Previous month:
2012年2 月
Next month:
2012年4 月

2012年3 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:被災地の福祉作業所」から

2012.3.2   日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:被災地の福祉作業所」から

被災地物産品で支援する企業を募集

コラムの著者 高嶋健夫氏(フリーランス・ジャーナリスト)が支援を期待しているのは東日本大震災の被災地の福祉作業所の支援である。

【被災地の福祉作業所支援の輪が広がる】

・販売支援プロジェクト「ミンナDEカオウヤ@100」:インサイト(大阪市、障害者関係のコンサルティング会社)とアイエフネット(東京・港区、障害者の積極雇用)の共同プロジェクト。

⇒「牛タンカレー」「油麩丼」等の作業所が製造する物産品を「販売パック」にして企業やNPOにおろしてもらい、経費を除いた分を作業所に還元する。

⇒2010年5月スタート。インサイト社長関原深氏が発案。現在60施設の313商品を、積水ハウスが提供した大阪・梅田の常設ショップなど全国29店舗で販売。

⇒累計220イベント、売上3300万円程度

・「【PRe】Nippon(プレニッポン)」プロジェクト:羽塚順子マザーネス代表ら3人が「さぽーとぴあ」(福島県相馬市で作業所を運営するNPO)と連携。

⇒不要な書籍の校正用紙(ゲラ)をファッショナブルな和とじの自由帳「ゲラメモ」を開発。11日~販売予定。

○息の長い支援が必要な今、企業参加を希望とのことである。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「『スカイツリー』完成、そびえ立つ技術の『広告塔』」から

2012.3.1  日経産業新聞の記事「『スカイツリー』完成、そびえ立つ技術の『広告塔』」から

世界一の高さは世界一の技術から

コラムの著者 山根昭氏は、2月29日に完成した東京スカイツリーに多くの世界トップクラスの技術のまさに広告塔であると解説する。

【東京スカイツリーが採用した新技術】

  • ゲイン塔の円形鋼管(神戸製鋼所・佐々木製罐工業):高強度鋼板を特殊なプレス機で加工し、強風でも耐震性を失わない円形鋼管を共同開発。
  • ゲイン塔のリフトアップ工法(大林組):本体の工事と並行にゲイン塔(突端の部分)をスカイツリー本体の内部の地上で組み上げた後に引き上げて設置。工期を大幅に短縮。
  • 氷雪の落下防止設備(日建設計・大林組):2つの展望台の屋上に設置して、雪や氷を溶かし、排水として処理。
  • 「心柱」による制震構造(日建設計・大林組):木造建築の五重塔を支える「心柱」を応用し、中央部の鉄筋コンクリート製の円筒を設置。外周部とは別の構造となる心柱によって地震発生時に重しとして働き、揺れを抑制する。
  • オールLEDのライトアップシステム(パナソニック):1995台のLED照明を一括管理制御してゲイン塔を照らす。
  • 外周部の新型鋼管(新日本製鉄):強度を50%向上させた厚鋼板を素材から開発。鋼管に加工して、外周部の柱に設置。
  • 地域冷暖房システム(新菱冷熱工業、大林組、大成建設など):大容量の水蓄熱槽に冷水や温水を蓄積。電力量をピーク時に5割削減可能。
  • ナックル・ウォール工法(大林組):突起の付いた杭を基礎地盤に打ち込み、スカイツリー全体の構造を安定化。

この他に、クレーンでつり上げた鋼材を安定して運ぶ「スカイジャスター」など新技術の金字塔である。

世界一高い634メートルのタワーは、ニッポンの技術力の高さを発信する「広告塔」の役目も担っているという。スカイツリー自身、日本一注目される建設現場であったことから、コスト面では震災や後期のずれ、追加工事めぐる交渉など多くの問題に直面したプロジェクトであったが、広告宣伝効果は数十億円に上るとも言われている。

東京スカイツリーで培った技術を海外などにアピールして、震災復興以外に明るい材料が乏しい建設業界にどう広告塔を立てるかが課題だという。happy01building


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:エースの超軽量スーツケース」から

2012.3.1  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:エースの超軽量スーツケース」から

女子旅ブームとスーツケース

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)が紹介する事例は、大手バックメーカーのエース(東京・渋谷)である。これまでの同社のスーツケースが男性の頑丈さを売り物にしてきた視点を変え、同社は、企画を担当した入社1年目の新人デザイナー、久世温子さんを抜擢した。

