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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「節電WORKここに注意③」から

2011.6.21  日経産業新聞の記事「節電WORKここに注意③」から

在宅勤務の大きな課題はコミュニケーション

コラムは、今泉 千明氏(日本テレワーク協会主席研究員)のインタビュー記事だ。先ず、テレワークの定義から。

【テレワークの定義と分類】

「情報通信技術(ICT)を活用した、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方」:一般的なテレワークの定義

分類:

  • 自宅で業務をする⇒在宅勤務
  • 外出先で業務をする⇒モバイル勤務
  • 主要な拠点以外の分散したオフィスで働く⇒サテライトオフォス勤務

【目的別テレワーク】

  • ワークライフバランスの改善(子育て支援など)
  • 事業継続(震災後増加)
  • オフォス経費の削減と節電(震災後増加)

【導入時のポイント】

  • 情報システムとセキュリティー
    • 業務用ソフトをネット経由で利用でき低コストになってきた
    • セキュリティの確保には社員の意識向上とルールの明確化
  • 労務管理とコミュニケーション
    • 多くの企業が、事前申し出の業務計画と進捗報告を使う例が多い
    • 日本では意外に成果を出そうと頑張りすぎるところがあり過重労働への配慮も
    • ウェブ会議、インスタントメッセージなどのコミュニケーション手段が必要
  • 執務環境の整備
    • 一日自宅で一定の場所を確保したり、自宅の環境では負担が大きい
    • オフォス備品を貸し出す企業もある

【運用のポイント】

  • 適切な仕事の”棚卸し”を行うこと。
  • 会社と自宅の仕事の仕分けをおこなうこと
  • 関係部署との連携が必要(人事総務+情報システム+労働組合のプロジェクト運営か?)

どうやら、震災後導入は検討したものの、子育て中の社員だけでなく、一般社員に拡げるにはテレワークがあったらどう動き、どう働くかを訓練したり、体験することで課題をあぶりだし、対処する必要がありそうだ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「強い大学:第7部閉塞破る学生を(中)」から

2011.6.21  日経産業新聞の特集記事「強い大学:第7部閉塞破る学生を(中)」から

大学はhow-to的な情報提供から学びへの意識改革を促すことが求められる

コラムでは、文部科学省が10年度に「大学生の就業力育成支援事業」の一環で、具体的な事例としてポートフォリオシステムの利用例を、日本女子大学理学部、立命館大学理工学部、芝浦工業大学の就職率向上の動きに焦点を当てている。

ポートフォリオとは、もともと資料等の「紙挟み」の意味で、企業では事業や資産の構成を示す用語。教育現場では、学生の蓄積された知識や経験がどの程度かを「見える化」する仕組みをいう。小職のデジタルハリウッド大学大学院では「自己のアセット」といっている内容だ。

日本女子大学では、ポートフォリオシステムを導入後、数字として就職率が100%に近いといった結果を生んでいる。その秘密は、先輩のポートフォリオの履修状況と進路の相関をとって、自己のレベルを比較してうけるべき科目や学習内容を見える化した点だ。要は、採用された先輩の能力に先ずは追い付き、具体的な目標とそれに必要な学習を後輩学生に伝授するものである。無手勝流で企業の就職窓口に挑むのではなく、先輩のアセット(資産)を活用することである。つまり、就職先の企業が求める自律できる人間像を具体的に戦略をもって学ぶことを示唆する。

一方で大学側もポートフォリオを活用して学生の現状を可視化するのは、自動車メーカーが電気系人財を求めるといった、表のメーカーの看板と欲しい人財との不一致を出来るだけ先に小さくしておこうというものだ。自動車メーカーだから機械系というのは、もはや通用しない常識で、電気、化学、物性といった人財が今は求められている。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「強い大学:第7部閉塞破る学生を(上)」から

2011.6.20  日経産業新聞の特集記事「強い大学:第7部閉塞破る学生を(上)」から

大学が世界的な「道場」に

コラムでは、グローバル化する産業界の将来を担う人財の輩出に応えられるかが、「強い大学」の正念場という。

コラムでは、先ず大学院改革として、東京工業大学、京都大学の事例などを紹介している:

【5年間エリート一貫教育の東工大】

大学院「グローバルリーダー教育院」は科学技術と人文科学の2つの「道場」を持ち、両者の道場破りを行えるような行動力も求めている。専門性よりも課題解決力やチームワークを求める企業(経団連の1月にまとめた調査より)のニーズを考慮した形だ。日本の企業も今後CTOなど海外の博士課程出身者で占められるかもしれないという大学側の危機感もあるという。一方で、企業側も個性派よりも素材輩出を重視していることも原因だ。

【一貫の全寮制大学院の京大】

京都大学が12年度導入を検討中なのは、英国ケンブリッジ大学をモデルとした全寮制大学院だ。前半の2年間で専門教育に取り組み、後半の3年間は、経済のほか芸術も必須とする定員20名のエリート教育だ。

全寮制の特性を活かし、専門性の異なる教職員や学生との交流で知見を深め、社会のリーダを目指すという。

大学院だけでなく大学の学部でも社会のリーダー層となる素地をもつ人財を育てようという試みもある。

【文理融合で履修柔軟にしたお茶の水大】

文系・理系を問わず学んだことを役立てるための考え方を学ぶ場を提供するために、カリキュラムの自由度を高め、文系や理系の枠を越えた制度を導入している。「複数プログラム選択履修制度」と言われる制度だ。

海外では、理系・文系の垣根はもとよりない。方向性を出すために両者の融合を積極的に行えるリーダー像がそこにある。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:残念なスマートメーター」から

2011.6.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:残念なスマートメーター」から

日米の視点の違い:スマートメーター

コラムでは、辛口の次世代電力計の導入について日米の視点の違いを批評している。震災地や原発事故を管轄としていない関西電力でも15%の節電要請を出したことに対して、2008年か実証実験を行ってきたスマートメーターの課題解決が活かされていないという。つまり、今年5月末までに約79万台も設置したスマートメーターだが、定点計測だけで、ピークカット機能がないという。使用超過に至った場合、スマートメーターを遠隔操作して送電を停止する機能がない。言い換えれば、折角細かい電力量の把握をしておきながら、制御する手段は利用者側にまかせっ供給側の電力会社からは手が出せないため、大きく見積もった節電要請をしなくてはならないという。利用者側で電力制御をしないとも想定しているからだ。

米国では、停電が多いがゆえに、ピークカット機能の研究が進んでいる。日本の電力は安定供給だからといった神話が崩れつつある今、危機対策としてのスマートメーターの役割を見直す必要があろう。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ドルビーの新しい試み」から

2011.6.16  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ドルビーの新しい試み」から

ライセンスビジネスの変貌―米ドルビーラボラトリーズ

コラムの著者 立教大学経営学部教授 高岡美佳氏によると、米ドルビーラボラトリーズは、従来のビジネスモデルを変化させようとしている、という。

同社は、映画や各所記録メディアの音響の記録や再生を開発し、その技術を他社に利用権を認めるライセンスビジネスを行っている。いわゆる、ライセンス料を収入源して業界標準となる技術開発を行うものだ。

【既存のビジネスモデル】

再生機器を開発・販売する会社に技術を供与して得るロイヤリティーを得る。

【試行中のビジネスモデル】

昨年来の試行で、コンテンツ編集の企業からフィーは取らず、無償でシステムを提供する。再生する携帯機器メーカーにも同様に無償で技術提供。エンドユーザが同社のシステムを選択して視聴したときのみ、使用権を課すようにした。同社の技術を搭載したコンテンツを先に普及させておき、選択された時点で課金するというわけだ。確かに、メーカーからの従来のロイヤリティーよりもこの利用料は安いが、利用者数が、メーカー数よりも格段多いことから、商売は成り立つという。

日本法人ドルビージャパン漆山正幸社長はドルビーの「良い音」がブランドとして評価されている間に、次のビジネス・モデルを考える必要があるという。

さらにソーシャルメディアの時代になれば、コンテンツ配信や再生機器メーカーの枠を越えて、ユーチューブの用に誰でもがネット上に映像をアップロードできる時代になっている。そこでのドルビーのビジネスモデルがどうなるのかも注目できそうだ。