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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:原油相場、主役は米国」から

2017.1.6    日経産業新聞の記事「眼光紙背:原油相場、主役は米国」から

米政権交代の影響も

コラムの著者は、1980年代の原油相場の低迷と異なり、今回は新しい役者である米国が加わることでこれまでの石油輸出国機構(OPEC)から主役が変わる可能性について語っている。

◯シェールガス革命がもたらす新旧主役交代

原油相場は、世界的にこれまで1980〜1990年代に低迷したことがある。その際との差異は、主生産国であったサウジアラビアやロシアと役者が異なっている点だという。

硬い岩盤層にある原油や天然ガスを掘り出す技術は、今回の相場下落によってますます磨きがかかっている。米国はこの点で他の産油国よりも群を抜いている。多くの経済指標がこれを裏付けている。

原油相場は、OPEC諸国とロシアなどとの協調減産で一時は回復したが、米國での生産や新規開発も勢いを取り戻しつつある。さらに、今月末の米国政権交代は、エネルギー政策の違いが全く異なる。オバマ政権では、環境重視をとり、資源エネルギーの開発には足かせとなっている。一方、トランプ次期政権は、資源エネルギーの開発を支援すると表明している。こうなると、開発コストは下がると見込まれ、主役は、OPECやロシアではなく、米国に移ることを意味する。🌎🏢😃


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline: ダーウィンの海、市場での成功、運任せ」から

2017.1.6  日経産業新聞の記事「TechnoOnline: ダーウィンの海、市場での成功、運任せ」から

運の良さと適者生存のバランスが鍵

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、研究や技術開発の成功・発展シナリオとして「基礎研究→開発研究→事業化→市場での成功」を唱えており、今回はそのラストステージであるサイエンスの成果が市場に行き渡ることについて触れている。

◯成功には各ステージが成功しなければならない

和田教授が唱える研究や技術開発の成功・発展シナリオは、「基礎研究→開発研究→事業化→市場での成功」となることことで、各ステージが成功しなければならないという厳しいものである。シナリオの3箇所のステップアップの関門はそれぞれ「魔の川」、「死の谷」、「ダーウィンの海」と呼ばれているという。

今回は最後のステージである「ダーウィンの海」は他の関門とは異なり、自分自身の努力だけでなく、一般市民の反応が決定的な成功の要因となる。つまり、他人任せの運に頼らねばならないという。

ダーウィンの説いた自然淘汰説はその後研究が進み、遺伝子学として体系化されていく。ダーウィンの海は、同様に自然淘汰されて生き抜く遺伝子の関門で、成功は、運の良さと適者生存の両者がバランスよく関係している場合だという。

市場のように得体の知れない競争の場に身を委ねるということは、それ自身に一喜一憂する必要なないのかもしれない。和田教授は、日本の教訓である「運鈍根」(運鈍根とは、成功するには、運のよさと根気とねばり強さの三つが必要だということ。)がこれを表しているという。💡pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:いでよ、日本版3M」から

2017.1.5    日経産業新聞の記事「眼光紙背:いでよ、日本版3M」から

自由な発想、開発で高収益な企業へ

コラムの著者は、米スリーエム(3M)と日本企業を比較し、マルチな才能を活かし、通り一遍の「選択と集中」でない企業経営について触れている。

◯マルチな才能活かしてこそ

コラムの著者は、歌手などマルチな才能で昨年注目を集めた星野源さん、マルチなプレーで成果を出したプロ野球選手の大谷翔平選手を引いてその共通性にまず注目している。

  • 星野源さん;話題となったテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のエンディングテーマを作詞作曲。さらに主役もこなす。エッセー「働く男」(文春文庫)ではベストセラー作家。
  • 大谷翔平選手;投手と打者の両刀遣いを評論家にプロ野球入団から揶揄されたが、投手で10勝、打者で22本本塁打という実績で跳ね返した。

両者の共通性は、「やりたいことは1つに絞り込めない」というものである。

企業経営では、逆に、マルチではなく、「選択と集中」で単独型にしようとする。確かに一時的な成功は納めたが、その後失敗の烙印をおされた。シャープの液晶一本足打法、東芝の半導体・パソコン・原発への資源集約であるが、いづれも失敗である。

社員の自由闊達さを重視し、自由な研究開発を促す米3Mは、マルチな才能を活かし、今も高収益企業である。果たして日本企業は?🌎🏢😃


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:高級車競合、台数で測れず」から

2017.1.4    日経産業新聞の記事「眼光紙背:高級車競合、台数で測れず」から

世界販売の首位交代だけではわからない

コラムの著者は、世界的規模で戦略を展開しているBMWとダイムラーの「メルセデス・ベンツ」の2強の未来図がトヨタ、日産らの自動車業界連合に影響を与えることについて触れている。

◯高級車の販売台数の首位交代

昨年1〜11月の実績では、ダイムラーの「メルセデス・ベンツ」がライバルのBMWブランドを約7万台上回り、12年ぶりで首位に返り咲くとの予測だという。

12年の首位奪還は大きなツケが影響していた。1998年世紀の合併でダイムラークライスラーが誕生したが独米大手の高級車と大衆車の連合は成果がでなかった。

人員削減→本社移転→合併解消と大ナタを振ったが、ようやくここにきて社内を良いムードに方向を変えた。この間、ライバルのBMWはEUの厳しい排ガス規制強化で環境技術を磨き、ダイムラーは自動運転やモビリティーサービスで先行しようとしている。

テスラモーターズやVWはEVを主軸におくが、2強は水素や燃料電池の技術開発もぬかりがない。それぞれが組むトヨタやルノー・日産自動車連合がどのようなクルマを未来図に描くが、台数よりも注目されそうだという。🚘🌎😃


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline: 社会の規制、理想はほどほど 寛容に」から

2017.1.4  日経産業新聞の記事「TechnoOnline: 社会の規制、理想はほどほど 寛容に」から

人間社会は「そもそも公平でも正義でもない」

コラムの著者 筒井 泉氏(高エネルギー加速器研究機構・准教授)は、新年の思いとして、厳しい規制だけでは科学技術は発展しないと指摘する。

◯随筆家 山本夏彦のことば

筒井氏は、随筆家 山本夏彦の言葉;

「治まる時代というのは目こぼしがある御代」

を引いて、科学技術に関する社会の規制について語っている。もっとも山本夏彦は、税務署の過剰とも言える課税の姿勢を批判したものであるという。

「税吏は正義であり公平のつもりであろうが、金というものはそもそも公平でも正義でもない」

と続けているという。

制度というものは税制に限らず、一定の期間がたてばあちこちに不正や矛盾といった綻びがでるもので、その綻びを繕うために、理想論から過剰な制度を導入したりすると、途端に社会は動かなくなってしまう。

科学研究や技術開発は十分な時間と自由な発想のできる環境が理想だ。しかし、研究活動や研究費使用の不正防止のために、近年では研究者に研究倫理の研修や報告書の常時提出の義務付けがおこなわれているという。これらは正義からでたことであるが、その結果、研究成果を出すよりも、不正を疑われないように気を配ることになる。

不正は裁かれるべきであるが、研究や教育をふくめて社会活動は人間が行うもので、ノーミスはあり得ない。そこには一定のトラブルが生じる。正義感から言えばそのような状況を完全に撲滅することが理想だが、それでは目的が達成できなくなる。つまり、問題は常識的なバランス感覚が必要になる。そういう御代でなければ、科学技術の発展は生まれないかもしれない。💡pchappy01