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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本企業、不測事態に強くなった?」から

2012.11.1   日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本企業、不測事態に強くなった?」から

変化の予兆を知り、リスク管理する日本自動車メーカー

コラムの筆者は、欧州や中国の経済情勢の中で、日本の自動車業界が健闘していることに触れている。

○日本の自動車メーカーの経験値

4~9月期の業績が好調であった企業に三菱自動車や富士重工業などの名前が挙がっている。両社は東南アジアや米国で販売を伸ばし、大きく利益に貢献した。日産自動車も中国への依存度が最も高いため通期の収益見通しを下方修正すると言いつつも、2012年3月期の営業利益水準は確保するとのことだ。

何れにしても、「何が起きて右往左往するようなことはもうない」と日産のある幹部は語ったという。つまり、業種や販売国ごとに収支や資金繰りなどの状況を日常的に管理。分析し、定期的に経営陣で判断できるという。変化の兆しをみて、影響を最小限に食い止める体制ができているという。カルロス・ゴーン社長も社内外でキャッシュフローが今最も重要であると語っている。

リーマンショック、東日本大震災やタイの洪水に日産は見舞われたが、これらをリスク管理の巧みさで乗り越えてきた。いよいよ日本企業もリスク管理の巧者として新境地に立てるかが正念場であろう。carhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ブランド認知力」から

2012.11.1  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ブランド認知力」から

持っても使える松坂牛

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が取り上げるのは、高級和牛として海外にも有名な松坂牛とかばんのコラボについてである。

【大手かばんメーカーのエース(東京・渋谷)の企画】

同社が9月下旬に発売した「松坂レザーバック」が話題を集めているという。松坂牛に素材を限定して仕入れ、タンナー(製革業者)になめしを委託し、素材・加工・縫製のすべてを国内で手掛ける、『メード・イン・ジャパン』の鞄である。

企画のきっかけは、イタリアでの調査に「メード・イン・ジャパンのバックをイタリアで販売するにはどうすれば良いか」に対するものに「日本と言えば『マツサカビーフ』」という回答が多かったからだという。

そこで同社のマーケティング部の森川泉氏は、松坂牛を素材とすることを検討し始めた。

【技術課題を克服した西岡製革所(兵庫県・たつの市)】

実現には2つの課題があった:

①通常の北米牛に比べ油分が3倍多い:なめしの段階では油分を巧くコントロールしなければならない。

 試行錯誤の結果、西岡製革所は松坂レザーを制作。

②限定された松坂牛での製作:通常はなめし過程後の素材を利用するが、それでは松坂牛の素材は少ない。

 バック素材用に松坂牛600頭の原皮を直接購入して製革所になめしを委託した。ただし、天然の原皮は品質にバラツキがあり、通常は選んで鞄にできるが、今回は選んではできないため、「スムースレザー」「シュリンクレザー」「エンボスレザー」という、皮の表情と価格のことなる3ラインを設定した。

ブランドの認知力をバッグに転用しようとする着想と、それを成し遂げる企画は見事だと、西岡教授は称賛している。メード・イン・ジャパンの成功を期待したい。happy01scissors


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「質問力で商機をつかむ⑤:『柔』の交渉スタイル」から

2012.10.31  日経産業新聞の記事「質問力で商機をつかむ⑤:『柔』の交渉スタイル」から

質問調のコミュニケーションで議論を膨らませ建設的に

コラムの筆者 中野俊宏氏(HRインスティテュートチーフコンサルタント)の今回の話題は、話し相手に何かを気付かせるような「柔」のスタイルである。

○「柔」の交渉スタイル

自分のやり方や実績に自信お有る人が多い職場では、「それはおかしいでしょう」といった直線的な主張がはびこり、結論が出ず、雰囲気もギスギスしがちだという。このような職場で「剛」の交渉スタイルから「柔」に帰るには、質問調の会話を推進することで改善するという。

  • 「○○の可能性もありすよね」:相手も話に乗りやすい
  • 言いにくいことを指摘する場合:「成程、そういうやり方も考えられるのですね」「もし、別の切り口があるとすれば、○○のようなやり方はいかがでしょうか」といった、相手の考えを一旦受け止め、その上で代替案を投げかける
  • 相手に何かを気付かせる場合:「素朴におもったのですが」という前振りを入れて「どうして、この進め方なんですか」と質問。相手が丁寧な説明をしてくれたら、相手もそのうちに、固執した方法に気付く。その際に「代替案はどんなことが考えられそうですか」と促す。
  • 「例えば」、「具体的に」:相手の曖昧な考えを明確にする
  • 「つまり、どういうことですか」:話の拡散を防ぎ、視点を上げる
  • 「他にはどんなことがあるんですか」:情報に根拠が乏しい時

何れにしても相手に、視点を上げたり、拡げたりしながら、相手に気付きを与えるように誘導していく。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:法の想定外、新領域が続々」から

2012.10.31   日経産業新聞の記事「眼光紙背:法の想定外、新領域が続々」から

現実と法律の差異は未知領域に

コラムの筆者は、市場変化や新規事業で変化してきた法律が一層国際化によって現実との差異を拡げていることを語っている。

○法律の想定外と新規事業

コラムの著者は、これまでの法律から、例えば、

  • 独占禁止法:新日鉄と住友金属の合併:アジアでの一部製品のシェアが注目された。
  • 労働者派遣法:1986年、輸入された人材派遣サービスを追認。それまでの雇用主と使用人が異なる働き方を想定していなかった
  • 消費税:海外サーバーからのコンテンツ配信への課税は不透明。財務省も今後課税の方向で検討中であるが、国境を超えた取引全体を課税するのは難しい。
  • 個人情報保護法:スマートフォンからの情報流出問題で海外企業への同法の適用はない

といった事例がある。

今起こっている現実と法律の差異は、産業の成長と国際化一筋縄では行かない状況である。どこまで規制し、新領域でのワクを自由化するのか、世界各国は次段階に入ったようだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「実践!ワークライフバランス(WLB)経営⑪:残業減らし業務を改善」から

2012.10.30  日経産業新聞の記事「実践!ワークライフバランス(WLB)経営⑪:残業減らし業務を改善」から

残業時間の削減は日々の積み重ねで考える

コラムの筆者 渥美由喜氏(東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長)は、WLBで対象にされる残業を減らす場合のコツを語っている。

○何時間削減するかを目標にしてはいけない

 渥美氏が語るには、残業時間を何時間減らすかを目標にしてはいけないという。仕事の時間が減るという意識を持つと、まじめな人ほど、仕事の質が落ちるのではないかと不安がでるという。

 さらに、必要だと分かっても、気持ちがついてこない場合はどんな取り組みも形骸化してしまう。渥美氏のところに相談に来る企業は、「この職場で月に40時間程度の残業を20時間減らしたい」といった要望がくる。しかし、渥美氏は、逆に、「もし月に20時間余裕があった何をしますか」といった前向きな質問に変え、各位の希望を聴き、それを職場で共有してから、業務改善に取り組む方が良いという。

○「うちがいかに大変かわかっていない」という意見

どこでも聞かれる意見のようだ。しかし、1年で例えば残業時間を半減させるには、年間の営業日数(240から250日)、一日当たりの削減率(0.3%)とすると、1日当たり2時間の残業時間の職場であれば、0.3%は22秒である。今日よりも明日は22秒短いといったことを繰り返せば1年後は半分になる計算である。

もちろん職場の繁閑の波があるため、これを考慮しても1週間程度なら0.3%減らせる。一人だけで続けられないならチームで取り組み、削減アイデアを募って、2~3か月かけて毎日1つずつ、出てきたアイデアを実践する。それが、やれば出来るにつながるという。

○業務の見直し5つのポイント

渥美氏が語る削減策のポイントは、①やめる ②簡単にする ③真似をする ④してもらう ⑤一緒にする ことだという。例えば、「やめる」を実践したA社の事例は、「新しいことを考えるときは2割これまでやってきたことをやめる」とした。当初は現場から仕事に支障が出るとの反対があったが、支障がでたら元に戻すことを条件に推進。1年後、一旦止めた業務の5%を戻したが、何ら支障はなかった。同部門の残業は3割程度減ったという。惰性の見直しで、本当にやりたいことにエネルギーを向けた結果であったhappy01