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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:パリの高級スーパー、エスプリ利いたパッケージ」から

2016.9.26  日経産業新聞の記事「拡大鏡:パリの高級スーパー、エスプリ利いたパッケージ」から

横縞パッケージでエンゲージメント

コラムの筆者 竹原 あき子氏(工業デザイナー)は、パリの高級スーパーマーケットのモノプリが刷新した自社ブランドパッケージの効果について考察している。

○減った観光客対策も

竹原氏によれば、2010年から自社ブランドの2000種類のパッケージを刷新して、パッケージデザインの常識を覆したという。

ポイントは、

  • 商品写真の一部だけ見せる
  • ほとんどのスペースに文字としまの色

といたってシンプル。桃缶などは「桃にこんにちは」と2行を記すだけでユーモアを振舞いているという。

このパッケージは、縞1つでモノプリという信用を得ることに成功しているという。モノプリというブランドの信用を中にある商品がどんなモノであっても、横縞パッケージで見分けさせ、消費者の手に届ける。メーカーの信頼より、販売行者のモノプリへの信頼をパッケージデザインで表現している。

さらに面白いのは、テロの影響で減少の続く(英語圏の)観光客にむけて、ユーモアを投げかけている点だという;

  • マウスウオッシュ;「フレンチキッスは、このフレンチマウスウオッシュから始めましょう」
  • カマンベールチーズ;「フランス人はチーズとはいいません。それを食べています」
  • クラブハウスサンドイッチ;「パリではドレスコードなしのクラブはこれだけ」

などなど。フランスの文化や習慣を下敷きにしたアイデアの展開である。

竹原氏によれば、江戸時代にも似た様なユーモアがあったそうだ。足の絵の横に濁点を描いて魚の「あじ」とよませて楽しんだとか。こういった楽しみもブランドづくりに役立つのかもしれない。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:男性用の日傘、社会規範変容で新市場」から 

2016.9.8   日経産業新聞の記事「横山斉理の目:男性用の日傘、社会規範変容で新市場」から

固定概念が商品の普及を阻害する

コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、男性用の日傘を事例に、固定概念の打破から新市場が生まれることを述べている。

○日傘の機能性は性別を問わない

強い日差しの夏の昼間で合理的かつ効率的な手段は日傘をさすことであるという。しかし、その起源から機能性とファッション性を兼ね備えた「女性」のためのアイテムで、男性が日傘をさすこては奇妙なこととされる。

ただ、男性でも、例えばゴルフのプレーでは日傘を差し、強い日差しにより体力が奪われることをさける。つまり、日差しは女性だけが対策しなければならないということではないことがわかる。熱中症の防止という見方では性差はない。

最近は男性用日傘がメディアなどで取り上げられるものの普及はまだまだであ。「日傘は女性が使うもの」という性別に関する社会規範が根強いため、新市場の発生を阻害しているとも言える。

とはいえ、この社会規範を変えるのは、一企業の力をもってしても困難である。「クールビス」や「イクメン」が政府主導のキャンペーンであったことを考えると、大きな認知が必要となる。ただ、潜在のニーズはあるから、既存の社会規範を打ち破れば新市場が生まれる可能性もある。まだまだ、日傘の事例だけでなく、このような社会規範を対象にするものがあるだろう。cafehappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「風向計: 飼い主とシッターつなぐ、ペットの世話適任選ぶ」から

2016.9.6   日経産業新聞の記事「風向計: 飼い主とシッターつなぐ、ペットの世話適任選ぶ」から

ICTを駆使してシッターをマッチング、愛犬の足跡も辿れる

コラムの著者 竹内 道氏(アークメディア社長)は、米国で成長しているペットサービス産業について触れている。

○ローバー(シアトル)とワグ!(ロサンゼルス)が人気

米国のペット用品工業会(APPA)のデータによると、2016年の市場規模は、627.5億ドルと前年比4%増だという。さらにペットの中でも犬を飼う家族世帯は5440万世帯と最多という。

