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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「実践!ワークライフバランス(WLB)経営⑦:制約ある社員を生かす」から

2012.10.2  日経産業新聞の記事「実践!ワークライフバランス(WLB)経営⑦:制約ある社員を生かす」から

「お互い様」の職場風土作り

コラムの筆者 渥美由喜氏(東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長)は、WLBを推進する際に従業員と企業の関係は支援と貢献という見方で考え、育児など制約ある社員に対して正当な眼を持つべきだと指摘している。

○「支援と貢献」

企業は従業員の様々なライフステージのニーズに応じて支援をする。一方、支援された従業員は仕事を頑張って貢献しようとする。支援されることばかり主張するような従業員が一人でも職場にいると、周囲には不協和音が生まれる。ただ、正念場となるような危機を乗り越えるとき、「お互い様」といった気持ちで協力し合えると、育児などで時間的な制約があっても、本人は時間を効率よく使うし、周りも協力して全体として効率が上がるという。

逆に24時間働けますといった管理職では、部下のマネジメントで失敗しやすい。それは、制約があった社員のアンケートにも出ているという。

  • 育児を経験していることにより仕事の上で変化したことがありますか?
  • 70%の女性が、「効率的な働き方ができるようになった」
  • 60%の女性が「地域の交流で視野が広がった」

との結果を得ているという。生活面での体験が豊かな人ほど相手に合わせるマネジメントができるという。

制約社員は職場のお荷物と思われることが多い。しかし、周囲が適切な支援を行えば、本人も頑張って貢献しようとする。よって時間的制約が出来ることで、総生産性は一時的に下がるかもしれないが、時間当たりの生産性はむしろ上昇し、結果的に制約がなくなった社員は高まった効率的な業務を身につけて長く働けることになる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:小売業に再び冬の時代」から

2012.10.1   日経産業新聞の記事「眼光紙背:小売業に再び冬の時代」から

震災後の特需を先送りしたツケ

コラムの筆者の口調は厳しい。今週、多くの小売業の中間決算が発表されるが、サプライズなしで1年前の中間決算よりも厳しい結果となるという。

○先送りした構造改革

震災後の一時的な買いだめ等の特需により、業界は潤った。その反動が今回の決算に表れるという。と同時に、震災前まで進めていた構造改革が、震災後の特需によって後退し、先送りにされたことが要因ではないかという。

事実、大手のスーパーや百貨店は、昨年不振店舗の閉鎖をほとんど行わなかったという。特需のおかげで、それまで不振であっても、お客が押し掛け、商品が売れたためだ。つまり、震災がなければ閉鎖となった不振店舗がそのまま放置された状態で先送りになった。

特需が去った今は、本当の実力が露呈し、最近になって店舗閉鎖や人員削減といった処置に動いている。改革に遅れた小売業に再び冬の時代に突入するのは目に見えている。wobbly


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:あずまや風建物『パーコラ』、森の国の恵みを生かす」から

2012.9.28  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:あずまや風建物『パーコラ』、森の国の恵みを生かす」から

真の森林王国を目指して

コラムの著者 平林千春氏(東北芸術大学工科大学教授)は、東北で経営的に厳しい林業を知恵お絞り発展させている町の話を解説している。

【国土の7割近くが山林という日本は森林王国】

なかでも東北は森林面積の占める比率が高く、森林を活用した産業や生活が成り立ってきた。山形県の最東北部にある金山町は定評のある金山杉を産して発展してきた。

しかし、林業はコスト高や販売不振、高齢化による人手不足で、経営が立ちいかないのが各地の多く、山林の荒廃が進んでいるという。林業を成り立たせるには、適時伐採と成長途上の木を間引く間伐で森林環境を守るには必須だという。特に間伐材の利用がポイントである。

【たくみまさの(金山町)の「パーコラ」】

金山町の本社を置く「たくみまさ」(正野直弥社長)は、間伐材を使って、パーコラ(簡易なあずまや風の建物)を開発した。テラスの上部に植物などを乗せて日陰の空間を創りだすしゃれた小屋である。すべて杉の丸太材を使い、ボルトで創る「組み立てキット」として開発。木材は防腐剤を注入して長時間の使用にも耐える。社長の正野氏は、「独りで静かに過ごせる空間の確保と演出を心がけた」という。

林業の再生をかけて間伐材を始め木材の新たな用途を開発することが求められる。パーコラは森林王国の新たなシンボルとなるか?happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:地域ブランド」から

2012.9.27  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:地域ブランド」から

多種多様ではあるが筋の通った地域経営が成功を導きだす

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)が、地域ブランドから観光学、都市計画から地方行政まで地域の研究を行う地域デザイン学会第1回全国大会(@明治大学)に参加し、その様子を伝えている。

【シンポジウムでの興味深い話】

原田保会長(多摩大学教授)をコーディネーターとして

  • 森川裕一氏(奈良県・明日香村長)
  • 石川雅己氏(東京都・千代田区長)
  • 長沼明志氏(埼玉県・志木市長)

の講演があった。

○明日香村(森川村長)

高松塚古墳で有名な明日香村では、「まるごと博物館づくり」を解説。地域全体の魅力を高める取り組みで観(みどころ)・感(体験)・泊(宿)・食(食事処)・買(お土産)という5つの生活次元へ具体的な広がりを提案。

■地域経営の目標:明日香、奈良、日本の価値を伝えること

○千代田区(石川区長)

昼間人口の10%が大学・専門学校生という点を活かして11の大学と多くの連携事業を推進。一方、歩きたばこやポイ捨てに対しては生活環境条例を制定してきれいな街へと変身させた。

地域に集う住民、学生、社会人、行政が皆で共同参画社会を創ることを強調した。

■地域経営の目標:安全・安心

○志木市(長沼市長)

県内最低で1位の介護保険料、元気なシニアの市と胸をはる。健康という1つの社会資本の創る行政の取り組みを行っている。

■地域経営の目標:子育てのしやすさ、教育の熱心さ

いづれの地域でも首長がしっかりとした筋をもって使命を果たしていくことが重要だという。happy01

 


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:後継者難、危機的状況に」から

2012.9.26   日経産業新聞の記事「眼光紙背:後継者難、危機的状況に」から

事業承継問題に対する防衛

コラムの筆者は、東京と大阪の中小企業経営者が共同出資して作った会社「MDファクトリーHS」(東京・葛飾)が事業継承支援に乗り出すことに触れて、危機感の高まりについて語っている。

○事業の継承先

事例として、大阪の弁護士や労務、税務の士業ネットワーク「なにわ士業ネットワーク」と組み、MDファクトリーは各地にある中小企業グループに声をかけ、継承先に適した企業を選定、事業元は技術の目利きを行ってマッティングを行うものである。

コラムの著者が指摘するように、多くの中小企業は、業績悪化だけが廃業の理由ではない。

  • 息子が継がない
  • 息子が幼く、任せられる幹部社員がいない
  • 幹部社員に譲ろうと打診したが、会社の借金のために断られた
  • 任せようとした職人がなくなった
  • 経験のない嫁婿に家業を継がせようとしている
  • 息子が大きくなるまで孤軍奮闘で頑張る

といった内容で、技術も収益性もあるにも関わらず、事業継承がうまくいかないため廃業するケースもあるという。一旦廃業すれば、人財やノウハウは離散してしまう。

中小のモノ作りの背景に世代を越えた課題があることを忘れてはならない。happy01