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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:コンテクストを把握、知的活動の最高位『賢慮』」から

2016.6.14  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:コンテクストを把握、知的活動の最高位『賢慮』」から

アリストテレスの知識の3分類にも

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、意味をなすコミュニケーションをおこなうために必要な「コンテクスト」について触れている。

◯英語の「コンテクスト」は深い意味をもつ

和田教授が指摘する英語の「コンテクスト」は、

  • 文脈
  • 脈絡
  • 前後関係
  • 状況
  • 背景

などを統合する言葉だという。さらに、コミュニケーションの前提でもある。

日常のコミュニケーションは、相手の会話や表情が持つ意味を解読することで成り立っている。その解読には、言葉の持つ意味の組み合わせや表情の動きに翻訳するコード(情報が表す記号の体系)が必要となる。言語では、形式知として辞書や文法書に掲載されているが、一般には社会的な経験を通じて共有されたコードが暗黙知として存在する。暗黙知であるので、短い発言では複数の意味が候補に上がることになる。

しかし、言葉の前後のつながり、つまり、「コンテクスト」を参考にするから、意味を正しく解読(デコード)でき、無用な説明なしに話が進むという。つまり、「コンテクスト」を物事を統合しての基本的構造と考えることができる。

これを賢慮といい、知的活動の最高位におく。この賢慮もアリストテレスが3つに分類された1つだという。

  • コンテクスト:コンテクスト自体を作り、方向付けする
  • エピステーメ(認識):科学的合理性を基礎として時間や空間によって左右されないコンテクスト独立的な客観的知識(形式知)
  • テクネ(技能)

今の日本の学問の世界では、どうも賢慮がないのかもしれない。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:幹部人材の活性化、地方から」から

2016.6.14  日経産業新聞の記事「眼光紙背:幹部人材の活性化、地方から」から

首都圏の大企業に勤める幹部人材の2割は自分の能力が発揮できていないと自認

コラムの著者は、政府系ファンドの地域経済活性化支援機構が昨年8月に設立した地方企業への人材紹介会社、日本人材機構の調査が「首都圏の大企業に勤める幹部人材の2割は自分の能力が発揮と自認している」という結果から、地方の有力企業への転身も日本の生産性の底上げにつながるのではないかと語っている。

○日本の労働生産性は米国の6割

調査対象は、製造業で従業員1千人以上、サービス業で500人以上の企業で働く課長職以上の管理職である。かなり余力があって発揮できていないとしたのは8%、余力があるは13%で、年齢的にも調査データから中高年社員に不完全燃焼の人が多い。

一方、日本生産性本部によれば、一人当たりの付加価値を示す労働生産性は米国の6割にとどまるという。

つまり、まだまだ改善の余地があり生産性を高める余地があるという。さらに地方企業に働くことに「興味がある」人は「非常に」「やや」を含めた7割を超えたという。これまで培ったスキルや経験を地方で有効に使えることも考えられる。新天地から日本の生産性を底上げすることもこの国の発展に重要であろう。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: フィットネスクラブ、米でネット受講が台頭」から

2016.6.14   日経産業新聞の記事「風向計: フィットネスクラブ、米でネット受講が台頭」から

ビジネスモデルの転換

米国の人口の4分の1にあたる1980年〜 2000年代初頭に生まれたミレニアム世代にとって生活の一部になっているフィットネスは年商242億ドルをこえる産業であるという。コラムの著者 竹内 道氏(アークメディア社長)は、従来のビジネスモデルとは異なったインターネットを介したサービスが台頭し始めていると語っている。

○フィットネスクラブが魅力あるコンテンツを提供するメディアビジネスに転換

フィットネスクラブはヘルス・ライフスタイル産業でも花形であり、絶えず新しいトレンドを生み出しているという。過去1〜2年の間にインターネットを介したデマンドのフィットネス産業がビジネスモデルを根底からひっくり返そうとしている。

従来のフィットネスクラブでは、入会金、毎月の会費でジムにいきエクササイズをおこなうが、新しいオンデマンドサービスは時間をかけてわざわざフィットネスセンターに出かけず、いつでもPCやタブレット、スマートフォンで好き場所で気に入ったワークアウトプログラムができるというものである。

デジタルネイティブなミレニアム世代にとって、オンライン上で何千ものクラスが無料、有料で提供されている。つまり、コンテンツ産業と同様に、フィットネスクラブも新たなコンテンツが勝負となり、メディアでの儲けというビジネスモデルの転換が行われつつある。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『社会保障と税の一体改革』は?」から

2016.6.10  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『社会保障と税の一体改革』は?」から

アベノミクスでは構造改革やイノベーションなどの成長戦略が基本なのに

間も無く黒田日銀総裁が電撃的に採用した異次元緩和から3年が経過したが、金融政策の効果は著しく弱まっている。その中で本来の「社会保障と税の一体改革」はどうなったのかをコラムの著者は指摘している。

○伊勢志摩サミットでも景気刺激策を意味する財政出動に英仏が異論

金融政策の効果が著しく低下している中で、安倍政権は消費増税の延期、公共事業などの財政出動などに重点をシフト、コテ石の景気浮揚策に見えている。それもよりもそもそもの目的であった「社会保障と税の一体改革」はどこに行ったのか。

海外でも英仏も先の伊勢志摩サミットで、景気刺激策としての財政出動に異論を唱え、これまでのアベノミクス、つまり大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略のどれも未達という最悪のシナリオになりつつある。

3本の矢のうち、金融政策と財政政策は、潜在成長率を上げるというよりも、潜在経済成長から外れた経済を揺り戻すのが狙いであり、小手先と見える。本来は、構造改革やイノベーションを促す第3の矢、成長戦略まで動かないと意味がない。しかも、時間的な余裕はない。すでに日本の政府債務残高はGDP比で230%と危機的な状況である。消費増税の延期、国債での金融政策、財務政策の財源で、日本の経済は大丈夫なのであろうか。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:講義のレベル、深く掘り下げるのも一考」から

2016.6.10 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:講義のレベル、深く掘り下げるのも一考」から

大学を取り巻く環境の変化

コラムの著者 円山 重直氏(東北大学流体科学研究所教授)は、旧帝国大学の資料から当時の講義や学生のレベルを考えると、現代の教育方法も一考すべきことがあるという。

◯東北大学流体科学研究所の創立75周年で発見された資料が示唆

円山教授が所属する流体科学研究所の創始者である沼知福三郎名誉教授の資料が、創立記念の整理で見つかったという。沼知教授は日本で初めてのジェットエンジンの開発に関わった。今回沼知教授の大学生の時代の試験問題を発見、英文で書かれており、内容は当時としては高度なものであったという。大正時代から昭和初期のもので講義ノートなどの資料も発見されたという。

これらは今ではあまり教えていない専門的で、現在の流体力学の講義よりも高度な内容だったという。そこで円山教授が思ったのは、現在の講義が簡単になった理由である。それは、学生の資質である。当時の大学生は、旧帝国大学全体の学生数が現在の東京大学のそれよりも少なかった。もう一つは教員の学生に対する姿勢が違うという。当時、大学は最高レベルのものを教え、学生はそれを理解しようと必死になってついていったという。

いまは、小学校の教諭のように、必要最小限の事項をなるべく多く理解させようと努める。さらに、最近は、各大学が授業評価に、受講する学生の評価が入ることである。難しい講義を行うと、学生の評価が悪くなるので、易しいものとなっていく。

ところが、科学技術の進歩は目覚ましく、多くの分野と項目を生み出し、学生に学ぶべき項目を増やしている。しかし、これに学生による評価システムでは浅く広くになり、イノベーションに必要な深く掘り下げることから遠ざかっている。ここらで以前の講義レベルや姿勢を再考すべき時期かもしれない。pchappy01