多忙な家族で愛犬の世話をしてくれる人を信頼出来るドッグシッターとマッチングするサービスが人気である。ビッグデータを駆使し、飼い主とシッターをマッチングする新サービス、ローバーとワグ!は、即時に臨機応変な対応が可能なサービスを提供していて愛犬家に歓迎さえているという。

ローバーやワグ!は以下のような飼い主と愛犬の情報を集める

  • 住所
  • 世話に必要なスケジュール
  • 愛犬の習性
  • 散歩上のニーズ

を登録。これに対して、各サービスは飼い主のニーズにあったシッター情報がリストアップされる。

  • これまでのシッターとしての経歴(これはローバーやワグ!が審査)
  • 他の飼い主からの評判

などの情報がわかる。これを使ってマッチングを進める。

米最大手の「ローバー」は、愛犬が散歩するルート、散歩した時間、その時の行動などを報告するリポートカードをスマホのアプリとして導入し、愛犬の動向を生でつかむことができる。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:UPQ『1年たっても生きてます』」から

2016.9.1  日経産業新聞の記事「眼光紙背:UPQ『1年たっても生きてます』」から

ものづくりスタートアップベンチャーの奮闘

コラムの著者は、カシオ計算機出身でものづくりスタートアップベンチャーのUPQ(アップ・キュー)が製品発売から1年たって、変わってきた消費者の潮流について語っている。

◯中澤優子社長、「1年たっても生きています」

はじめに24だった製品数は今や59となり、社長の中澤優子氏は、製品発売から1年に「1年たっても生きています」と語ったという。初期はすごいスピードで商品化するファスト家電メーカーとして注目され、女性起業家であることも相まって、その活躍に目がいったが、「どうせ消える」と冷淡な声を浴びせる人もいたという。

大型量販店にも商品が並ぶようになり、「かけた経費を相殺できる売り上げはたっている」という。確かにスマートフォンの製品化では技術基準適合認定(技適)で回収の失敗もあったが、生産委託をする中国との間をハードなスケジュールでこなし、少しずつ協力者の輪を広げてきた。

デジタル化の進展の進展で高性能の部品が手に入りやすくなり、クラウドファンディングなどの資金支援サービスも拡充されてきた。こうした中で個性的なメーカーが生まれてきてもおかしくなく、消費者も、そうした作り手の個性や熱意を含めて価値とみる人も増えてきているという。新しい潮流と読むこともできる。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:8K、精細度以外の性能向上を」から

2016.8.29  日経産業新聞の記事「拡大鏡:8K、精細度以外の性能向上を」から

映っている細部が自然と浮き上がる感覚

コラムの筆者 山之内 正氏(AV評論家)は、リオ五輪の開幕直前8月1日にNHKがスーパーハイビジョン(4K・8K)試験放送を開始したことに対して、高い精細度にはなったがまだまだ受像機に改善が必要と語っている。

○撮影方法や映像表現も変わる可能性がある

まだ家庭では受信できないが、NHKの放送局で実際の映像をみることができるという。リオ五輪の映像もパブリックビューイング会場で鑑賞できた。2018年の実用放送に向けてステップアップしたという。

全景を捉えた映像でも、高精細であるため、一部分に注目すると、細部が浮かび上がってくるように見えるという。この感覚は従来のテレビ受信機では体験できない。さらに、撮影する側も必要以上に被写体に近づいたり、ズーミングする必要もなくなるので、新しい撮影方法や映像表現も生まれる可能性があるという。

ただ、惜しいのは、精細度は上がったが、色のコントラストや輝度、階調度はまだ現行機の性能で、明るい目の視覚環境では、これまでのテレビとの差異は大きくないという。これらのコントラストなどの精細度以外の性能向上を図る必要があるととそれを実感できるコンテンツが必要であると、山之内氏は示唆している。pchappy01