【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:小売業がEVシェアサービス」から
2012/03/27
2012.3.22 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:小売業がEVシェアサービス」から
一風変わったカーシェアリング事業
コラムの著者 立教大学経営学部教授 高岡美佳氏が紹介するのは、ホームセンター事業を行うコメリとカーシェアリング・ジャパンが4月1日新潟県三条市の上越新幹線燕三条駅で始めるカーシェアリング事業である。
通例は、一般を対象としたカーシェアリングサービスでは、商圏内のニーズの大きさで効率が決まるとされる。ところが、燕三条では一般的に考えると自家用車を使う顧客が大半であると考えると、カーシェアリング事業はありえないことになる。では、そこまでして、コメリがカーシェアリングを行う理由はなにか?
実は、ターゲットが一般ではなく、遠方からコメリの三条市の本社に訪れる取引先の人たちだ。46都道府県に1079店を出店し、年間売上約3000億円の同社には、年間延べ1万3千社の取引先が訪れるという。燕三条駅と本社の間は約9.5キロ。従来は往復で約20キロをタクシーかレンタカーで移動していた。金額は約6千円。今回のカーシェアリングを利用すれば、27千円で半額以下となる。
つまり、コメリのカーシェアリングは、
- 取引先の利便性を高め、自社の仕入れのコスト増になる取引先の営業費用を下げる
- 二酸化炭素の排出量を年15%削減する(コメリが利用するのは電気自動車(EV))
- 企業の社会的責任(CSR)の一環とする
といった目的でカーシェアリングで収益を上げるつもりではないという。ここでの業務提携による化学反応を狙っているという。
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