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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:シェアかブランド価値か」から

2013.6.3  日経産業新聞の記事「眼光紙背:シェアかブランド価値か」から

為替変動とブランド価値

コラムの著者は、米アップルと独フォルクスワーゲン(VW)のブランド戦略と日本の企業に対するブランド価値について比較している。

○値上げのアップル、不変のVW

 iPadの価格を米アップル社が値上げし、円高修正したようだ。それに対して独VWは、円高だからと言って無断を下げないし、円安だから安易に揚げないという。
 コラムの著者が言うには、このあたりの両社のブランド戦略が見え隠れするという。VWはブランド戦略がうまいことで定評。CMでも主に連呼するのはVWの社名のみ。主力商品の名称ではない。ブランドは中長期的に築きあげるものという。一見逆をいくアップルは、値引きをしない企業としてのメッセージをすでに市場にブランドとして築き上げているために、円高になり価格を戻しても、ユーザに対してはブランド価値は不変というイメージを保てる自信があるようだ。

○値引き競争に巻き込まれる日本企業

 一方、日本企業は、円安ウォン高を背景に韓国で値下げや値引き競争に積極的だという。シェア第一位の現代自動車から少しでも食い込もうというかんがえであろうが、ユーザーから見てブランド価値を重視していないと見えるのではないか。carhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:テレビ番組の録画再生、高年層、若者より満喫」から

2013.5.31  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:テレビ番組の録画再生、高年層、若者より満喫」から

通説通りでない映像コンテンツ産業

コラムの著者 奥 律哉氏(電通総研研究主席兼メディアイノベーション研究部長)は、アナログ放送の停止以後のデジタル録画再生機の普及率が8割前後となった今、誰がどのように使っているかなどの実態について語っている。

○電通の生活者データベースd-campのデータから

2012年関東地区で

  • 若者層:12歳から20歳代
  • 中年層:30歳から50歳代
  • 高年層:60歳から64歳まで

の傾向を同データーベースでみると、

・各フル―プで録画再生をする人の割合:

  • ②若者層:52.2%
  • ①中年層:65.3%
  • ③高年層:49.3%

となった。録画再生する人の1週間平均の再生時間:

  • ③若者層:190.6分
  • ②中年層:210.8分
  • ①高年層:215.9分

となった。どちらも予想に反して、中年層や高年層が上位で若年層は上位ではない。つまり、「ヘビーユーザ=高年層」であることが分かった。また、普及率が低い時代に購入したユーザーより、最近購入したユーザーの方が積極的に利用しているという。

○通説通りでない

「若年層はメディアリテラシーが高く、デジタルデバイスを使いこなす」、「市場導入直後のユーザーがコアなターゲットであり、市場をけん引する」といった通説とは異なった調査結果となった。

映像コンテンツ産業も通説に惑わされずに、この調査のようにシニアの観察が必要なようだ。tvhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:次のトレンド占う展示会」から

2013.5.30  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:次のトレンド占う展示会」から

エシカル(倫理的)市場は商品の多様化から

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)は、貧困や環境など社会問題の解決に貢献する「エシカル(倫理的)」を軸にした魅力的な商品がこの日本からも生まれてきていることについて触れている。

○日本最大のファッションとデザインの合同展示会「Rooms(ルームス)」

服飾雑貨輸入販売のアッシュ・ペー・フランス(東京・渋谷)が主催する展示会ルームスが、銀座三越で期間限定ショップを開いた。内容は、エシカルなものをセレクトした商品。カジュアルからラグジュアリーまで。カテゴリとしては洋服から生活雑貨や自転車まで幅広い。同エリア担当ディレクターの坂口真生氏によると、「・・・今なら消費者が求める精神的な価値を新たなライフスタイルとして提案でき、未来に繋がる市場をつくっていける」と語っている。

○購買層は商品の多様性を求めている

最近はカジュアルな商品の購買層とラグジュアリーな商品の購買層が分かれているのではなく、同じ消費者がシーンごとに使い分けている傾向があるという。と考えると、エシカルの市場は商品の多様性がないと開かれない。各業界でも注目されているエシカル。多くのクリエーションがそこには必要で、時代の先取りができる感性がそこには必要であることが分かる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑮:相手の理解度に沿う」から

2013.5.30   日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑮:相手の理解度に沿う」から

相手の疑問を知る

コラムの著者 清水久三子氏(アンド・クリエイト代表)は、企画書で提案者側と相手に主張や根拠を上手く理解してもらうポイントについて解説している。

○相手の疑問≠提案者の想定する疑問

このずれが企画を理解してもらう場合致命的であると清水氏は語る。そこで、このずれを解消するために清水氏は「4つの不」について考えることを勧めている。

提案を受ける相手を4つのステージに分けて、相手はそのステージにいるかを考え、メッセージの力点を変えることだと清水氏は指摘する。

○「4つの不」

不信・不適のステージ:提案内容や商品を良く理解していない。:必要性の主張

  • そもそも何を勧めているのか?
  • なぜそういうものが必要か?

「主張」が主で、そもそもの「必要性」が訴求ポイント。

不要・不急のステージ:内容は理解したが、他に優先順位が高い事項がある。:緊急性の主張

  • なぜ、今やらなくてはいけないのか?
  • Why now?

トレンドや今やらないとどうなるかを説明し「緊急性」を主張。

不経済のステージ:緊急性は理解されたが、経済性に疑問。:優位性の主張

  • 欲しいけど高いのでは?
  • あるもので良いのでは?
  • 自分でできるのでは?

比較対象となる他の商品・サービスとの品質やスピード、価格の比較などを行って、自分でやるよりこちらを選んだほうが優位性があることを示す。

不安のステージ:本当にこれを選んでよかったか。:信頼性の主張

  • 選択肢の中で本当にここから買って間違いないか

商品自体やそれを販売する実績など信頼性を主張する。

○相手の理解度は変化する

相手の理解度は、提案や検討の進捗で進み、商品やサービスの市場での浸透性で変化する。新商品では、①のステージの壁が厚いといった、相手がどの段階にあるかを知って、提案を組み合わせていくことが重要だ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「パッケージNOW:チョコの容器はCDケース」から

2013.5.28  日経産業新聞の記事「パッケージNOW:チョコの容器はCDケース」から

大量生産にはできない個性的なパッケージ

コラムの筆者 竹原あき子氏(工業デザイナー)は、フランスのチョコレート専門店のパッケージを見て、大量生産にはできない、個性的で少量の製品に必要なパッケージについて語っている。

【大都会パリでも個人経営の食料品店で買い物】

食にうるさいフランス人は、顔見知りの青果店、精肉店、チーズ店、パン店、チョコレート店といった専門店で買い物をする習慣を捨てないという。最近、そういった専門店の中でチョコレート店の成長には目覚ましいものがあるという。

【チョコレート製造だけでなく個性的なパッケージで競う】

竹原氏がパリで見たシルヴァン・ミュシイ(Sylvan Mussy)氏というチョコレート職人の店のショウーウィンドーで釘づけになったというのは、透明なCDケースをパッケージにして、チョコレートを入れたもの。CDよりは厚めだが、表面には季節の行事をシルクスクリーンの技術で再現した漫画が載せてあるという。他にも透明な口紅のパッケージや動物のパズルなどアイデアがいっぱい詰まったパッケージを提供する。

先ずパッケージがあり、正反対のプロセスで商品展開を行うやり方は、多品種少量で個性を重視する消費にはヒントになりそうだ。presenthappy01