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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:『集中と拡大』」から

2016.8.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:『集中と拡大』」から

事業目的の相違

コラムの著者が、既に亡くなった経営者二人を対比し、事業目的の相違について語っている。

◯任天堂とLIXILグループ

スマートフォンゲーム、「ポケモンGO」で世界的な話題を集めた任天堂。同社は、「天国か地獄か」と言われる不安定な娯楽ビジネスに特化し、安定的な収益が見込める事業を持たず、常に背水の陣を敷いているようにみえる。しかし、保守的ではない。ゲームという分野に広がりを持たせようと熟考している。昨年亡くなった岩田前社長は、

「従来の枠にとらわれず、音楽やカメラ機能、健康管理など利用者を笑顔にするものはすべてゲームと定義してみる」

と語ったという。

一方、LIXILグループの前身、トステムの創業者で故潮田健次郎氏は、住環境に関連した事業以外は「行わない」ろした主旨の文言を定款にいれたという。同氏はアルミサッシから始め、製品を次々と増やしたが、住宅という分野には目をそらさなかった。この点は岩田氏と同じで、事業の「集中と拡大」。ただ、同社は、任天堂とは異なり、事業目的を細かく列挙、この否定文を削除したという。さて、創業の理念は受け継がれるのか?camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:37年目の『カフェオーレ』」から

2016.8.5  日経産業新聞の記事「眼光紙背:37年目の『カフェオーレ』」から

たかがコーヒー牛乳と侮れない

コラムの著者が、江崎グリコの東京工場の見学で感じた同社の思いについて触れている。

◯生産はコーヒー豆をひくところから始まる

生産ラインに入りときは、半導体工場のクリーンルームのような仰々しさだという。防じん服に着替え、帽子にマスクをしてエアーシャワーを2度浴び、眉毛も落ちないように粘着テープで抜いておくという慎重さである。

 カフェオーレの生産はコーヒー豆をひく工程から始まる。今年で37年目のロングセラーで当初からインスタントやコーヒーエキスを使わず、ネルドリップで抽出。後味がスッキリするとのことで、たかかコーヒー牛乳と侮れないという。

8月1日は「カフェオーレの日」で、6月1日の「牛乳の日」と10月1日の「コーヒーの日」の真ん中をとり、同社が日本記念日協会に申請、認定を受けたそうだ。さすが、商売の街大阪の江崎グリコのである。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:カートリッジ回収箱、全国の郵便局とタッグ」から

2016.8.4  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:カートリッジ回収箱、全国の郵便局とタッグ」から

インターネット時代でもすべてがネットで完結するわけではない

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、プリンターメーカー5社と日本郵便が運営する「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」に着目し、その成功事例について述べている。

○Win−Winの関係を構築

ブラザー工業、キヤノン、デル、セイコーエプソン、日本HPのプリンターメーカー5社が共同で日本郵便の郵便局を拠点に使用済みインクカートリッジを回収し、再資源化を推進するリサイクル活動として、このインクカートリッジ里帰りプロジェクト」を進めている。

もともと1社単独で回収しきれなかったことを5社共同で進めることと、郵便局という絶大な経営資源を生かし、環境活動の拠点としての活動は社会的な価値を上げる。

まず、全国の郵便局などに回収箱を設置し、2008年から着手、集まった使用済みカートリッジは「ゆうパック」で仕分け拠点に送られ、プリンターメーカーごとに仕分けされる。仕分けたカートリッジは、各メーカーに「ゆうパック」で送られ、リサイクルされる仕掛けだ。

回収箱は全国約3600カ所の郵便局、全国の自治体の支所や市民センターなどに置かれ、2015年では340万個の使用済みカートリッジを回収し、126トンの二酸化炭素削減効果を実現した。

一方、プリンターメーカーにとってインクカートリッジは、レザー・ブレード(カミソリの刃)商法と呼ばれ、プリンター本体の価格を抑え、消耗交換品(替刃、この場合はカートリッジ)で儲ける戦略である。ただ、唯一の問題が使用済みのカートリッジの回収で環境問題につながることである。それをこのプロジェクトは競合他社も共同で問題にあたることで解決した。また、日本郵便も全国の郵便局の経営資源をうまく活用し、「ゆうパック」で実利も上がる。プリンターの利用者もリサイクルでECOに貢献することになる。

すべてがネット上で解決しそうだが、リアルの場も含め大きな流れでエコシステムをつくることも重要だ。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 北米の食品展示会、バーコードが名刺代わり」から

2016.8.2   日経産業新聞の記事「風向計: 北米の食品展示会、バーコードが名刺代わり」から

語学やコミュニケーションの上に必要なこと

コラムの著者 中村 泰子氏(ブームプランニング社長)は、6月下旬に米ニューヨークで開催された北米最大の食品関連展示会「サマーファンシーフードショー」に参加して、そのビジネスの熱気とタイミングの良さ、さらにICTを駆使する会場運営について触れている。

○イベント受付専用のアプリなど至れり尽くせり

日本の幕張メッセやビッグサイトで行われるトレードショーや展示会も」改善されてきているが、本来の目的であるビジネスの進展を助ける内容が充実しているという。

まず、初日で専門家が選んだ注目商品が集まられたブースがあったり、ペーパレス化やスピード重視で効率の良いビジネスの仕組みができているという。インターネット経由で企業名と個人情報を事前登録しておき、参加料をオンラインで支払うとメールでバーコードが届く。受付でバーコードをスキャンしてもらい入館証と交換する。会場ではこの入館証を首からぶら下げ入館チェック、出展者との情報交換(名刺代わり)となる。

イベント専用アプリはマップや出展社の詳細情報などのコンテンツがあり、広い会場を効率よく動くことができる。最近は語学やコミュニケーションも重要だが、最新技術を展示で見て、触って、感じることも重要でこれを技術が支援している。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:ジョゼフジョゼフのレモン搾り器、便利さパッケージで表現」から

2016.8.1   日経産業新聞の記事「拡大鏡:ジョゼフジョゼフのレモン搾り器、便利さパッケージで表現」から

すぐれたデザインで購買欲をそそる

コラムの筆者竹原あき子氏(工業デザイナー)は、2003年英国で双子の兄弟が始めた調理器具の会社が販売しているレモン搾り器のマーケティングについて語っている。

○使う予定がなくても手に取ってみたくなるデザイン

ジョゼフジョゼフのレモン搾り器は、幾つもの美しい色のプラスティック容器を入れ子にし、しかも「問題解決」を意図したものだという。

この問題解決とは、かゆところに手が届くデザインという。レモンの種を受け止める穴が開いており、浅い受け皿が搾り器についており、半分に切ったレモンをどこで絞ったも、レモン汁はそのまま目的の器やフライパンに流れるように工夫されている。調理の一手間を省くもので、すぐれているのは、使い方がそのままパッケージで表現されていることだという。

搾り器という商品でありながら、箱も、透明なパッケージもつけず、レモンを描いた台紙に絞ったシーンを再現して、取っ手を握って棚から外したくなるようなデザインとなっていて、購買意欲をそそるという。

色も4色のダイナミックな色使い。店頭や台所を明るくする配慮がある。pchappy01