【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:コンテクストを把握、知的活動の最高位『賢慮』」から
2016/06/20
2016.6.14 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:コンテクストを把握、知的活動の最高位『賢慮』」から
アリストテレスの知識の3分類にも
コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、意味をなすコミュニケーションをおこなうために必要な「コンテクスト」について触れている。
◯英語の「コンテクスト」は深い意味をもつ
和田教授が指摘する英語の「コンテクスト」は、
- 文脈
- 脈絡
- 前後関係
- 状況
- 背景
などを統合する言葉だという。さらに、コミュニケーションの前提でもある。
日常のコミュニケーションは、相手の会話や表情が持つ意味を解読することで成り立っている。その解読には、言葉の持つ意味の組み合わせや表情の動きに翻訳するコード(情報が表す記号の体系)が必要となる。言語では、形式知として辞書や文法書に掲載されているが、一般には社会的な経験を通じて共有されたコードが暗黙知として存在する。暗黙知であるので、短い発言では複数の意味が候補に上がることになる。
しかし、言葉の前後のつながり、つまり、「コンテクスト」を参考にするから、意味を正しく解読(デコード)でき、無用な説明なしに話が進むという。つまり、「コンテクスト」を物事を統合しての基本的構造と考えることができる。
これを賢慮といい、知的活動の最高位におく。この賢慮もアリストテレスが3つに分類された1つだという。
- コンテクスト:コンテクスト自体を作り、方向付けする
- エピステーメ(認識):科学的合理性を基礎として時間や空間によって左右されないコンテクスト独立的な客観的知識(形式知)
- テクネ(技能)
今の日本の学問の世界では、どうも賢慮がないのかもしれない。