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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:顧客経験(CX)、全体で捉えて判断」から 

2017.12.8 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:顧客経験(CX)、全体で捉えて判断」から

全体感である「フレーム」で考えよう

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、ゼミ卒業生の案内で福岡県糸島市の牡蠣小屋に立ち寄った体験からマーケティングとして顧客経験(CX)の重要性について語っている。

○牡蠣小屋と街のレストランの接客の違い

 牡蠣小屋は糸島市では秋から営業し、牡蠣、サザエ、アワビなどを炭火焼する。現代では鮮度管理と物流の発達で新鮮な海産物は街中でも食べられる。しかし、わざわざ足を運ぶ「おいしさ」の体験が現地にはあるという。

まずは牡蠣小屋までの道中、目に飛び込む漁船からの水揚げ風景は鮮度の良さを連想させ、一気に気分を上げる。有名人や力士のサインがならぶ大きなビニールハウスのような牡蠣小屋は壮観。炭火で熱せられた牡蠣やサザエが、「バァーン」と音を立てて熱水や炭が弾け飛ぶ。汚れ防止用の黄色いジャンパーを貸してもらって着ると、ちょっとしたテーマパーク気分である。

案内のゼミ卒業生は慣れた口調で、軍手とヘラで牡蠣の殻の開け方を伝授。チーズを牡蠣にトッピングすると絶品だなどとマル秘情報も聞ける。

顧客経験(CX)というコンセプトがマーケティングの世界では流行しているが、モノやサービスの購入経験をマッピングして、不満を抽出し改善することで全体のデザインを見直すものと考えられている。牡蠣小屋の経験は、街のレストランの接客に比べれば、点数は低いかもしれないが、大雑把でいいと笑い飛ばせるのは、それをも含めて牡蠣小屋だという「フレーム」を見ているからである。ここに本当の「おいしさ」を発見できる可能性があると、小野教授は示唆している。🐚🌊💡⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:魚のパッケージ、フランスでは躍動感表現」から 

2017.12.06   日経産業新聞の記事「トレンド語り:魚のパッケージ、フランスでは躍動感表現」から

圧倒的なビジュアル効果

コラムの著者 竹原 あき子氏(工業デザイナー)は、フランスで売られているスライス燻製シャケのパッケージに触れ、そのマーケティングについて考察している。

○企業の精神をそのシンプルさで提示

  これまで缶詰などは保存期間を誇っても魚の姿と美味しさを表現するものではなかった。包装フィルムの性能が上がるにつれて、魚のパッケージも食欲をそそる魅力を持ち始めたという。

竹原氏が取り上げたのは、燻製シャケの切り身のパッケージである。4枚の切り身が入っている「フィヨルド・キング」のパッケージに注目した。

創業から25年と比較的新しい企業で、製品は手作業でカットし、乾燥・燻製するという、現代の消費者が求める安心の手作り感を大事にしている。このパッケージは、一見して大きな魚の尻尾の透明の窓、そして、銀のウロコ模様がうっすらと描かれている濃い青い地色に、尻尾が海面に飛び跳ねているようにみえる。窓からは切り身が見えて面白い。

売り場に行くと、ビジュアルなインパクトがあり、波の色を微妙に変えて、産地を区別している。この窓以外に特別な仕掛けはないが、商品説明などは四角い紙に印刷し、シャケが入っているというシンプルさである。パッケージで、企業の精神を表現している。🍴🐡🐟💡⚡️🌍happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:ネット中継器、最適な接続ルート判断」から 

2017.12.5   日経産業新聞の記事「いいモノ語り:ネット中継器、最適な接続ルート判断」から

メッシュネットワークを構築できる機種も

コラムの著者 田中 雄二氏(ITジャーナリスト)は、PC環境からスマートフォンが自宅で使われる機会が増えたことで、WiFiによる無線インターネットの中継器を注目している。

○複数の親機があっても対応できる中継器

 スマートフォンのように有線LAN接続ができない子機を自宅で利用する場合、通信速度などが速いWiFiによる無線インターネットを使うことが増えている。また、PCも有線ケーブルが不要で取り回しが良い。

そこで、WiFiを自宅に使う場合、2階建てや敷地面積が広い家屋であるとつながらないところが出てくる。電波の強度には限界があるので、WiFi無線ルーターの親機と子機であるスマートフォンなどに距離があったり、間に家具などの障害物があると電波がますます届きにくくなる。

今回、田中氏が取り上げたのは、このような状況を打開するために情報機器で、「中継器」と呼ばれるものである。親機と子機の間に設置するもので、両者の橋渡しをする。親機と子機の間が離れていても、間に中継器をいれれば、電波が届くようになる。

最近の中継器には、さらに「メッシュネットワーク」を構築できるものもある。メッシュネットワーク機能とは、複数の無線親機が自動的に通信し、網の目のようなネットワークをつくるものである。子機は、複数の親機から1番電波の強いものに自動的につながる。設定もほぼ自動で行えるので手間がかからない優れものである。 💡📱📶⚡️🌎happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ブランド品取引、本物鑑定で信頼感」から 

2017.12.1    日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ブランド品取引、本物鑑定で信頼感」から

メルカリなどC2C市場先駆者の動きも調査

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、事業者と個人間取引(B2C)市場から個人間取引(C2C)市場への転換を携帯アプリでブランド品の個人間取引市場の活性化をはかろうとしているコメ兵について注目している。

○携帯アプリの開発の契機は市場の変化

 今回高岡教授が注目したのは、ブランド品リサイクルのコメ兵が提供している真贋判定機能付きのブランド品フリマアプリ「KANTE(カンテ)」である。真贋判定に定評がある同社が商品の鑑定を行うことで安心してブランド品を個人間取引できると考えたものである。

個人間取引であってもマッチングを同社が行い、売買価格に応じた手数料を同社が手に入れる仕組みだ。開発のきっかけは、B2C市場の成長率の鈍化だという。一方でC2C市場はメルカリなどフリマアプリの普及で急拡大しており、成長率が大きい。

そこで先駆者のメルカリなどを調査し、出品商品の価格帯が異なり、バティングしないことを突き止めた。さらに、高額なブランド品については真贋の点で不安を抱いていることも調査からわかった。そこで、同社は真贋判定機能付きブランド品フリマアプリを取り入れ、C2C市場の拡大を狙おうとしている。💎👜📳⚡️💡happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:アクセサリー、音質へのこだわり凝縮」から 

2017.11.28   日経産業新聞の記事「いいモノ語り:アクセサリー、音質へのこだわり凝縮」から

機能ではなく感性の領域に踏み込むメーカー

コラムの著者 鴻池 賢三氏(AV評論家)は、パナソニックがUSBパワーコンディショナーとよぶマニアックな製品を投入した意義について語っている。

○総合家電大手メーカーが挑戦した具体的な機能のない製品の発売

 この製品はデジタルオーディオ機器の開いているUSB端子に本機を挿入すると、機器内の電源ノイズを低減し、音質を高めるというもの。驚いたことに、鴻池氏も実際体験したが、音が挿入前後で大きく違うかといえば、別物となるというわけではないという。この「差」をどう考えるかで、本製品への評価は大きく異なるという。

ここでのポイントは、総合家電大手メーカーであるパナソニックがオーディオマニア向けとはいえ、具体的な機能のない製品を発売した挑戦にあるという。機能ではなく、感性の領域に踏み込むモノづくり。デジタル化と「IOT化」で製品機能の差別化が難しくなった今、蓄積したアナログ技術を付加価値として提供できるのは、歴史を持つ日系メーカーの強みともいえるのではないか。 💡🎶🔊⚡️🌎happy01