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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:1人の人生、複数社でビールに、顧客との共創が進化」から

2023.3.31  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:1人の人生、複数社でビールに、顧客との共創が進化」から

顧客との継続的に実施できる共創モデルも目指す

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、顧客との共創モデルの進化が新市場を拡大する好例を示しながら、進化の継続の重要性を説いている。

◯人生のストーリーを味わいながらビール体験

 西川教授は共創モデルの進化に関する好例として、サッポロビールの共創を軸にした事業である「ホッピンガレージ」を紹介している。

2012年に顧客の意見をもとにビールを開発する「百人ビール・ラボ」をSNS上に開設した。3商品が開発され、話題性もあり一般流通にも発売したが、売り上げは減少していった。結果、「参加者全員が作りたいもの」では個性が弱く、さらに年1回ほどの開発では、会員のコミュニティー運営も厳しい状態となっていた。

そこで次の責任者となった同社の土代裕也氏は、継続的に共創が実施できるモデルを模索し始めた。2018年にホッピンガレージを立ち上げ、1人の顧客の企画をもとに個性的な商品を開発し、月1商品の開発を目指した。しかし、新型コロナウイルスの感染が広がり、試飲会も開けず、新たな展開を模索しなければならなかった。土代氏は「ビールではなく顧客の人生ストーリーを深く味わいながら飲めるという『ビール体験』である」ことに気づいた。

魅力的な人物を探し出し、その人生ストーリーを語る中で味わいやパッケージで表現したビールを開発した。ビールをコンテンツと共に届けることでより深くストーリーを味わえる体験を設計し、2年で11商品を開発、隔月で常に新作が届く定期便もスタートさせた。

2023年2月からは、このモデルによるビールを社会全体に広げる「ホッピンフレンズプロジェクト」を開始した。自社だけでなく、提携したクラフトビールの各社が、顧客の魅力あるストーリーを元に独自のビールを開発・製造する。同社はそれらを仕入れ、同じストーリーの自社商品とセットで販売する。顧客はストーリーを楽しみながらビールで追体験でき、ブルーワーにとっては販路が広がる。顧客との共創モデルが1つでは限界も多い。諦めず絶えず見直し、共創モデルの進化を止めないことが重要である。🍻🍺🥤💡♬📱🍟🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:生成AIの破壊力」から

2023.3.22  日経産業新聞の記事「SmartTimes:生成AIの破壊力」から

今後は道具として使いこなす指示力と採用するかの判断力が必要

コラムの著者  栄籐 稔氏(大阪大学教授)は、ChatGPTで話題になっている生成AIについて、その本質と留意すべき点について語っている。

○今の生成AIは人間のレベルにはない

 栄籐教授によれば、自らが関わったLINE社で2年前に生成AIに出会い、その後実用化段階になったことで話題になっているという。

さらに、栄籐教授は自ら実験的に次のようなことを行なって生成AIの実力を説明している:

  • 以下の文をコンピュータに入力してみる:

「200文字の報道発表文章を書いてください。キーワードはタイムマシン、未来旅行、競馬の予想、宝くじが当たる」

  • すると、コンピュータは生成AIによって次のような文章は返してきた。

「タイムマシン開発社は未来旅行による競馬の予想技術を開発しました。これにより、将来的に競馬のレース結果を知ることができ、宝くじにも当たる可能性があります。これは、タイムトラベル技術の進化により、科学的に可能になったものです。今後も、さらに多くの分野にタイムトラベル技術を活用し、人々の生活を豊かにすることを目指します」

栄籐教授は、自分の書きたい空想記事をコンピューターが自動生成してきたと語っている。

では、その仕組みはどうなのか。

  • まず人間がインターネット上にある「有用な」文章を大量に「うまく」選んでコンピューターに入れ、文字の順序を学習させる。つまり、これは、文書を自動生成するプログラムを作ることを意味する。
  • できたプログラムをさらに人間との会話に適した文章を生成するように訓練する。つまり、訓練によってプログラムが人間の論理的思考を模倣するようになる。

だが、現時点の生成AIは過去の記録された文章を学習して確率的に発生する文言の連鎖を表層的に学習しているに過ぎない。だから、明日の天気もわからないし、突然の事故発生で対応して出動できる消防士にもなれない。

しかし、過去のデータを使って道具として有用なことは多いという。例えば、プログラミング、仕様書や報告書の作成、翻訳、音声書き起こしが生成AIで劇的に効率化されるという。文書には各社の内規や独特の言い回しがあるが、それをコンピューターが学習すれば、多くの定型的な文書の作成は簡単なコンピューターへの指示で自動化できる。

そこで生成AIに対して人間側が必要なものが、道具として使いこなす指示力と生成AIの著作を採用するか否かという判断力が求められる。宿題を誰がやったかの真贋判定よりも、当人のコンピューター以上の文章が書ける能力が問われるだろうと栄籐教授は示唆している。📓♨️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:半導体、『薄給』の失敗を繰り返すな」から

