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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:偽装か誤表示か、科学的合理性で一目瞭然」から

 2013.11.12   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:偽装か誤表示か、科学的合理性で一目瞭然」から

科学的合理性で成り立つ科学技術立国であるはずなのに

コラムの著者 和田昭允氏(東京大学名誉教授)は、最近のホテルのレストランでの材料表示についてやや皮肉をこめて、科学的合理性で判断しない議論を疑問視している。。

○偽装か誤表示の水掛け論

ホテルのレストランのメニューでエビなどの表示が間違っていたという。それが一斉に系列ホテルで出てきたものだから、偶然といっても奇異に思うであろう。マスコミも「偽装」か「誤表示」かと不毛な水掛け論を繰り広げているように思える。

和田教授は、ここで科学的な考察を提示している。誤表示の件数を仮に40品目と仮定してみる。

  • うっかり表示なら:材料の違いは高額と低額は半々で20件になると考えられる。ところが、40件全部が高額の材料と勘違いしているという点も不自然。
  • この確率を計算:本当にうっかり表示なら、価格の高低で1/2の確率。であれば、40件全てが高額に間違えるのは、 投げた40枚のコインが全部表になる確率と同じで、(1/2)^40 つまり、1兆分の1の確率である。
  • これは、ジャンボ宝くじの1等が当たる確率は1千万分の1であるといわれていることから、誤表示の確率はそのまた10万分の1で、ほとんどあり得ない数字ということになる。

このように、日本語の解釈はいろんな意味で曖昧さを残すが、科学技術立国を標榜するなら、国際的に通用する科学的合理性で議論するのが当然と和田教授は、多少の皮肉を残している。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:コンビニ舞台に『カフェ戦争』」から

2013.11.8  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:コンビニ舞台に『カフェ戦争』から

コンビニ需要の火付け役に

コラムの著者 中村 泰子氏(ブームプランニング社長)は、コンビニエンスストアでのオリジナルコーヒーの導入について考察している。

○セルフ式のコンビニ・カフェの人気

 スターバックスなどが火付け役となったカフェブーム。しかし、最近は、これらのチェーン店以外のコンビニのオリジナルコーヒーをもつ人も増えたという。

 一般的なコーヒーの購入志向は男性比率が高いとされているが、安い・速い・気軽・おしゃれといった志向で、調査によると女性比率が多いそうだ。コンビニ・カフェは、新規顧客として女性を引きよせている。

 ある30歳代の女性は、

『安いしおいしいし便利。毎朝買うようになった』

とのことで、これまでは出勤前に遠回りをしてカフェによるのが定番だったのが、コンビニ派に転向したという。財布に優しい価格設定なのに、高品質の豆に拘っていることが女性の心を捉えている。

○PB(プライベート・ブランド=自主企画)の先

コンビニの来店者数、客単価はこのところ頭打ちだという。PB商品での差別化も厳しくなる一方。そこで、カフェは、コンビニの”顔”となるという。「ついで買い」を誘う戦略である。店内にくつろぎのスペースを設けたり、コーヒーにあうデザートやパンを充実させたりといった動きだ。

PB商品戦争の先はどうやらコンビニ・カフェ戦争のようだ。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:モノ・インフラ・サービスの融合、イノベーション実現を」から

 2013.11.8   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:モノ・インフラ・サービスの融合、イノベーション実現を」から

三位一体でイノベーション

コラムの著者 丹羽清氏(東京大学名誉教授)は、新産業を生み出すイノベーションの実現には、従来はモノ・インフラ・サービスをそれぞれの課題克服に終始していたが、国際的な競争に打ち勝つためにはこの3つの分野が三位一体で融合しなkればならないと説いている。

○日本の強みを生かす

モノづくり技術・インフラ・サービスを融合することがミソという。これまではそれぞれの分野に深化することで各企業は差別化出来たが、業種業態を超えるような動きがなければ新産業を支えるだけの競争力は生まれないと丹羽教授は説く。

コラムでは事例として「ななつ星」が引用されている。「ななつ星」は、JR九州が10月に運行し始めた豪華寝台列車のことである。この列車でJR九州は単なる鉄道というインフラ運営者だけでなく、料理や接客サービスを組合せ、動くレジャー空間を創出した。

このように既存の分野から飛び出すことで新規事業が開けてくる。さらにアベノミクスで、インフラ事業を海外に売ることも後押ししている。そこに「おもてなし」サービスを付加すれば、国際競争力が上がり成長戦略も実行しやすくなると、丹羽教授はいう。

これまでの短期的な選択と集中ではなく、各事業部門や産業界の垣根を超えて挑戦することで新規事業を創出できるのではないか。まさに、モノ・インフラ・サービスの摺り合わせが必要かもしれない。sign03happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:アマゾン創業者夫人の『ダメ出し』」から

2013. 11.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:アマゾン創業者夫人の『ダメ出し』」から

自分に評価軸がないと判断に迷う

コラムの著者は、米アマゾン・ドット・コムで販売されている、これまたアマゾン創業者に対する著書で、手厳しい書評をつけたのが、書かれた創業者の夫人と、複雑な話題を通して、消費者自らの評価軸について語っている。

○話題の夫人の書評

アマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏の実像に迫ろうと、大手メディアの現役記者が10月に出版した。書評は、☆が1つで、

『不正確な点があまりにも多く、残念ながら全体に疑問を持たざるを得ない』

『ノンフィクションの範囲を超えるテクニックを使い、偏っていて誤解を招く』

と酷評。

結婚して20年の夫人の書評を信じるか、近親者ゆえのバイアスとみて疑うか、賛否がある。実際11月7日時点で約3千人のうちの9割が、この書評は役立ったと答えている。

○作家の対応

これに対して、平均的な評価は☆4つで悪くはない。作家は米紙のインタビューで「間違いがあれば喜んで正す」としている。更に、300人のインタビューによるものだとも答えているという。

さて、あなたなら、「買い」か「買わない」か。bookhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:モノを買わない日本人」から

2013.11.7   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:モノを買わない日本人」から

答えは「現代の日本人にはモノよりだいじなものがある」

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)が語るのは、野村総研が1997年から3年ごとに行っている「生活者1万人アンケート調査」の最新版のまとめである「なぜ、日本人はモノを買わないのか?」(東洋経済新報社刊)に対する考察である。

○同書が示す消費傾向

「好きな分野では高級品を、それ以外ではほどほどの普及品を購入する」

というメリハリ消費が傾向としてあるようだ。

三浦教授によると、メリハリ消費は1980年以降社会の経済の払底にあるようで、「お金を多く使うより、善く使いたい」に変わってきたことが重要だそうである。つまり、同調査では「目指したいライフスタイル」で

  • 「地球にやさしい生活」(35%)>「高い車に乗り、豪華な生活をする」(4%)

となった結果から、メリハリ消費をしつつも、社会や環境のために「お金を善く使いたい」という新しい意識に変わっている点である。これは消費社会の転換点ではないか、と三浦教授も考えている。さらに、今回の調査で「嫌消費世代」が若者に出始めていることである。

 一世代前の若者と比べ、自動車や高級ブランドなどの支出は減り、心地よい生活をするためにファッションや家具、趣味や教養、通信費への消費は増えているという。つまり、若者層でも「嫌消費世代」として、心やコトを希求するする人たちが増えているという。

 モノよりコトやつながり、社会や環境を希求する消費者が今後増えるとの結論だ。各社はこのニーズにどうこたえる戦略を立て直す必要があろう。