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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:東芝、CFOを防波堤に」から

2016.3.28   日経産業新聞の記事「眼光紙背:東芝、CFOを防波堤に」から

財務部門の発言力の強化

コラムの著者が語るには、会社会計の不祥事に揺れた東芝で、有望な事業のM&Aよりも重要な企業統治(コーポレート・ガバナンス)についての改善があるという。

○CEOや会長の一存で変えられないCFOの仕組み

同社は、医療機器子会社の売却やフラッシュメモリーへ大型投資など関心が集まっているが、コーポレート・ガバナンスの点で、興味深い試みがあるという。

今回不祥事に、CFOが会計操作のカラクリを知りながら、社長(CEO)の強い圧力で利益優先を迫り、結果的に数字の水増しを続けてしまうという場面が、第三者委員会の報告にも登場したという。

そこで同社は取締役会の指名委員会にCFOの選任解任同意権を与えることにした。現行の会長や社長の一存で財務のトップのすげ替えることを防ぎ、今後CFOの交代に社外取締役で構成する指名委員会の同意が条件になる仕組みである。CFOの権威と独立性を高めて、トップの暴走への防波堤にする狙いである。

ただ、企業統治については完全な施策といったものはない。いち早く委員会制度を導入した同社だけに制度だけでは不十分とみる向きもある。その改善を継続することで企業文化の変革につながると信じたいところだ。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:コーヒー『死の願望』米で人気、カフェイン2倍、熱心ファン」から

2016.3.25   日経産業新聞の記事「流行を読む:コーヒー『死の願望』米で人気、カフェイン2倍、熱心ファン」から

ファンが押し上げたブランド

コラムの著者 竹内 道氏(アークメディア社長)は、世界最強のコーヒーというふれこみでコーヒー豆・粉を販売しているデスウィッシュコーヒーカンパニーの起業ストーリーを追って、顧客のロイヤリティーのあつさがブランドを押し上げたことについて語っている。

○強烈な名前、デスウィッシュコーヒー(英語の意味では「死の願望」)

同社は2012年に米ニューヨーク州北部の街でスタート。創業者の社長、マイク・ブラウン氏は地方公務員だったが、地元のカフェを買って独立起業した。その中で、毎日コーヒーを愛飲している顧客からカフェインの強いコーヒーが飲みたいという要望が多いことに気づき、数年かけて独自のコーヒーを開発。事業を製造販売にしぼった。強烈な「死の願望」(デスウィッシュ)をブランドに打って出た。

米国で中小企業の米会計ソフト会社インチュイットの主催するビジネスコンテストに応募することになった。このビジネスコンテストは、優勝した会社にスーパーボウルの30秒テレビスポットが授与される。ご存知のように、その価値は、500万ドル(約6億円)という高価格で、これが無料で手に入るチャンスである。

 コンテストはファンの投票数で決まり、応募1万5千社で今年。同社はめでたく優勝した。デスウィッシュコーヒーカンパニーが優勝しことで、延べ1億1100万人が視聴したテレビの祭典でCMを無料で放送することとなった。

直ちに同社の売り上げは2倍、販売したい小売りが殺到した。実はこのファンは多くが男性の深夜仕事をする人たちで、カフェインの強さナンバー1への同ブランドへのロイヤリティーはあつく、コンテストの投票もファンからの支えであったという。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:社用車のナンバー、秘めた思い」から

2016. 3.29   日経産業新聞の記事「眼光紙背:社用車のナンバー、秘めた思い」から

企業幹部の社用車

コラムの著者は、取材のために企業幹部に会うためにホテルなど待ち伏せするという。その際に、企業幹部の社用車から類するして相手を待つのだという。

○社用車の種類が均一化して見分けがつかない昨今

最近の社用車は、クラウン、フーガなどでほとんど同じで見分けがつかない。三菱系の企業であればデボネアを利用する幹部が多く見分けがついたという。使っている幹部も見分けがつかなくなることもあるという。

そこで最近は社用車のナンバープレートを自社にちなんだ語呂合わせにするところが多いという。

例えば、

  • 上場を機に消えてはならない自社の証券コード
  • 創業100年以上の企業は創業の西暦
  • 「2050」のように、2020年にはシェア50%突破

などだ。そこに自社への秘めた思いがあるようだ。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ユーザーのアイデア活用、中小企業に可能性開く」から

2016.3. 24  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ユーザーのアイデア活用、中小企業に可能性開く」から

ユーザーに寄り添い粘り強く商品化する姿勢で新規の応募を広げる

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、大手よりも優先することで中小企業でも開発の優位性をもつことを事例をつかって紹介している。

○消費者のアイデアを生かした中小企業

消費者のアイデア、ユーザー・イノベーションを積極的に活用するという姿勢が新しい市場創造の可能性をもつという。事例としてプラスチックメーカーの朝日電機化成(大阪市)を取り上げ、懐中電灯の下請け業で50億円の売り上げがバブル崩壊で8億円までに減少。そこで下請け業からの脱却を求めて、自社オリジナルの「スマイル・グッズ」という製品群を開発する。現在、このブランドで年商23億円に達する。

このブランドを支えたのはユーザー・イノベーションの活用だという。

  • 銭湯ご主人が番台で暇なときに考えた、安全で簡単に抜ける電気プラグ。横のレバーを握ると先端からバーが出て安全に抜けるもので「らくらくプラグ」として製品化。15年間で70万個を超えるヒット商品になった。
  • 主婦が10年をかけてレモン絞り器の改良実験を木製の試作品で利用実験。絞りやすい形状を探し当て、「レモンしぼり革命」として製品化。30万個のヒット商品になった。

こうした話をTV番組とタイアップしてアイデアから試作、製品化へと結びつける番組として人気を得て、応募も増える。同社では、

「中小企業は自分たちのアイデアだけでは足らず、ユーザー・イノベーションは不可欠」

だという。ユーザーに寄り添う姿勢が粘り強く商品化を進め、さらにその過程が新たな応募者を刺激するというエコシステムが出来上がった。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:多難な解雇の金銭解決」から

2016. 3.23   日経産業新聞の記事「眼光紙背:多難な解雇の金銭解決」から

安倍政権の成長戦略だが

労働紛争を解決するルールの整備を構成労働所の有識者検討会で議論されている中で、解雇の金銭解決制度がある。コラムの著者は、その課題について触れている。

○解雇が不当であった場合の復帰手段から

解雇が裁判で不当とされたとき、職場が復帰であるのが本来である。しかし、紛争で信頼関係が崩れた場合、金銭補償をすることで関係を清算し、当人の再出発をしやすくするという制度であるという。一定の補償金を必ずもらえるように、算定のルールを設けることを検討している。

この制度を十分に機能させるには、先進的に制度を導入している欧州諸国の専門家の意見を聴取しているが、実際は各紛争の事情が異なることが多いためにケースバイケースになることが少なくないという。

日本で算定式を作る場合も労使双方が納得できるものにするには至難であろう。補償金が高めになれば中小経営の抵抗は必至であり、低めなら労働組合などの猛反発がみえている。さて、安倍政権の成長戦略の施策であるが、落とし所はどうだろうか? pchappy01