「女性目線での企画」。これが久世さんの課題である。スーツケース製造を「女子旅」ブームに乗せるのが使命である。ターゲットは20代から30代の女性。女性が友達と連れ立って、あるいは母娘での旅といった「女子旅」。

先ず取り組みは、これまで以上の軽量化である。水よりも軽い耐衝撃性ポリプロピレンを素材とした特殊シェルで、従来品の40%の軽量化に成功したという。軽量化だけでなく、女性が好むモチーフ検討し、雪山、結晶、オーロラなどの自然が作り出す造形をベースに50以上のスケッチに加え、トレンドやベーシックなもの、久世さん自身の感性で6色を選定した。カラーの呼称も、ピンクではなく、オーシャンローズといった自然を意識したモノにした。

この女子旅向けスーツケース。3月3日発売で、10日よりAKB48の篠田麻里子さんを起用して「ラグーナライト」シリーズとしてTVでCMを行う。

LCC(格安航空会社)や羽田空港の国際化などで女子旅マーケットは拡大するとみられ、女性が好む軽量化に代表される機能とデザインの向上で差別化を行うという。

ブームへの便乗だけでなく、差別化のマーケティングが売上の差をつけそうだ。airplaneshipbullettrainhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:DRAMと農業、意外な類似点」から

2012.2.29   日経産業新聞の記事「眼光紙背:DRAMと農業、意外な類似点」から

アイダホ・ポテトチップと半導体チップの共通性

コラムの筆者は、エルピーダメモリの会社更生法の適用申請にあって本当の要因は、農業と同様、市況変動の激しさや政府の継続的な支援策が必要なことだと説く。

同社社長の坂本幸雄氏をコラムの著者は訪ね、社長室の質素さから工場への投資を最大限に考えた姿勢に触れたという。もちろん、社長の社用車もなく、コスト削減のため、台湾、中国のメーカーとの提携も行った。しかし、DRAMのコスト競争は、人件費の影響よりも、為替、税制、政府の補助の各国の差で勝負がついたという。

韓国、中国はもちろん、米国、ドイツも半導体産業を優遇してきた。エルピーダも2009年に改正産業活力再生特別措置法を適用されたが、時期も支援規模も他国に比べ我が国はDRAMを再活性化するには至らなかった。

米国マイクロン・テクノロジーは米アイダホ州にDRAMの本拠を置く。同州の名物はジャガイモ。ポテトチップになぞらえて、半導体チップは、第二の「チップ」を同州の産業基幹に据えた。まさに農業経営と同様DRAM生産は準えられる。市況変動が大きく、公的資金などの継続的な支援が必要だからだ。

そういえば、DRAMは電子産業のコメと呼ばれてきた。日本のコメ対策ほど厚くなかったかもしれない。despair


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑯」から

2012.2.29  日経産業新聞の記事「体験的リーダー論、キヤノン電子・酒巻社長⑯」から

読書はリーダーの必須科目

コラムの著者 酒巻氏(キヤノン電子社長)は、社内のリーダーとして読書が企業戦士として戦う土台であることを示唆している。

【酒巻所長の読書による3つの効用】

  • グローバル人財としての教養の獲得

・海外一流のビジネスパーソンには、大変な教養人が多いという。米アップルの故スティーブ・ジョブズCEOも、絵画や音楽、文学に非常に造詣が深かったという。

・事例:古典の有名な一節がベースのジョークが分からなかったら、「何だ、こいつは?」と馬鹿にされるという。逆にそうしたジョークが言えれば交流も深まる。

  • 論理性の獲得

・ネット社会で情報はあふれているが、表面的な理解にすぎないことが多い。読書は、全体像を見て、場当たり的な判断をするような論理を排除することに役立つという。少なくとも書き手の思想があり、論理がそこにあるからだ。

・外国書には論理性が際立つモノが多いという。翻訳でも十分に有益だあるから酒巻社長はこれを勧めている。

  • 自説の確認

・自分の考えが正しいものかどうか、読書によって賛否を問うという。多くの意見の根本が賛成であれば、プランをすすめ、そうでなければ、反対意見を徹底的に調べて、どこに問題があるのかを論理的に考え、確認するそうだ。

読書を習慣にすれば、仕事の精度や成功確率が上がる。酒巻社長は吉田松陰の言葉:

『読書最も能く人を移す。畏るべきかな書や』(▶参考

を引いている。読者は人物をも変える可能性があるという。happy01