2023.3.7  日経産業新聞の記事「眼光紙背:半導体、『薄給』の失敗を繰り返すな」から

台湾積体電路製造(TSMC)の初任給のレベルは

コラムの著者によれば、熊本県で工場建設を進めている半導体ファンダリー大手のTSMCが2022年春に提示した大学生、大学院生の初任給が話題になったという。

○日本の半導体産業の衰退の一因に技術者の待遇軽視がある

熊本工場を担うJASM(熊本市)の募集では、23年春入社見込みの大学卒が28万円、修士が32万円、博士が36万円というもので、日本国内企業の賃上げニュース以上の額であったという。

ただ、これはあくまでも日本国内の水準で、世界水準では低い。工場誘致に投資すること以上に、技術者の待遇改善に取り組まねば過去の失敗を繰り返すことになる。

その過去の失敗とは、かつて隆盛を誇った日本の半導体産業のことである。国内半導体産業が衰退した要因は、日米半導体協定や継続的な投資不足など要因に加え、技術者の待遇軽視も大きな要因であった。日本の優秀な技術者が高給で海外メーカーに引き抜かれたり、休日にこっそり技術指導に海を渡ったりしたことが当時話題になったが、日本企業の待遇の低さが背景にあった。

当時の日本は米国に次ぐ経済大国で世界的にみても平均的な給与水準は高かったという。それでも技術者への待遇は見劣りしていた。

半導体のみならず、量子技術やAIなどの先端産業も同じ失敗を繰り返してはならない。👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸🇹🇼


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:異次元の少子化対策」から

2023.3.3  日経産業新聞の記事「眼光紙背:異次元の少子化対策」から

子どもを持ちたくても持てない人への支援は

コラムの著者が、日本政府は3月末を目処に異次元の少子化対策をまとめたいとしているが、根本的な見直しではなく児童手当などの経済的支援を増やすにとどまるようだという。これではこれまで成果が出なかった政策で終始する。

○防衛費増額への税負担の不満をかわす政策になりかねない

一方、与党内では防衛費増額に伴う増税の不満をかわすために「アメ」の要素もあるという。しかも、すでに子どもを持つ世帯に経済的支援をするだけでなく、子どもを持ちたくても持てない人への支援がなければ少子化対策にはならない。

例えば、出生数と婚姻数との間には高い相関関係があるとされている。婚姻数は1972年の110万組から2022年は55万組と劇的に減少している。一方、出生数は1972年の209万人から2022年は79万人まで激減している。

経済的事情で結婚できず、子どもを持てない人々を救済することだが、国税庁の民間給与実態統計調査では、2021年の正社員の年収508万円に対して正社員以外は198万円であった。非正規労働者の賃上げや社会保険への加入、空き家対策で地方自治体が買い上げ、安価な賃料で提供するといった生活不安を軽減することも重要な対策である。

その財源への議論が遅れているのも事実で、誰かを支援すれば誰かがそれを負担する必要がある。所得の再配分機能の意識が乏しく、負担の不満を回避するために、政治的には小さな声である小さな子どもや孫世代に負担を転嫁する国債発行に逃げ込もうとしている。これでは少子化対策と矛盾する行為である。👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『ソバーキュリアス』と経済」から

2023.2.27  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『ソバーキュリアス』と経済」から

かつてのスコッチウイスキーの英国の轍を踏むのか

ソバーキュリアス(Sober Curious)とは体質や病気のせいでお酒を飲まないのではなく、あえてお酒を飲まない生活スタイルで、コラムの著者はその生活スタイルが経済に影響を与えることについて語っている。

○日本酒はもはや全出荷額の10%以上を輸出する産業となった

ソバーキュリアス(Sober Curious)は、「お酒を飲まないシラフ状態」と「好奇心のある」という英語の結合したもので、コラムの著者によると「飲酒をしないことの利点を知る」ということらしい。

ソバーキュリアスの実践者の話では、酩酊で無駄にしている時間がいかに長く、アルコール分解で消耗している体力がいかに大きいかが実感してわかるという。もはや飲酒をする習慣に戻りたいとは思わなくなるともいう。

現状、2022年の日本のアルコール飲料のデータで輸出を見てみると、前年比21.4%増の1392億円と過去最高だという。しかも、日本酒は健闘し、出荷金額が4000億円前後で10%以上を輸出によるものだという。日本酒やJapanese whiskeyは日本の輸出産業となっている。

コラムの著者が酒の輸出に注目するのは、1980年代、日本が欧米と貿易戦争に火花を散らしていた頃を思い出すからだという。英国が日本に関税下げを最初に求めた主力輸出品がウイスキーとビスケットだった。ウイスキーは衰退する英国の輸出を伸ばす武器だったが、苦しい状態であったという。日本の酒造メーカーがソバーキュリアスの広がりで国内需要が低迷することに呼応して輸出を増やしたとすれば、かつての英国の轍を踏むのではないだろうか。🍶🥃🐠🏉⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇬🇧