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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:『2段目のロケット』」から

2020.6.25   日経産業新聞の記事「WAVE:『2段目のロケット』」から

ヴィジョンありきで地道に努力し成功を掴む

 コラムの著者 宮田 拓弥氏(スクラムベンチャーズ代表)は、自ら投資したベンチャー企業の成功事例について語っている。

◯「2段ロケット」があるかどうかで投資判断

 今ある社会課題に対する解決策となる「プロダクト(商材)」が1段目のロケットで、宮田氏のいう「2段ロケット」というのは、「ヴィジョン」で、そのビジネスを進める中で大きなチャンスを飛躍につなげることだという。

2015年に宮田氏は、いずれ自動車のような高額商品もオンラインで販売されると見込み、「車のEC」を手掛けるスタートアップを探索していたという。知り合いに紹介された、Prodigyは、「将来はECも考えているが、今は時期尚早と思い、自動車ディーラーのデジタル化の支援を始め、その在庫データと商流を獲得するとkろから始める」と話してくれたという。当時は多くの自動車ディーラーは紙のカタログを使って製品を説明し、購入を決めた顧客は大量の契約書に手書きで記入する必要があったという。同社はこれら全てのプロセスをタブレット端末で効率化できるSaaSのプロダクトを提供した。確かに自動車ディーラーのデジタル化は1段目のロケットで、非常に地味である。ただ、2段目のロケットである車のECという将来の大きなトレンドで先行者になる基盤である。そこで、宮田氏は投資を決めた。その後、順調に米国の自動車ディーラーは同社のプロダクトの導入を進め、紙から営業プロセスの効率化に貢献した。着実に売り上げを伸ばして行った。

そこに新型コロナウイルスの感染拡大で一旦、自動車販売は大きく落ち込んだが、大規模な経済対策が打たれ、今度は感染が小康状態となった時には、多くの人が車を買い始めた。5月末の米国の自動車販売は前月の44%増で回復し始めている。そこに、感染対策で消費者の車の消費者行動が一変した。感染を避けるためにディーラーには行かず、オンラインで購入し始めたという。同社のオプションには当然EC機能があったために、一気に利用拡大となり、多くのメディアにも注目されたという。コロナ禍での消費行動の変化というチャンスを活かし、見事2段目のロケットの発射に成功した。

ヴィションを持つことは素晴らしいが、それでけではスタートアップとしては役立たない。来るべきヴィションの時まで、プロダクトを磨きながら時を待ち、チャンスがあれば一気に躍り出て2段ロケットを点火したいものである。📖🚗🚘☕️💺💺💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「日経XTRENDから:グーグルが提唱『パルス消費』」から

2020.6.11   日経産業新聞の記事「日経XTRENDから:グーグルが提唱『パルス消費』」から

グーグルが名付けた消費者の検索行動

 コラムの著者 中山 洋平氏(日経クロストレンド2020年4月24日付、ライター)は、これまでの消費行動とは異なったスマートフォンでの購買行動に関してグーグルの考察について述べている。

◯蝶が蜜を探すように突然パルス的な購買につながるスマホ時代の傾向

 中山氏によれば、スマートフォンを操作中に瞬間的に物が買いたくなり、商品を見つけ、購入まで終わらせる消費行動をグーグルは「パルス消費」と定義し、そこでの情報検索について調査、研究したという。2019年末の同社の調査でパルス発生と購買行動との間に「時間差」があることがわかったという。

そこには消費者に情報検索行動が、目指す商品購入までの道が一本道ではなく、無秩序で消えたり現れたりする現象も見えた。そこでグーグルは、8つの潜在的な動機をもち、消費者はその間を揺れ動く、まるで蝶が花を飛び回り、気ままに蜜を吸う行動に似ていることから、「バタフライ・サーキット」と名付けた。8つの動機とは、

  1. 気晴らしさせて
  2. 学ばせて
  3. みんなの教えて
  4. にんまりさせて
  5. 納得させて
  6. 解決させて
  7. 心づもりさせて
  8. 答え合わせさせて

であった。さらに8つの動機を

  • 気になった商材の情報を集めている「さぐる」状態
  • 収集した情報を絞り込んでいる「かためる」状態

の2つのモードの間を行き来していることも把握したという。これが「バタフライ・サーキット」であるという。さらに、その特徴として、

  • 複数のカテゴリーで並行して発生
  • ある商品やサービスのバタフライ・サーキットが終わると、それに関係する新たなバタフライ・サーキットが生まれる
  • 消費者の感情で対象の商材にバタフライ・サーキットがうまれるかどうかに依存する
  • 消費者がそれほど興味がない商材でも情報検索をしている間に興味がうまれバタフライ・サーキットが発生
  • 最初は本命の商品を買う決心をしていたのに、別の商材を買うのは、当初に最初の商材からネガティブな体験があった可能性がある

といったことも分析できたという。

さらに興味深いのは、スマートフォン世代以外には、このようなバタフライ・サーキットは起こらず、従来の「認知⇨興味⇨比較検討⇨購入意向⇨購入」という一本道的な消費行動をとっているという。調査では、2〜3割がPCを使った従来型で、それ以外はスマートフォンを使ったバタフライ・サーキットが生まれる消費行動であったという。これからのマーケティングでは、2〜3割のターゲットから大きな需要のあるバタフライ・サーキットの消費行動にどう対応するのかが課題であろう。👛📶💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇬


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:どこでもドアの時代が来た」から

2020.6.8  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:どこでもドアの時代が来た」から

コロナ禍後モノと情報が分離したデジタル社会が現実に

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、昨年の話題の著作「アフターデジタル」でビフォアデジタルと酷評された日本にもコロナ禍によってデジタル化を促されていると語っている。

