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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:『社会的企業』誕生の予感」から

2011.4.8  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:『社会的企業』誕生の予感」より

障害者だからこそ特化した就職支援を

コラムの著者 ジャーナリストの高嶋健夫氏が紹介するのは、ソーシャルエンタープライズ(社会的企業)の誕生を予感させるVB(ベンチャー企業)だ。2005年12月に仙台で起業したウィングル(東京・港)で、障害者の雇用拡大に特化し独自のビジネスを展開している。

従来なら、社会福祉法人や非営利活動法人(NPO)が、地域ごとに小規模な施設で職業訓練などを進めているところを、障害者の就職支援サービスの見方で、全国的なチェーン展開で訓練ノウハウを蓄積。10年3月期の売上高約6億3千万円に急成長している。

社員は平均年齢約30歳で、社会貢献の志が高い人が多く、大企業からの転職者もいる。社長も26歳でIT企業を経て就任し、ベンチャー企業の活気と自由な空気に満ちているという。

これまでの社会起業家がようやく芽を出し、震災等の逆境の中逞しく育っている。こんな会社支援していきたい。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:冷静な行動、自らに問い直そう」から

2011.4.6  日経産業新聞の記事「眼光紙背:冷静な行動、自らに問い直そう」より

災い転じて福と為す

コラムでは、震災後の被災地で風評被害の実態について語っている。政府の鳥インフルエンザの時の対応と今度の放射性物質と野菜の関係での対応の違いが混乱をきたした。さらに、小売業界での被災地産の名称だけで門前払いといった風評被害。冷静に考えれば、風評は自己防衛本能に任せることで、「思い込み」での行動になるところが危険。野菜の産地にとっては、風評被害が、生産意欲をそぎ、将来の安定的な供給までも奪いかねないところまで考えが及んでいない。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本的な製品、今こそ輝くとき」から

2011.4.5  日経産業新聞の記事「眼光紙背:日本的な製品、今こそ輝くとき」より

グローバル化 vs 文化重視化

コラムでは、歴史の変遷で今日本に必要とされるモノを説いている。明治時代以前の日本の輸出品が漆器や磁器で、色濃く日本文化を売りにしたものであった。近代以降は、工業製品がこれに替り、さらに小型自動車のように日本の風土にあった製品が世界で受け入れられる。エコで場所を取らず、高機能だからだ。

震災後、この手の記事が目立つ。日本の強さを再認識しようというわけだ。しかし、ビジネスの世界は財務体質やコスト管理が優秀な企業の製品を求め、必ずしも日本製ある必要はない。言い換えれば、世界がどうして日本の製品を選んでくれたかを再考する必要があろう。確かに、この問いの回答に、日本文化の良さをあげることもできる。ただ、そう単純ではなく、グローバル化を前提に、日本の良き文化を「こだわり」として顧客も進んで受け入れてくれることが重要だ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の特集記事「英海兵隊流・危機時の組織運営を聞く」から

2011.3.22  日経産業新聞の特集記事「英海兵隊流・危機時の組織運営を聞く」より

緊急対策と復興は別系統で同時に開始

コラムは英国海兵隊のノウハウを応用した組織運営法を助言するマッキニー・ロジャース日本代表岩本仁氏が示す危機対応について解説している:

【初期体制】

  • 先ず災害発生時に、主要部門ごとに、社員の安全確保等の短期活動を担う「緊急対策チーム」と事業の被災前の水準に回復させる中長期活動をに担う「復興チーム」を設置する
    • ポイント①:両チームは別々である
    • ポイント②:復興チームは緊急対策チームのバックアップとなる
    • ポイント③:どちらのチームも同時に活動を始める
  • 経営陣は、緊急対策チームと復興チームの責任者を務め、出来れば調整役の役員も指名する
  • 経営陣と経営対策チームの責任者は、被災後速やかに現状を把握する
    • ポイント:被災の原因分析は復興チーム。ここでは、被災の事実の把握を行うことを優先する

【初期の指示】

  • 直面する課題を5つ程度に分け、経営者の責任で優先順位を決定する
    • ポイント①:大きな問題に関連した小さな問題の把握と解決は現場に任せる
    • ポイント②:最重要課題には経営者自らが参画する
  • 経営者やチームの責任者が対策を示す場合は自社のビジョンを部下に示すことをわすれないこと
    • ポイント:復興をやり遂げた場合の恩恵や危機を乗り越えることで企業の価値が高まることを具体的に示し、部下のモチベーションをあげる
  • 最初に上司に相談なしにやっては「いけない」事項を決める
  • その後は部下に対策を実行する権限を委譲する

【チームの責任者の役割】

  • 上部組織からのプレッシャーを吸収して現場の自由度を確保する
  • 被災によるパニックで動けない部下を役割から外し、人事管理を行う

【リーダーシップの維持】

  • 部下の人心掌握
    • ポイント:部下を落ち着かせる
    • ポイント:貢献した社員をねぎらう

平時にも危機時のシミレーションを行うことは訓練として必要だが、経営者としては危機時の優先度付けと初期の指示が最重要だ。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:金融復旧、IT部門の強さが左右」から

2011.4.4  日経産業新聞の「眼光紙背:金融復旧、IT部門の強さが左右」より

システム障害でサービスを続ける意味は?

コラムは、金融とIT部門が不可分であることが再認識させられた3月のみずほ銀行のシステム障害に触れ、トップの認識と社内IT部門の強さを点で解説している。

みずほ銀行のトラブルが大きくなったのは、障害発生後もATMや店舗での日常業務を続けたことだ。コラムは、システムやデータの重要性を銀行トップは認識していたかという疑問が残る。また、非常事態で、トップを説得できないIT部門の弱さも露呈したという。

障害を起こした不安定なシステムでのサービスの品質を考えた場合、二重振込など銀行の基本業務のレベルを持続できない。そう考えると、継続的なサービスは劣悪で最悪の場合、データ自身の信用もない。業務を続ける意味がないのに日常業務を行ったところに、ITに対する無理解がある。

サービスを停止し、内部データのチェックと障害原因の特定が最重要だろう。サービス停止が、トップの直接的な引責問題だから初期行動が遅れ、反ってその結果がトップの引責問題に留まらず、関係者への甚大な損害と拡大してしまった。

銀行の留まらず、電力会社の震災対応も、同じ行動が見えていないだろうか。