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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:共通ポイント、囲い込み効果薄れる」から 

2016.4.21   日経産業新聞の記事「横山斉理の目:共通ポイント、囲い込み効果薄れる」から

あふれたポイントカードで本来の効果は?

コラムの著者 横山 斉理氏(日本大学商学部准教授)は、ポイントカードの導入が顧客の囲い込みであったが、最近の利用店の共通化でその効果が薄まっているという。

○切り札はおもてなしの気持ちなど事業者側の付加価値

横山准教授によれば、ポイントカードが顧客の囲い込みのために導入が始まったという。

店側が来店客にポイントカードを配布し、購買金額ごとに一定のポイントは次回以降の支払いに使うことができたり、ポイントを使って追加的なサービスが利用できたりする。つまり実質的な値下げで顧客を囲い込もうという意図である。ここには、顧客がお得意様になってもらって継続して購入を促すことで、新規の顧客獲得にかかるコストを減らすことである。

ポイントカードは購買履歴などで分析することなどの長所はあるが、対象店の共通利用を可能にすることで、囲い込み効果は薄まってきている。ポイントカードが溢れることで、自分の行動範囲や好みを考え、幾つかのカードから厳選してお財布やカード入れに入れることになる。入ったカードは囲い込みに成功するが、その他は失敗したことになる。

ポイントカードの共通化は消費者にとっては持ち歩きなどの点で便利になるが、店側の囲い込み効果はどんどん失われる。ポイントはもともとお得意様へのインセンティブであったのが、特定店でお得意様の意味がなくなり、別の付加価値を考えないと囲い込みの手段には、もはや厳しい状況だ。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:生活に寄り添った説明、魅力」から

2016.4.19  日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:生活に寄り添った説明、魅力」から

わかりにくい装置も利用者の生活パターンの目線で

コラムの筆者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)がパナソニックの「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)」の取扱説明書の作成視点について語っている。

○説明が難しい商品をどう解説するか

同商品は、都市ガスを使って家庭で発電し、その際に発生する熱を有効活用して省エネルギーに貢献、お財布にも優しいものだが、説明が難しい。取扱説明書もわかりやすく伝える工夫がされている。

まずは、製品全体で何が行われているかを図解で大きく説明。電気やお湯が家庭内をどう運ばれていくのかで製品全体を利用者にイメージしてもらう。

さらに利用者の生活パターンを学習して省エネルギーにつながるように運転する機能について、各パターンを電力の使用量との関係をグラフやイラストで説明。「さらに詳しく知る!」というコラムで電気エネルギーと熱エネルギーを作る仕組みを解説している。発電モードの説明では、「こんなときには」と利用者の状況やニーズに合わせてモードが選べるように表で整理して説明。

取扱説明書の作成にあたっては、審査部門と検討しながら進め、顧客の視点でどのような情報をどう伝えるかに工夫をしたという。

発電モードを使い分ければ、利用者のニーズに合わせた発電ができるというメリットを端的に引き出し、利用者の共感を引き出すことを目指しているという。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:スターフライヤー、快適性重視、大手も追う」から 

2016.4.14   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:スターフライヤー、快適性重視、大手も追う」から

大手2社にはないサービスの進化が鍵

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、2016年就航10周年を迎えた北九州をベースにするスターフライヤーのサービスについて大手の差別化について触れている。

○安全性、快適性を重視したブランドの確立へ

ドリンクやエンターテイメント、シートなどのサービスで黒を基調としたブランドをイメージとした同社。大手よりも割安でしかも、日本版顧客満足度指数調査で1位を7年連続記録している。

ひときわ目立つ黒の機体、全席革張りで足元がゆったりしたシートで、タッチパネルのビデオモニタ、USB電源、ジャズバーをイメージした安全ビデオの全てが黒のイメージで統一しリッチな空間を格安運賃で提供している。座席数もA320最大180席を150席に抑え収益性よりも快適性を重視。

しかし、ドリンクやエンターテイメント、シートなどのサービスも大手の追従がすぐに起こる。同社の松石社長も;

「第一に安全性の徹底を担保した上で、定時性や快適性といった面で”らしさ”を追求する」

という。小野教授は同社の予約サイトでの残席数を競争力のバロメータとして観察しているという。

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:気持ちを伝えるメモ帳、文具自体がメッセージ」から

2016.4.8   日経産業新聞の記事「流行を読む:気持ちを伝えるメモ帳、文具自体がメッセージ」から

紙の端紙を利用

コラムの著者 栗坂 秀夫氏(パシフィックデザインアソシエーション代表)は、文具業界での挑戦について触れている。

○エコと心配り

文具業界は、人口減、少子化、パソコンやスマートフォンなどの情報家電の普及で、縮小が予想され、2014年度の国内の文具・事務用品市場の規模は4662億円である。特徴的なのは、その36%が紙製品であることだという。

多くの紙製文具は自分で購入するより、もらう機会が多いのも特徴。また大手文具店や雑貨店でも紙文具の代表であるメモ帳は売り場の脇役で終わっている。

そこで紙卸の立川紙業(東京都立川市、端詰亨社長)はメッセージ性のあるメモ帳「ベジ・テル」「モジ・テル」を今年の1月から発売した。「ベジ・テル」は新鮮な野菜たちをイメージに、玉ねぎ、トマト、ナス、キュウリを表紙に描き、トマトには「そんなに褒められたら赤くなっちゃう」の一言が添えられ、他の3つも同じようにレイアウトされている。「モジ・テル」は、ありがとう、ごめんなさい、愛してる、ふんばろう、の4種でメモとして使うことにより相手にメッセージを伝えるように考えられている。

これらの商品は同社の女性社員二人が企画、商品化した。メモそのものにメッセージ性を持たせこれまでにない文具を目指している。紙の製造ででた端紙を再利用した点でもエコであり、メッセージ性には女性の心配りが感じられる。業界での新規なカテゴリーとなるか、今後に期待したい。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:プレミアム柔軟剤、自分の魅力演出する香り」から 

2016.4.7   日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:プレミアム柔軟剤、自分の魅力演出する香り」から

技術とマーケティングの進歩

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、花王が16日に発売する柔軟剤「フレアフレグランスシリーズIROKA」の技術とマーケティング戦略についてふれている。

○毎日使う商品が魅力

花王の調べによると、2016年度の柔軟剤市場は約1190億円に達する見込みで、700円以上のプレミアム柔軟剤はその約10%を占めるという。市場としては規模が小さいが、毎日使うアイテムをリッチに気分良く使いたいというユーザーにとってはリピート率が高いという。このような状況で同社は、香りを重視したフレアフレグランスから新しい提案を行うことで、同ブランドの世界観を広げ市場を活性化させたいという狙いがある。

ターゲットの20から30代の有職女性をメインとして、インタービューや家庭訪問などの事前調査を行った。その中で浮かび上がったのは、自然な香りをまとうことで素敵な自分をさりげなく演出したいというものであった。

単純にいい香りであるだけでなく、わたしの魅力を引き出してくれる香りをねらうこととなり、これを開発コンセプトとした。技術的には、天然香料、上質香料にこだわり、香りセンサーを使って独自の残香技術を開発。一方、マーケティングは、一般的な柔軟剤ではなくターゲットにあった店頭演出や美容雑誌や広告宣伝に注力し世界観をアピールすることにした。これまでの同社の戦略とはことなり、絞ったターゲットへの商品は新境地への展開の予兆かもしれない。cafehappy01