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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:原料炭高騰、鉄鋼業界追い打ち」から

2016.10.12   日経産業新聞の記事「眼光紙背:原料炭高騰、鉄鋼業界追い打ち」から

製品だけを中国が揺さぶっているわけではない

コラムの著者は、資源の多くは供給過剰であるが、価格が低迷している温度差が中国経済に与える影響を鉄鋼業界を事例としてみている。

◯資源の多くは供給過剰で価格は低迷

ただし、こういった局面でも価格が急騰する資源はあるという。その事例が希少金属であるリチウムであるという。電気自動車の生産増加などで需要が急増している。問題は、製鋼材料の石炭である。

原料炭の価格もスポット市場では年初の3倍近くに急騰している。ただ、製品である鉄鋼製品の回復したわけではなく、リチウムなどの資源だけである。

この要因は、中国政府の石炭産業の過剰整理が主因である。ところが、悪天候などの影響で需給バランスが崩れ、いきなり供給が間に合わない。アジア地域の鉄鋼需要も持ち直しているが、中国の過剰供給は変わらず、先行した石炭産業の過剰整理の時期に対して鉄鋼産業が大幅に遅れ「原料高・製品安」を招いている。どうやら鉄鋼業界で強大化した中国が製品のみならず原材料市場も揺さぶっている。

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:失敗の歴史に学ばなければ」から

2016.10.4   日経産業新聞の記事「眼光紙背:失敗の歴史に学ばなければ」から

ジャパンディスプレイ(JDI)とエルピーダメモリの類似性

コラムの著者は、JDIの先行きが危ぶまれる中で、2012年に破綻したエルピーダメモリとの類似性を指摘する。

◯時の政権の意向で方針変更何度も起こる政府系金融機関

JDIの弱点は、頼みの主力取引先である米アップルの「iPhone」の販売不振である。8月の初旬に筆頭株主である政府系ファンド、産業革新機構への金融支援要請が発覚。さらに、

「アップルの部品サプライヤーに止まらないことを示すことができなければ政府はJDI株売却を検討するとの考えを示した」

と世耕弘成経産相のインタビュー記事を米ウォール・ストリート・ジャーナルが掲載し波紋が広がったという。

かつて、「日の丸半導体」の看板を掲げたエルピーダメモリが2012年に経営破綻したとき、坂本幸雄・元社長は日本政策投資銀行から300億円の出資を受けたことを悔やんだという。時の政権の意向でクルクルかわる政府系金融機関の姿勢に経営が振り回されたからである。

「日の丸液晶」の看板を掲げるJDIも酷似しているだけに、前回の失敗を学ばなければならないだろう。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「拡大鏡:乳酸ドリンク、透明かつ味しっかりで注目」から

2016.10.3  日経産業新聞の記事「拡大鏡:乳酸ドリンク、透明かつ味しっかりで注目」から

パーソナルサイズで利益率の高いカテゴリー

コラムの筆者 小林 仁氏(食品マーケティング研究所所長)は、天候に恵まれ、新製品の増加で前年比約2%増と続伸ペースの清涼飲料水市場の中で、乳酸系ドリンクの好調さに注目している。

○PB商品の影響を受けにくい

小林氏によれば、同社の調査で、2015年は約4810万ケースの市場規模。主力ブランドのリニューアルや新製品効果で約8%増の5200万ケースと拡大ペースであるという。

このカテゴリーは、乳酸ドリンクタイプと透明ニアウオータータイプに大別され、両者とも増加傾向であるという。各社の動きは以下のとおり;

  • サントリー食品インターナショナル;ニアウオーター「贅沢ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」
    • 乳清の乳酸菌発酵液を絶妙にブレンド。水のように透明で後味すっきりで飲めるのに、フレーバーの味がしっかり実現。16年も好調。
  • アサヒ飲料;アサヒおいしい水シリーズとして「おいしい水プラス『カルピス』の乳酸菌」
    • 好スタート
  • 日本コカ・コーラ;「ミニッツメイドヨーグルトスタンド
    • 乳酸菌入りヨーグルトベースに、甘味素材「希少糖」を使用。ほどほどの甘さと独特のとろみ感、ナタデココのつぶつぶ食感が楽しめる。1本あたり87キロカロリーとヘルシーで女性に人気。

乳酸系ドリンクは、ナショナルブランド主体で構成され、PB商品の影響を受けにくい。パーソナルサイズで、利益率も高いという。

機能性飲料市場へのテコ入れに今後利用されるという。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:メイカーフェアに思う、多様な人の交流、創造に」から

2016.9. 29   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:メイカーフェアに思う、多様な人の交流、創造に」から

出店者同士、出店者と来場者の出会いから創造が生まれる

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、米オライリーが主催する「メイカーフェアトウキョウ」について触れ、このような展示会が交流を生み新しい創造の場となっていることを示している。

○作成者(メイカー)は作ったモノを通じてコミュニケーションを欲する

 多様な人材が交流する場所がイノベーションを促進する事例を、西川教授は「メイカーフェア」で説明している。

ものづくりが好きな個人や企業が集う大規模なイベントで、文化祭のような雰囲気があるという。2006年米サンフランシスコで始まり、昨年150カ所で開催され来場者は120万人。日本でも2008年に始まり、今年8月に東京ビッグサイトで開催されたイベントでは、約400組が出展し、1万7500人が来場したという。

主催のオライリー・ジャパンの田村英男MAKE編集長は、

「出店者は、作りたいだけでなく、作ったモノを通うじてコミュニケーションをしたいという欲求がある。作品を見てもらい、拘った部分への評価や、アドバイスをもらいたいと思っている」

という。出展者も来場者も多様な技術の知識を持つ人が多いのも特徴。さらに、出展の対象は自作の作品だけでなく、モノを作るための素材や部品、道具、ソフトウェア、サービスなど、個人の創作活動の関わることがすべて含まれているという。

ここで出会った同士が意気投合して、新しいプロジェクトを起こすこともあり、出展者同士、出展者と来場者との出会いの場にもなっている。多様な、しかも多段階の人々と交流できることが鍵になっている。

創造性を必要とする企業も人為的にこのような場が創造できないだろうか。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の「眼光紙背:『カブトムシ』アイコンであり続けるか」から

2016.9.23   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『カブトムシ』アイコンであり続けるか」から

国民車構想の原点に立ち戻れるか

コラムの著者は、排ガス不正で厳しい状況の続くフォルクスワーゲンが日本で新型「ザ・ビートル」を先週発表したことに触れている。

◯戦前のドイツ軍需工場から英国軍による民生再生、そして不正問題

同社の名称であるフォルクスワーゲンの元となったドイツの「国民車構想」。結局、フェルナンド・ポルシェ博士が開発したKdF車はほとんど作れず、軍需工場となった。戦後、英国軍がKdF車を民生用に再生し、ビートルはドイツ経済復興のシンボルとなった。

今は小型車ゴルフなどがあるが、ビートルは、ブランドのアイコンとして欧米、日本でも位置づけられ受け入れられてきた。今回の発表で同社日本法人社長は「人を中心に考える」と説いたという。顧客に近づく姿勢を強調したが、オマージュといった生ぬるいモノではなく、グループ全体で「ザ・ピープルズ・カー」のメーカーとしての原点回帰を期待したいところである。camerahappy01