Previous month:
2016年8 月
Next month:
2016年10 月

2016年9 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:人を引き込むチャレナジー」から

2016.9.6   日経産業新聞の記事「眼光紙背:人を引き込むチャレナジー」から

まさに豪胆な夢にかけるベンチャー

台風のエネルギーを電気に変えるという豪胆な夢に賭けるチャレナジー(東京・墨田区)は5年前に実証の研究を始めた。コラムの著者は、このほど沖縄県南城市で同社が新型風力発電の実証実験を始めたことにふれている。

◯中小企業から大手企業まで様々な人物を動かす

新型風力発電は、これまでの風力発電とは発想を逆転したものである。このほど南城市で世界初の出力1キロワットの実験が始まった。気流中で円筒を回転させると生じるマグナス力と呼ばれる力を利用するものである。円筒の回転数で力を制御できるので、台風のような強風時でも風車を止めずに発電できるとされている。

軸の高さが3メートルの実証機の製作には大手の力が必要。そこで、軸受けはTHK、ビッグデータの解析は日本ユニシス、風力設備を提供したのは東急建設である。

台風時期には発電を止める既存の風力発電ではなく、逆転発想で発電するチャレナジーの挑戦は続いていくcamerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ソニー、電池事業売却、往時の活力いまいずこ」から

2016.9.6  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ソニー、電池事業売却、往時の活力いまいずこ」から

モルモット企業から日和見企業になったのか

コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、多少辛辣な口調で同社を叱咤激励する意味で、電離事業の売却に疑問をいい抱いている。

◯ソニーと譲渡先の村田製作所の共同報道では事業戦略上適切な対応

関係両社の発表では双方のポートフォリオ戦略上の観点から、事業の持続的拡大を図る上でも適切な対応としているという。しかし、志村氏の見方は、ソニーが1991年に世界で初めて実用化したリチウムイオン電池は長らく市場で先導的な役割をこなしてきた経緯からいうと説得力がある説明かどうかという。

ソニー側から言うと、リチウムイオン電池といえども低価格競争で2010年度以降は赤字事業となったという。ただ、この間の高い技術力で性能、品質面で勝機はなかったのか。どうも、米アップルのiPhoneの最新機種への採用に乗れたかったことが直接原因であるという。

リチウムイオン電池自身は枯れた技術ではなく、異常発熱対策など安全性の課題や大容量材料の開発など山積だという。まだまだ伸びしろのある事業領域だとも言える。つまり、リチウムイオン電池の至上性を過小評価したのではないかという。

これまでもソニーは、ロボット、有機ELモニターなど一旦製品化しながらもなぜか中断あるいは撤退策を講じてきたのはどうしてなのか。
世に言う「モルモット企業」から「日和見企業」になってしまったのか。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 飼い主とシッターつなぐ、ペットの世話適任選ぶ」から

2016.9.6   日経産業新聞の記事「風向計: 飼い主とシッターつなぐ、ペットの世話適任選ぶ」から

ICTを駆使してシッターをマッチング、愛犬の足跡も辿れる

コラムの著者 竹内 道氏(アークメディア社長)は、米国で成長しているペットサービス産業について触れている。

○ローバー(シアトル)とワグ!(ロサンゼルス)が人気

米国のペット用品工業会(APPA)のデータによると、2016年の市場規模は、627.5億ドルと前年比4%増だという。さらにペットの中でも犬を飼う家族世帯は5440万世帯と最多という。

多忙な家族で愛犬の世話をしてくれる人を信頼出来るドッグシッターとマッチングするサービスが人気である。ビッグデータを駆使し、飼い主とシッターをマッチングする新サービス、ローバーとワグ!は、即時に臨機応変な対応が可能なサービスを提供していて愛犬家に歓迎さえているという。

ローバーやワグ!は以下のような飼い主と愛犬の情報を集める

  • 住所
  • 世話に必要なスケジュール
  • 愛犬の習性
  • 散歩上のニーズ

を登録。これに対して、各サービスは飼い主のニーズにあったシッター情報がリストアップされる。

  • これまでのシッターとしての経歴(これはローバーやワグ!が審査)
  • 他の飼い主からの評判

などの情報がわかる。これを使ってマッチングを進める。

米最大手の「ローバー」は、愛犬が散歩するルート、散歩した時間、その時の行動などを報告するリポートカードをスマホのアプリとして導入し、愛犬の動向を生でつかむことができる。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:UPQ『1年たっても生きてます』」から

2016.9.1  日経産業新聞の記事「眼光紙背:UPQ『1年たっても生きてます』」から

ものづくりスタートアップベンチャーの奮闘

コラムの著者は、カシオ計算機出身でものづくりスタートアップベンチャーのUPQ(アップ・キュー)が製品発売から1年たって、変わってきた消費者の潮流について語っている。

◯中澤優子社長、「1年たっても生きています」

はじめに24だった製品数は今や59となり、社長の中澤優子氏は、製品発売から1年に「1年たっても生きています」と語ったという。初期はすごいスピードで商品化するファスト家電メーカーとして注目され、女性起業家であることも相まって、その活躍に目がいったが、「どうせ消える」と冷淡な声を浴びせる人もいたという。

大型量販店にも商品が並ぶようになり、「かけた経費を相殺できる売り上げはたっている」という。確かにスマートフォンの製品化では技術基準適合認定(技適)で回収の失敗もあったが、生産委託をする中国との間をハードなスケジュールでこなし、少しずつ協力者の輪を広げてきた。

デジタル化の進展の進展で高性能の部品が手に入りやすくなり、クラウドファンディングなどの資金支援サービスも拡充されてきた。こうした中で個性的なメーカーが生まれてきてもおかしくなく、消費者も、そうした作り手の個性や熱意を含めて価値とみる人も増えてきているという。新しい潮流と読むこともできる。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:コストパフォーマンス、評価基準、品質か価格か」から 

2016.9.1   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:コストパフォーマンス、評価基準、品質か価格か」から

低価格商品やサービスに消費者が慣れた?

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、サービス産業生産性協議会がJCSI(日本版顧客満足度指数)調査で2009年から継続的に収集してきたブランド傾向を見ながら、コストパフォーマンス(知覚価値)について語っている。

○品質ベースと価格ベースの評価は常に表裏の関係

今消費者の製品に対する評価する目が新たなステージに進んでいると、小野教授は示唆している。コストパフォーマンスは、「コスパ」や「お買い得感」などと呼ばれ、知覚価値とも言われる。つまり、コストパフォーマンスは消費者が受け取った便益が自分の支払った対価に見合っているかの度合いを表す。

小野教授が見ているサービス産業生産性協議会がJCSI(日本版顧客満足度指数)調査で2009年から継続的に収集してきたブランド傾向から

  • ユニクロや回転寿しのスシロー;低価格路線で業績を伸ばしたブランでは、緩やかに低下してきている
  • ヨドバシカメラが展開するECサイト「ヨドバシ・com」はここ数年上昇傾向にある

このことは、

  • 品質ベース:自分が得たサービスの室を考えた場合、支払った価格は見合っているか
  • 価格ベース:自分が支払った価格に対して、品質は見合っているのか

といった、一見にてはいるが、消費者が品質と価格のどちらを基準に考えているかを示し、表と裏の評価が異なる場合があるという。

  • マクドナルド、スシロー、小売のOK、カット専門店QBハウス、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションなどの低価格のビジネスモデルは価格ベースでの評価が高いが、ブランドは限られている。価格という指標は他ブランドと比較しやすくブランドスイッチ(乗り換え)も起きやすいという。
  • 劇団四季や帝国ホテルは品質ベースでの点数が高いグループ。おしなべて高い顧客満足を得ているのは品質ベースが高いブランドに多い。興味深いのは、もともと価格ベースの「ヨドバシ・com」が品揃え、配送条件、在庫情報確認など評価されており、品質ベースでも高い評価をうけていることである。

どうやらブランドもコストパフォーマンスの良さを価格ベースでなく品質ベースでも評価される時代に変わってきたようである。cafehappy01