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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:自動運転、人間と機械、信頼どこまで」から

2016.9.13  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:自動運転、人間と機械、信頼どこまで」から

機械の進歩をどこまで人間が信頼するか

コラムの著者 山崎 弘郎氏(東京大学名誉教授)が自動運転の主体が人から機械に移る際の幾つかの課題について語っている。

◯レベル分けされる自動運転

山﨑教授によれば、自動運転には、機械と人間の関係でレベルが分かれているという;

【自動運転レベル1】

  • 進路や周囲への注意、操作の一部の自動化

【自動運転レベル2】

  • 操舵と加減速の両方の操作を機械に置き換える
  • 人間は機械を常時監視
  • 事故の責任は運転者

【自動運転レベル3】

  • AIやコンピュータの能力を活用して自動化を高度化。人間の監視を不要とする。
  • 異常な場合を除き、人間の介助は不要。
  • 事故の責任は自動運転の利用者
  • 走る地域や車種の限定が必要かもしれない

【自動運転レベル4】

  • いかなる場合もAIやコンピュータが運転する完全な自動化段階。
  • 人間は目的地と経路の設定以外は利用者に徹する。
  • 技術的な課題や法整備など社会との接点にも課題が残存。
  • エスカレーターやエレベーターで実現。他の車や歩行者と分離した移動環境のセンシングシステムが必要

となるという。

最終的には、人間がどこまで日進月歩の機械を信頼できるかという根源的な問いを突きつけることになるpchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:百貨店の油断」から

2016.9.9   日経産業新聞の記事「眼光紙背:百貨店の油断」から

地方や郊外店の閉鎖が相次ぐ

コラムの著者は、暖簾に頼った営業とアパレルの納入業者との関連がキーとなり、業績不振が続いていることについて語っている。

◯要因の1つにアパレルの納入業者との関係

百貨店がこのところ、地方や郊外店の閉鎖を進めているという。

  • そごう・西武;5店
  • 三越;2店

など大手だけでも増えている。高度経済成長期からバブル景気の頃、全国展開を推進してきたがここにきて縮小に転じている。

その多くの原因の1つは、暖簾、つまりブランドに頼った営業である。コラムの著者は事例として、大手企業の社員が東京本社から地方に転勤した際の、お中元、お歳暮の店選びをあげている。地元の名門百貨店より、全国ブランドの百貨店の包み紙が好まれるとして、営業もある意味で暖簾頼みだったという。

直接要因の1つに、百貨店とアパレル業界との関係がある。百貨店は売れた服だけを仕入れたことにし、売れ残りは返品自由という、百貨店はブランドに頼り、強気の商慣習がまかり通った。いまは、アパレルの納入業者も、百貨店のブランドに頼る必要もなく、通販やEC、直営店で販売でき、百貨店に売れ筋を商品を納入しなくなって、百貨店のリスクを取らない態度に背を向けた。目先のリスクを避けた故に、モノの価値を見極める目もあまくなり、立場も弱くなっている。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:真理探究の雰囲気、サロンで議論、自由闊達に」から

2016.9.9  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:真理探究の雰囲気、サロンで議論、自由闊達に」から

引き継がれるサロン

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)が示唆するのは、学問や研究の場で最も大切とするものは、年齢や身分を超えて、ひとりの人間として自由闊達にトコトン議論する雰囲気だという。

◯「批判なきところに進歩なし」は大原則

和田教授の出身である東京大学理学部化学教室の森野米三研究室には、サロンと呼ばれる小さな部屋があり、教授から学生まで全ての研究室のメンバーが、輪講や討議を行い、時には図書室になり、食堂にもなり、中央の大机は時には徹夜実験の仮眠台となった場所があったという。

そこは智のアリーナとしていろんな議論が持ち込まれ、渦巻きが目に見えるようだったという。和田教授も、東京大学理学部物理教室の講師時代に隣室をサロンにしたという。そこでは願い通り多くの人が討議し、研究のこと、社会のこと、人生その他諸々の議論が沸騰した。このサロンの議論が、研究室メンバーの相互理解、インスピレーションの誘発、暗黙知と形式知の変換、ひいては研究の発展に果たした役割は計り知れないという。

人間は考えを突き詰めていくと、たこつぼのたこのように考えが伸びないどころか縮んでいくという。そうならないために自由闊達な会話と、それができる雰囲気が不可欠である。

今も和田教授はスーパーバイザーとして、横浜サイエンスフロンティア高等学校にもサロンを持ち込んでいるという。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:男性用の日傘、社会規範変容で新市場」から 

2016.9.8   日経産業新聞の記事「横山斉理の目:男性用の日傘、社会規範変容で新市場」から

固定概念が商品の普及を阻害する

コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、男性用の日傘を事例に、固定概念の打破から新市場が生まれることを述べている。

○日傘の機能性は性別を問わない

強い日差しの夏の昼間で合理的かつ効率的な手段は日傘をさすことであるという。しかし、その起源から機能性とファッション性を兼ね備えた「女性」のためのアイテムで、男性が日傘をさすこては奇妙なこととされる。

ただ、男性でも、例えばゴルフのプレーでは日傘を差し、強い日差しにより体力が奪われることをさける。つまり、日差しは女性だけが対策しなければならないということではないことがわかる。熱中症の防止という見方では性差はない。

最近は男性用日傘がメディアなどで取り上げられるものの普及はまだまだであ。「日傘は女性が使うもの」という性別に関する社会規範が根強いため、新市場の発生を阻害しているとも言える。

とはいえ、この社会規範を変えるのは、一企業の力をもってしても困難である。「クールビス」や「イクメン」が政府主導のキャンペーンであったことを考えると、大きな認知が必要となる。ただ、潜在のニーズはあるから、既存の社会規範を打ち破れば新市場が生まれる可能性もある。まだまだ、日傘の事例だけでなく、このような社会規範を対象にするものがあるだろう。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:生活者株主の登場、期待」から

2016.9.7   日経産業新聞の記事「眼光紙背:生活者株主の登場、期待」から

人為的な株価対策には無理がある

コラムの著者は、日本銀行のETF(Exchange Traded Funds、上場投資信託)の引き上げに本来の株価対策とは言えない面を指摘し、長期株保有として生活者や消費者の預貯金マネーを動かすことが活性化策になるのではないかと提起している。

◯大量の日銀のETF保有はいつか売られることから売り圧迫の要因

 日銀はETF購入を年6兆円に引き上げた。毎年これが続くとなると、株式市場の需給を逼迫させ、株価上昇を下支えする。だが、この人為的な対策は、日銀がいずれ売りに出ることがあることから、厄介なお荷物とならないとは限らない。

そこで、企業の応援株主として、個人や家計、つまり預貯金マネーが動員されたなら、株式市場としては最高の展開だという。

今や833兆円の預貯金マネーは規模が桁違いに大きく、目先の値ザヤ稼ぎではなく応援株主として長期保有してくれれば、企業にとっても良い環境だ。生活者が安定株主となれば、投資ファンドなど目先の利益確保を狙う株主の登場をブロックできる。また、経営側も長期的視点でしっかりした経営を行うなら、消費者株主も安定した配当となり自分の年金にもなる。

このように生活者株主の登場は、いまよりも質の高い株式市場活性化策となりうる。camerahappy01