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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: ほまれ酒造、海外アワード受賞歴でPR」から

2016.7.5   日経産業新聞の記事「風向計: ほまれ酒造、海外アワード受賞歴でPR」から

夢は生産と観光が一体となった日本酒版ナパバレー

コラムの著者 面川 真喜子氏(マーケットプランナー)は、今年5月兵庫県で開催されたインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2016の『SAKE部門』審査会で最高賞のチャンピオン・サケを受賞し、伊勢志摩サミットで各国首脳の手土産となった「会津ほまれ播州産山田錦仕込 純米大吟醸」について日本酒業界の構造的な課題について触れている。

○日本酒業界の構造的な課題とは

同社は、2012年に銀賞、それ以降は金賞受賞を続けている実力酒造。日本酒業界では中堅クラスになる蔵元であるが、日本酒は大手数社が寡占している業界で、幾つかの勝ち組もあるが大半は苦しい状況である。勝ち組でも製造にあたり、高齢化して後継者のいない農業に依存しているため、今後の原料米の確保も危機感がある。日本酒は日本文化ではあるが、このような構造的な課題を抱えている。

国内需要を海外展開から逆に引き込むことで、原材料も確保する考えでうごいているのが、ほまれ酒造である。この事例は、海外アワード受賞歴が海外展開のPR戦略に非常に重要な例である。将来は、カリフォルニアワインの事例にならって、生産と観光が一体化した日本酒版ナパバレーをつくり、訪日客へのニーズに応えたいという。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:頭部保護帽、安全+ファッション性」から

2016.7.4   日経産業新聞の記事「拡大鏡:頭部保護帽、安全+ファッション性」から

障害のある少女の依頼から発展

コラムの筆者 栗坂 秀夫氏(パシフックデザインアソシエーツ代表)は、病院・施設用リネンサプライ、清掃、福祉用具の開発・製造、住宅改修を手がける特殊衣料(札幌市)が手がける保護帽「アボネット」の開発の経緯について語っている。

○安全性重視から使い勝手、ファッション性への配慮に

同社が2000年から産学官連携による福祉用具のデザイン開発・研究プロジェクトに取り組んだ中で生まれたファッション性と機能性を加味した保護帽「アボネット」を02年に販売開始をした。

この開発の原点に、障害のある少女の願いがあったという。少女の家族から「軽くて丈夫な保護帽を作って欲しい」という相談から同社が取り組んだ。通常安全帽は、ヘルメットで、外出時に着用できるような適当な保護帽がなかったという。当時現在のアボネットの原型となる頭部保護帽「愛帽」を94年に開発、これが発展した。特徴は、安全機能に重点を置きながら、使い勝手やファッション性を配慮し、帽子の内部に緩衝材としてポリエチレン製ビーズや高級ウレタンフォーム、メッシュなどを使った。

さらにアボネットは、少女の要望からさらに広がり、社会の変化や要望を取り込んでいる。衝撃吸収性能も客観的な評価指標で表示し、病気などで頭髪が少なくなった人たちも気持ち良くファッション性を配慮した製品も販売している。ソーシャルデザインの典型といえよう。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:進化する『没入』」から

2016.7.4  日経産業新聞の記事「眼光紙背:進化する『没入』」から

電話、ケイタイ、ゲーム機、そしてHMD

コラムの著者は、東京・秋葉原の「ヨドバシカメラ」のそばにある「広場」の様子をみて今後のデジタル・コミュニケーションについて語っている。

○宇多田ヒカルさんの"Automatic"の歌詞に注釈が必要な時代

さて。この「広場」に集まる若者は、一心不乱で携帯ゲーム機の画面をみて指先を無言で動かし、会話もないという。「すれちがい通信」と呼ばれるゲーム内のアイテム交換や簡単なメッセージのやり取りをしている、ゲーム仲間との「社交の場」だという。

このように若者の遊びや出会いの形を変えてきたのはコミュニケーションに関わる技術の進歩であるという。

さらに最近、1998年にヒットした「Automatic」(宇多田ヒカルさん)の楽曲に、注釈が必要ではないかと、ネットで盛り上がったという。

  • 7回目のベルで受話器を取った君、名前を言わなくても声で…

の歌詞で登場する「ベル」や「受話器」という単語がいまの10代から20代には通じないという。20年近く経ったいま、LINEに慣れたネット世代にはわからない。

さらに進化は進み、ヘッドマウントディスプレー(HMD)をつけてゲームに興じる世代が増えれば、仮想の遊び場が生まれることになる。もう、そこには「すれちがいの広場」は不要かもしれない。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:半導体の新指標、デバイスからシステム主導へ」から

2016.7.1  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:半導体の新指標、デバイスからシステム主導へ」から

回路の線幅の細密化から新製品や新サービスを生み出すシステム主導へ

コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、半導体業界で「国際半導体技術ロードマップ(ITRS)」を発表してきたITRS委員会の解散後、5月にIRDS(デバイスとシステムに関する国際ロードマップ)の発足が新たな業界の羅針盤になるかどうか注目している。

◯元は米半導体工業会(SIA)から

ご存知のようにSIAは、米インテルの共同創設者、ゴードン・ムーア氏が提唱する「ムーアの法則」(集積度が1から2年で倍増する経験則)からきた。それが米国のみならず、欧州、日本、韓国、台湾に同様な組織体を結集したものが、ITRSであった。

しかし、2001年、当初の目的を終えたとして解散。羅針盤を失った業界は、プロセッサーやメモリーの高集積化を主眼とした「モア・ムーア」派の米国とシステム・オン・チップやセンサーなどの機能の多様性に重点を置いた「モア・ザン・ムーア」派の欧州で分離。しかも、金科玉条としていたムーアの法則も物理的限界が見えてきた。そこで、5月にIRDS(デバイスとシステムに関する国際ロードマップ)の発足。

これによって回路の線幅の細密化だけでなく、新しい商品やサービスを生むシステム主導に舵が切られた。システムの視点に立てば、デバイスレベルとシステムレベルの双方で、省電力化を進め、機能の拡張や処理能力の向上を図れる。こうした動きが半導体業界の主流になるか、注目すべきと志村氏は示唆している。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国スパコン、質・量で圧倒」から

2016.6.28  日経産業新聞の記事「眼光紙背:中国スパコン、質・量で圧倒」から

米国のスパコン向け半導体の輸出禁止でも

コラムの著者は、スーパーコンピューター(スパコン)の開発で中国が大躍進していることについて触れている。

○国別設置台数でも米国を抜く

年の2回、計算速度のランキングを発表している「トップ500」の最新版(2016年6月発表)で中国のスパコンが1位と2位を占めたという。2013年6月から7年連続で中国が首位を走り、この分野で世界をリードしてきた米国も手が届かない状態である。

今回のランキングで初登場した最新機「神威太湖之光」の計算速度は、秒速9.3京(1京=1兆の1万倍)回で、3位の米国「タイタン」の約5倍、5位日本の「京」の約9倍の性能だという。

米国はすでにインテルやエヌビディアなどの半導体をたい中国向けには禁輸している。にもかかわらず、中国国内で開発したチップを使い、技術力の向上を見せつけた。

さらに衝撃的なデータは、上位500台の占める国別の設置台数である。速度で首位をこれまで明け渡したこともある米国だが、台数では圧倒してきた。しかし、中国は米国のそれよりも今回多かったという。

日本はこう言った性能競争とは異なり、省エネ性能を競う。「グリーン500」で「菖蒲(しょうぶ)」が3機連続の首位と検討している。差別化を明確にして、世界競争に打ち勝ちたいところである。camerahappy01