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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:バンダイ『アイカツ!』、ユーザの許容範囲把握」から

2016.2. 18  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:バンダイ『アイカツ!』、ユーザの許容範囲把握」から

製品を刷新する際の許容範囲を分析

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、女児向けの業務用ゲーム「データカーズ アイカツ!」を例に利用者の刷新に対する許容範囲をすることで継続的なニーズの掘り起こしを図ることについて語っている。

○アイドル活動=アイカツ

アイカツとは、アイドルの卵がファッションセンスやダンスの腕を磨きながらトップアイドルを目指して挑むという、アーケード向けのゲームである。

1回100円で1枚のカードを受け取る。トップスやボトム、靴、アクセサリーの描かれた4枚のカードをゲーム機本体の読み込ませ、好きなキャラクターの服装をコーディネートする。

オーディションでは、曲に合わせてボタンを押し、キャラクターにダンスをさせる。ダンスの上手さとコーディネートのセンスが採点され、オーディションの合否が決まる。センスをあげようとユーザーがカードを集めるため、累計出荷数は2億枚を超えるという。

アイカツのキャラクターも同社が自社開発したもので、キャラクターに連動したテレビアニメや関連グッズの売り上げを毎日管理し、カードの内容を見直したり、アニメも視聴者の反応を見て随時修正する。キャラクターデザインも変更の対象であり、女児のみだけでなく母親にも支持されるように、キャラクターを変更したこともあるという。髪の毛の色や盛り方など500組を親子に示し、顧客の許容範囲を確認しながら、変化を取り入れ、自社ブランドのロングセラー化を狙う。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:高額トースターが人気、モノを通じた体験に価値」から

2016.2.12   日経産業新聞の記事「流行を読む:高額トースターが人気、モノを通じた体験に価値」から

今後のマーケティングのヒントは体験価値

コラムの著者 岩崎 博論氏(博報堂ブランドデザイン ストラテジックプランニングディレクター)は、昨年の話題になった高額トースター「バルミューダ ザ・トースター」(家電VBバルミューダ製・東京武蔵野市)のマーケティングについて語っている。

○もちもちサクサクのトーストを毎朝食べられるという体験の価値?!

同製品は、同社が開発した温度制御技術をつかって、トーストを焼くと中身はもちもちしたままで、外側はサクサクに焼け、同じパンでもこれまでの既存トースターと一線を画すると人気になった商品である。

税込みで2万4732円という決して安くないこの商品は脱デフレの象徴のような事例といわれている。この事例は高額だからではなく、焼いたトーストのうまさを体験する価値を購入するという、モノからコトへ価値を変え、さらに、できたトーストの写真投稿などSNSでの補助装置といった面もあり、一筋縄ではいかないマーケティング戦略があるという。モノを通じた体験価値を明示することが、モノづくりのマーケティング戦略のヒントになると、岩崎氏は示唆している。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:ネスカフェの『大使』、定期購入促し離脱防止」から 

2016.1.28   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:ネスカフェの『大使』、定期購入促し離脱防止」から

アンバサダー(大使)だと忠誠心の高い顧客だと思い込んではいけない

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、ネスカフェのコーヒーマシンを軸としたビジネルモデルからの転換について触れている。

○コーヒーマシンの無料貸し出しモデルからの脱却

ネスカフェのネスカフェアンバサダーとは、同社が開発したコーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」を職場に設置することを条件に無料で借受ける人であり、専用コーヒーカートリッジの購入と飲用者から代金を回収する役目を持つ。さらに、同僚にネスカフェを広げてくれる営業大使である。

この制度によって同社のバリスタは成長を遂げ、コーヒのみならず紅茶や緑茶まで多様なメニューを広げた。ただ、同社は緻密な調査によって、スーパーやネットショップでより安くカートリッジを買おうとする動きが生まれ、収益の安定を揺るがす要因を知った。そこで、マシンの無料貸し出しをレンタル方式に変え、カートリッジの購入を史上最低価格に近い価格で買えるような定期購入制度に改めた。つまり、離脱率を抑える方式にかえ、ビジネスモデルも定期購入の促進に重点を置いた。

このようにアンバサダーだからといって同社の熱狂的で忠誠心のある顧客と思い込むことを避けることで、改善を進めようとしている。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「パッケージNOW:『万能』ばんそうこうの箱」から

2016.1.26   日経産業新聞の記事「パッケージNOW:『万能』ばんそうこうの箱」から

強度と考えながら輸送もコンパクトに

コラムの筆者 竹原あき子氏(工業デザイナー)は、前回に続いてフランスの絆創膏パッケージについて語っている。

○フランスの救急絆創膏メーカー「Urgo」

同社は1880年創業の家族経営のメーカーで、胸に十字を抱いた駆け寄る青い人形のロゴを使っているという。このロゴが店頭ではよく目立つという。

また、当初は傷が目立たない色であったが、最近は小中学生の贈り物となって綺麗な色を使っている。それに合わせてパッケージも様々に展開。その中でも同社のパッケージは、面白いという。

プラスティックパッケージで、ウエストが少し絞られ、縦120ミリ、横75ミリ、幅25ミリで手のひらにうまく入る。棚に引っ掛ける部分もあり、中の大小2種の20枚の絆創膏を入れるには贅沢な作り。さらに細かな指の滑り止めがあって、片手でも使える優れもの。

このパッケージは強度と棚の吊るし部をもって輸送も優しくコンパクトに行える現場を考慮したものだ。商品シールを変えれば他の医薬品にも使える作りだ。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ユニクロのセミオーダー、品質重視、広い層つかむ」から 

2016.1.21   日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:ユニクロのセミオーダー、品質重視、広い層つかむ」から

商品や在庫の管理に自信

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、1月12日に発表したユニクロの紳士物のセミオーダージャケットについて低価格ブランドとのカニバリズム(共食い)の回避について語っている。

○自社ブランド「GU」との競合回避

このジャケットがオーダーにはないにせよ安いわけではない。税別1万4900円でフルオーダーではないが、サイズや色合い、素材といった点での工夫が必要だ。同社があえてこの値段で市場に出すには、低価格路線の同社ブランドとのカニバリズムを避けるためで、商品単価を上げる手段でもある。

商品は、同社が昨年夏、セミオーダー感覚で選べるシャツ(税別2980円)で市場の感覚を得ていた。想定では30から40歳台と思ったが実際は10から60歳台まで幅広い客層に好評だったという。そこで、メインはビジネスマンとしたが¥、幅広い年代にカジュアル利用も見込んだのが今度のジャケットである。

ジャケットは価格が高いが在庫リスクを伴うが、フルオーダーよりはリーズナブルであるとの価格帯で、ネットでフィット、カラー、身幅、着丈、袖丈の異なる2112通りから選択でき、注文後最短7日で指定場所に届く。幾つかはパターンで消化し、最後は受注後、1センチ単位で職人が調整して出荷する。まさに、在庫管理として提供のある同社のやり方である。

圧倒的な品質差で消費者の知覚品質を一気に引き上げ、狙い通り商品単価を上げるのが同社の戦略だ。cafehappy01