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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「やさしい経済学:消費者の行動を考える(6)」から

2024.11.15   日本経済新聞の記事「やさしい経済学:消費者の行動を考える(6)」から

消費で幸福感が高まる理由

コラムの著者 白井 美由里氏(慶應義塾大学教授)は、消費者のウェルビーイングの定義とそれがどんな要因に影響を受けるかについて考察している。

○自分の生活や選択に対してどれだけ幸福に感じているか

白井教授は、消費者のウェルビーイングを

「消費者が自分の生活や選択に対し、どれだけ幸福に感じているかという主観的で個人的な側面」

と定義している。このウェルビーイングにどんな要因が影響を与えるのか。

  • 時間の捉え方:時間はお金と同様に貴重で有限。管理・節約しながら消費する一方で無駄遣いもする。幸福感はお金の多寡より時間に目を向けることで高まると言う。時間について考えると自己内省が生まれ、人生の時間の有限性を自覚するため、幸福感を得られる行動をとる。
    • 商品販売では時間と関連づけて訴求すると、消費者は自己に関連づけて考え、結果的に消費の楽しみが増える。
    • 持っているものでも購入金額より使用時間の長さに焦点を当てると、繋がりを強く感じて愛着が増す。一方、所有に価値を感じる高級品は逆で、購入金額を考えた方が愛着が深まります。
  • 選択の多さ:選択では所有より経験の購入の方が幸福感は長続きする。製品の所有に比べ、経験は消費者自身が定義するもので、選択しなかったものと比較しにくい。快楽順応も経験の方が遅く、思い出として長く残る。たとえ、購入まで待たされても、経験はワクワクしながら待つのに対して、所有はイライラしながら待つので、幸福感に影響される。
  • 満足度:幸福感は選択満足度にも影響される。複数の選択肢から選ぶ場合、それらの違いが知覚できない状態だと選択満足度は低下する。似たようなものからの選択は選択の実感が弱く、十分に楽しめない。
    • 選択肢が多いと満足度も下がる。この場合、何らかの基準で分類されていると、分類基準の質に関係なく満足度が上がるという。より良いものの期待は今の選択評価を下げる。

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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:『日本ブランド』を海外で生かせ」から

2024.11.15   日本経済新聞の記事「私見卓見:『日本ブランド』を海外で生かせ」から

日本の経済界は政府と共に日本ブランドの認証やライセンス供与する方法を示すべき

世界中で日本のあらゆるものに対する需要が高まっているという。訪日外国人数も2024年は過去最高となる。海外の書店では、現地の言語に翻訳された日本の漫画のコーナーがあり、日本のアニメも家庭で楽しまれている。スーパーマーケットには日本の食品や飲料が並び、日本食レストランも増えている。コラムの著者 ニック・カプール氏(ラトガース大学カムデン校史学部 准教授)は、その反面、海外から見て日本ブランドが棄損され、模造品や偽物、海賊版、日本に無関係な人たちによる偽日本食レストランなどが横行し、海外の消費者にとっても品質の低下や不利益を被り、日本企業も収益を減らすことになっているという。

○日本企業が海外市場に十分な関心がなかったためブランド棄損や模造品、海賊版が蔓延ってきた

ニック准教授によれば、北米の大学では、日本語は数少ない外国語に1つで入学者数は減少していない。米国の小学生に最も行きたい外国はどこかと尋ねると、日本は常にトップにあるという。特に若年層は幼い頃から日本文化に囲まれて育っており、日本文化をもっと享受したいと考えているようだ。

日本の製品は高品質で、細部まで気を配り、場合によっては「神秘的」な知恵を持つ国として世界中に認識されるようになっているという。消費者は「日本ブランド」の製品にかなりのプレミアムを支払うことをいとわない。

しかし、ニック准教授は残念なこととして、日本企業が海外市場に十分な関心がなかったためブランド棄損や模造品、海賊版が蔓延ってきたことだという。さらに今の日本は自国のブランド力がかつてないほど強固であるにもかかわらず、自信があるように見えないと言う。世界中で日本製品全般に対する需要が旺盛に伸びており海外進出も今が好気であろう。また、日本の産業界と日本政府は日本に真にゆかりのあるブランドを認証したり、ライセンス供与したりする方法を模索し、海外の消費者にどのブランドが真の日本製品であるかを示し、認識させるべきだと言う。これによって日本企業は収益がもたらされ、品質管理が確実となり、ブランド価値が毀損しにくくなる。🍜🍛🍣⚡️💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「エコノミクストレンド:『柔軟』『迅速』なシステムに」から

2024.11.12  日本経済新聞の記事「エコノミクストレンド:『柔軟』『迅速』なシステムに」から

社会情勢の変化が速く不確実な時代に必要な経済システムとは

コラムの著者 柳川範之夫氏(東京大学教授)は、現代はVUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語)の時代であるという。政治情勢の国際的な不安定化、紛争の拡大、安全保障上の懸念など不安定な要素が山積している。また、生成AIを中心とした技術革新も経済環境を大きく変える要因だと言う。このような時代に日本としてはどのような経済システムを作るべきなのか、また企業レベルでは企業経営で何を軸にすれば良いのかを柳川教授は示唆している。

○暗黙知を客観化し、見える化することが柔軟性を生む

柳川教授はVUCA時代の経済や経営システムは柔軟であらねばならないと提案している。生じた変化に対して迅速に対応できる柔軟性をいかにシステムとして確保できるかが、日本に必要なことだという。

柔軟にまず対応すべきは教育や学びであるという。必要とされる能力やスキルが変化しているのに、教育内容が旧態依然としていては停滞してしまう。変化に合わせて、できるだけ柔軟に、教育内容やそれぞれの能力も変化させられるのが望ましい。先ごろ、近年の学校教育の改革が話題になったり、リスキリングやリカレント教育が重要視されているのも、社会の要求に対して柔軟に変化するためである。

日本社会の全体を見た時に柔軟性はどうだろうか。柔軟性を確保する上で大きく課題になるのが、規制やルールをどう柔軟かつ迅速に変えていくかが大きなポイントだと柳川教授は指摘している。しかも制度やルールが簡単に変えられないなら、技術環境が急速な変化を起こす時に追従できない。このとき結論の先延ばしや現状維持が幅を利かし、イノベーションに対するビジネスチャンスを逃すことになってしまう。今後は技術に対する規制やルールは迅速な改革が必要となる。

日本の企業では暗黙知の共有で、作り込みをして生産性を上げてきた構造があると言う。しかし、暗黙知の共有は、柔軟性に欠けるという致命的な弱点がある。やはり、暗黙知を客観化し、見える化を進めることで柔軟性を確保する工夫が必要だと言う。

これまでは動かないでじっとして外の嵐が過ぎ去っていく過越をすれば元の生活が帰ってきたが、これからはそうはいかない現実がある。嵐に伴って居場所も動いてしまうからである。その新しい居場所に向かって積極的に踏み出す柔軟性こそ、社会全体で求められていると柳川教授が推奨している。📉📈🏭🥩🐟🥦🏪🏬🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:『失われた40年』にしないために」から

2024.11.8  日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:『失われた40年』にしないために」から

国内拠点の充実し企業価値を上げるビジネス環境をつくることがキー

日本経済は低迷を抜けて新局面に入ったといわれている。今は、「もうデフレーションではない」、「金利がある世界になる」、「失われた30年は終わった」などのフレーズが出てきているが、コラムの著者 門間 一夫氏(みずほリサーチ&テクノロジー ズ エグゼクティブエコノミスト)は、3つは誤りだと言う。「失われた」をどう定義するかはさまざまだが、低成長を意味するのであれば、状況は改善しておらず、むしろ悪化しているという。

○失われた年数を増やすか実質賃金が上がる経済となるか

門間氏によれば、2019年から2024年前半まで4年半で、GDPの実質成長率は年率わずか0.1%に過ぎないと言う。物価が上昇しているので名目成長率は上がっているが暮らし向きを決めるのは実質成長率である。当たり前だが、実質成長率がほぼゼロなら、実質賃金が上がらない。2年以上続いた実質賃金の下落によって家計へのダメージは大きく、個人消費は低迷している。