◯分離後は効率化とこれまでの非情報の「見える化」を促進

 三浦教授によれば、大学の授業もゼミナールもオンライン授業となり、自宅でZOOMなどを使っていると、ふっと自分の部屋のドアが、ドラえもん「どこでもドア」のように感じてきたという。
相手が大学生だけでなく、ビジネスパーソンであっても同じ部屋のPCでオンライン会議をするので、まさに「どこでもドア」あるという。

三浦教授は法政大学の西川英彦氏からの話でデジタル社会とは「モノ」と「情報」が分離した社会であると論議しているという。そこでは、デジタル社会に2つの意味があると示唆している。

⭐️分離した情報部分だけを切り出すことで効率化できる点

ゼミナールの例で言えば、大学生の生身は自宅にいながら、顔の映像と声の情報部分だけが、三浦教授のPCの画面に集合してくる。同様に、現金は、紙幣や硬貨といったモノ部分は捨てて、金額という情報部分だけを切り出して、Suicaのようなカード決済、LINEペイのようなスマホ決済のキャッシュレス化が進んだ。株券、保険証、定期券などのペーパーレス化も効率を効率を促し、CD、DVD、写真、本などコンテンツ系の財も情報だけが切り出されて、いつでも緩衝できるようになった。

⭐️これまでの非情報のデジタル情報化することで見える化できる点

中国では車の交通状況を街頭カメラで撮影することで、運行状況をデジタル情報化し、人工知能(AI)で処理して交通違反を摘発するという。日本では無人店舗の実証実験を行っているが、消費者の商品の取り出し情報などをカメラでデジタル情報化して、AI処理をして決済する。さらに、アミューズメントパークでのジェットコースターやバイクの乗り心地といったアナログ情報を、仮想現実で擬似デジタル化して、消費者にプロモーションすることも行われている。車の運行情報、消費者の商品の取り出し、使用経験といった、これまで情報になっていなかったものもデジタル情報化して「見える化」することになった。ここから新たなデジタル情報の創造ができる。

コロナ禍で加速されたデジタル化は、新しい情報を創造することにも繋がりそうだ。💳💰🕶🚗🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵📖


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:オンライン懇親会、コロナ機に顧客価値創造」から

2020.5.20  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:オンライン懇親会、コロナ機に顧客価値創造」から

オンラインイベントから商品開発へ

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、サッポロビールがコロナ禍以前から行っていたファンイベントをコロナ禍でも付加価値のあるイベントにした事例について語っている。

◯会議アプリをうまく使いオンラインイベントを成功に

 西川教授は、飲料メーカーが仕掛けるオンライン懇親会が新しい付加価値を創造する可能性について考察している。

事例としてサッポロビールの消費者参加型製品開発による「ホッピンガレージ」を西川教授は取り上げている。4月16日に第4弾「それが人生」が発売された。発売日当日、新型コロナウイルスの感染対策で在宅自粛であったが、オンライン会議アプリのZOOMで発表会開催、その様子が動画サイトに配信。さらに、進行の合わせてオンライン懇親会も、テーブルを自由に移動できる懇親会向けアプリRemoを使って約1000人の消費者が参加した。

参加者は事前に申込み届けられた新商品1ケースを自宅の冷蔵庫で冷やし、そのビールを片手にパソコンやスマートフォンを前に「乾杯!」。懇親会では、同社の社長からも参加し、テーブルに別れて交流したという。

このイベントは、新型コロナウイルスの感染以前の2018年10月から消費者から400ものアイデアを受けて、16品のオリジナルビールの試験品が極小ロットで作られ、450回ものイベントに述べ5000人近い顧客が参加した。こうしてファンによるコミュニティーができ、そこでのユーザー評価を踏まえて4品が商品化されたという。

オンライン懇親会は全国どこからも参加でき、画面越しに登壇者の顔も見やすく、同じ新商品が手元に届くことで共感も生みやすいという。これもコロナ危機を逆手にとった価値創造の1つのかたちである。📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:テレワーク時代のマニュアル」から 

2020.5.13  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:テレワーク時代のマニュアル」から

UX(利用者体験)ライティングを実践

 コラムの著者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、企業の情報共有システムを提供するサイボウズを取り上げて、社内でもICTスキルが異なる中で、使用の説明をどう伝えていくかについて、同社の取り組みについて述べている。

◯利用者のスキルにばらつきがあるICTで情報共有を試みる

 新型コロナウイルスの感染対策でテレワークを利用する企業が増えているが、情報の一元管理や共有方法への関心が高まっているという。ICTのスキルが異なる利用者に、いかにシステムを活用してもらうかは難題である。

サイボウズは企業の情報共有システムを提供しているが、こうしたスキルレベルの差異をどう解決するかに取り組んでいる。同社はこれまでの使用説明では、システムの機能を中心に作成していた。しかし、知りたい情報を探せない利用者の声に応じて改善したという。利用者が使い方から探せるように、提供する情報の単位や表現を工夫した。

例えば、申請処理をオンラインで行えるアプリの作り方を、実際の業務でよくある申請の流れに沿って解説しながら、利用者がどの機能をどう使えば良いかを想像しながら工夫したという。開発中のユーザーテストにも開発者自らが参加し、どこでつまづくのかを把握していく方法をとった。幅広い利用者の投稿を含めて情報を収集し、利用シーンに合わせて説明文を作り、検索しやすいキーワードで表現したという。このような利用者体験、UXを重視したサービス開発や使用説明の作成が、ネット企業で広がりつつあるという。まさにテレワーク時代のマニュアルは、UXに基づいたものである必要ができきたといえよう。📖💻👧🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