、企業を紹介する。地方の非大学の人材は東京都内で充実した座学と実践カリキュラムを提供し、参加者の費用負担ゼロで社会参加の機会を提供する「ヤンキーインターン」が人気だという。

通常、中卒や高卒の若者の就職はハローワークに頼み、一校一社制などの縛りがあり、大卒などに比べて就職活動の自由度が低く、人材のミスマッチもあり、離職率が高いという。そこで「ヤンキーインターン」では参加者の自分の意思で将来が決められるように、プログラミングやデータ活用などの技術が学べる「ヤンキーハッカー」、営業やビジネスを学べる「ヤンキービジネス」の2つのコースを展開して、どちらも一般教養とビジネスマネーを学べるようになっているという。さらにハッシャダイでは、ヤンキーインターンを卒業した人材を企業に紹介して売り上げを伸ばし、地方都市に若者を派遣するハッシャダイリゾート事業も進めている。

ハッシャダイリゾートは遊学をコンセプトに地方も若者も変化することを狙い、地方都市の問題を解決しながら単位が取れるような人材育成の仕組みを取り入れているという。地方創生の新しい活動として注目したい。 👧👦🐱😻🍴☕️🍛🏢💡⚡️💻🌏happy01