だが、株価は2010年代初頭の約5倍にまで上昇している。株式の低迷は「失われた20年」の段階で終焉を迎えた。今も上昇トレンドにある。株価は代表的な日本企業の稼ぐ力を表すものであり、それらの企業は近年、株式目線の改革を着実に進めてきた。日本経済は少子高齢化、地方経済の疲弊、消費の低迷が続いているが、日本企業はそれらの影響を極力抑えるために事業の効率を図りつつ、グローバルに拡張戦略で利益を伸ばしてきた。

そこで門間氏は日本経済が分岐点にあるという。1つは、株価だけが上昇し、日本経済はこのまま「失わられた40年」「失わられた50年」になる道である。もう1つは、株価上昇と共に実質賃金がしっかり上がるようになり、国民生活も豊かになっていく道えある。今は労働需給が改善してきており、後者への道が少し開いている状況だという。ただ、この道が開けるかは、日本政府の経済政策によるところが大きい。

株主重視の傾向はこのまま続くし、資本運用立国を標榜する以上、株価が上がり続ける国であらねばならない。門間氏が指摘するポイントは、株主重視の企業改革を賃金の上昇や中小企業の成長にも広げる何かが必要だと言う。社会的責任だけでは何かにはなり得ず、利益成長に縛られたままなら日本から企業が逃げていく。門間氏は、その何かは「国内拠点を充実させ、企業価値の向上が結果として生まれ、そのために賃金を上げ、サプライヤーにも報いるような」ビジネス環境の構築ではないかと示唆している。新分野への挑戦機会が増え、エネルギー供給に不安なく、世界一の狭域水準にあって、海外からも優秀な人材が集まるという日本創生を新たな日本政府に門間氏は期待している。📉📈🏭🥩🐟🥦🏪🏬🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:再評価のプロセスを重視せよ」から

2024.11.8   日本経済新聞の記事「私見卓見:再評価のプロセスを重視せよ」から

スムーズな転職に備えリスキリングをする前にリエバリューションが必要

転職で次の仕事にスムーズに移行するためにリスキリングが注目されているが、コラムの著者 中川 洋二氏(トリニティーラーニング社長)は、リスキリングをする前に自分の現在の能力やスキルを冷静に見直す「リエバリュエーション(再評価)」の過程が必要だと説いている。この過程を飛ばすと、新しいスキルをどれだけ学んでも、それが無駄になる可能性もあるという。

○仕事を合理的に選択することも重要だが、情熱を持って長く続けることができる仕事かを吟味しよう

中川氏によれば、近年の転職に備えてのリスキリングが、自分の能力やスキルをリエバリュエーションしないで進めることは無駄なことをしかねないと指摘している。特に60歳以上の中高年にとっては、リエバリュエーションの重要性が一層高まると言う。今まで働いてきた職業経験に対して、今の給与やスキルが新しい仕事に本当に合っているのかを再確認する必要があるという。

リエバリュエーションの効果として、自分の市場価値を改めて把握できる一方、自分が考えていたよりもその価値が低いと感じることもあろう。こういった低評価でも結果を素直に受け入れ、そこから前に進むことがより良い転職の第一歩となると、中川氏は指摘している。

リエバリュエーションは技術や知識の不足がわかるだけでなく、自分の志向や興味、そしてやりたいことが新しい仕事と合っているかを見極めることにもなるという。転職の成功とは、中川氏によれば、新しいスキルを学ぶだけでなく、自分の本当に情熱を持って取り組みたい分野や、長期的に続けたい仕事を見つけるキーとなると言う。

リスキリングを効果的に進めるには、まずリエバリュエーションを行なって、自分の市場価値を正しく理解し、仕事とスキルのミスマッチを解消するための戦略をしっかりと練ることを中川氏は強く勧めている。⚡️💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