【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「あすへの話題:抗菌剤とワクチン」から
2024/05/18
2024.5.15 日本経済新聞の記事「あすへの話題:抗菌剤とワクチン」から
疫病は歴史を左右してきた
コラムの著者 松本 光弘氏(元警察庁長官)が語るのは、医薬と疫病が盾と矛の関係で進展してきた歴史である。さらにその歴史も疫病と薬との鬩ぎ合いあることも考察している。
○疫病との戦いの武器は医薬品
松本氏によると薬はもともと天然成分のみであった。現代は高度な科学技術の結晶であるという。疫病が歴史を変えることも多くある。例えば新大陸では西欧人が病原体を持ち込まなければ、征服の歴史は始まらなかったかもしれない。逆に梅毒のように逆ルートで広がった歴史もある。
世界初の合成抗菌薬はドイツでドイツのパウル・エールリヒ氏と日本の秦佐八郎氏が合成した有機ヒ素化合物で、スピロヘータ感染症の特効薬である梅毒薬サルバルサンである。当時、三共商店(第一三共の前身)は、高峰譲吉氏が創薬した消化酵素(しょうかこうそ)という物質を利用した胃腸薬「タカヂアスターゼ」を販売していた。三共商店はこのサルバルサンを輸入した。その後第1次世界大戦でサルバルサンの輸入が途絶え、旧第一製薬や三共商店が相次いで国産化に成功したという。
その後、画期的な抗生物質が発見され、梅毒にも効果があった。抗生物質は細菌同士の戦いでの化学兵器である。こうしてペニシリンを始め多くの新薬が登場した。第2次世界大戦で連合軍の勝利に貢献したのも抗生物質であるとも言われている。
一方、ここに細胞でさえないウイルスが登場する。これには抗生物質が効かない。第2次世界大戦後、電子顕微鏡の登場までウイルスを見ることも不可能であった。ウイルスに対抗する武器として誕生したのがワクチンである。
ただ、武器には矛と盾の競争が存在することと同様に抗生物質は耐性菌を生み、ワクチンはウイルスの変異で作り替えなばならない。パンデミックも少なくとも数十年に一度発生発生してきた。製薬会社は膨大な研究開発費を投じて成功確率が非常に低い創薬事業に挑戦することになる。こうしてワクチン開発は採算が合わない事業とされてきた。今後ICTやAI、ロボティクスによって創薬にもさらに採算性を考慮した開発が進むことになる。🧪💊👩⚖️🧑⚖️🎓🏙️📃🏙️💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇩🇪